アンジェス|Covid-19ワクチン開発、仕切り直し


アンジェスは2021年7月26日、「新型コロナウイルスDNAワクチン: 高用量製剤での接種量を増やした臨床試験について」と題し、現在行っているCovid-19ワクチン2mgのフェーズ2b治験に加えて、同ワクチンの高用量でのフェーズ2a治験を行うことを報告しました。

同治験の目的はCovid-19に対する有効性としての免疫原性をより高めるためと前向きな印象を受けますが、投資家の受け取った印象は同ワクチン2mgでは免疫原性の獲得が想定を下回ったのではないかという疑念です。

現行のフェーズ2b治験の投与方法ではワクチン2mgを、2週間間隔での2回摂取、または、4週間間隔での2回摂取でしたが、新たなフェーズ2a治験では2mg(2週間隔3回)、4mg(4週間隔2回)、8mg(4週間隔2回)と摂取量を大幅に増加させる予定です。

その他、同フェーズ2a治験では皮内注射での同ワクチンの投与も試みます。

皮内注射のメリットは、薬剤が体内に効率よく拡散することで抗原認識を強化出来ることであり、ワクチンの効果を高めることにあります。

身近なところではBCGワクチンも十分な効果を狙うため皮内注射で投与されています。

アンジェスはフェーズ2b治験の結果は2021年秋頃の発表を予定していると公表していますが、血清抗体価などの獲得免疫に関する大まかなデータは手元にあると予想され、今回のCovid-19ワクチン開発の仕切り直し(フェーズ2a治験の開始)は現行のフェーズ2b治験でのワクチン効果が期待されている程のものでないことが伺えます。

これにより、Covid-19ワクチン開発の進捗は半年から1年程後退したと考えます。

 

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