ステムリムは大幅反発で上昇トレンドを維持 そーせいGはGLP-1作動薬「PF-07081532」の評価が見直され買いが集まる

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 1 創薬企業の相場概況

本日の創薬平均株価は大幅に2日続伸となりました。

加えて、創薬株28銘柄中25銘柄が値を上げ、売買代金も100億円を突破するなど、内容の伴った上昇となりました。

個別ではここ2日間で大きく売り込まれたステムリムに対する買いが集まり、前日比11.7%高と大きく反発して取引を終えています。

また、ステムリムは本日中に年初来高値を更新し、高い強度での上昇トレンドが続いています。

何度か言及したとおり、ステムリムは再生医療関連銘柄の筆頭として位置づけられ、加えて、9月22日には塩野義製薬社が開催予定のR&D Day 2022において、レダセムチドの新たな知見が発表される可能性があります。

そして、テクニカル指標(MACD・DMI)は継続して良好であるため、同材料に向けての上昇期待は続きそうです。

大型株ではそーせいグループ(そーせいG)が6.4%と急騰しました。

9月7日(米国)には「Citi’s 17th Annual BioPharma Brokers Conference」へ参加したPfizer社のMikael氏が、そーせいGとの共同開発品であるGLP-1作動薬「PF-07081532」について言及し、糖尿病の治療薬市場が注射剤中心となっており、経口剤であるPF-07081532の潜在価値の高さを提示しました。

▼PF-07081532に関する記事

そーせい|GLP-1作動薬「PF-07081532」と既存薬「Rybelsus」の有効性比較
そーせい|GLP-1作動薬「PF-07081532」と既存薬「Rybelsus」の有効性比較
そーせいグループ(そーせい)とPfizer社は、2015年に複数の治療領域における最大10種のGPCR標的に関する新規医薬品の開発に係る戦略的提携契約を締結しました。 その中の一つにGLP-1作動薬「PF-07081532」があり、同作動薬のフェーズ1試験の結果がPfizer社の第2四半期決算説明会で発表されました。 GLP-1作動薬はインスリンの分泌を促進させることで血糖値を低下させる効果の他、胃の働きを抑制し消化を減速させる効果、さらには、満腹中枢を刺激することで食欲を抑制する効果があります。 そのため、GLP作動薬には血糖値の低下と体重減少が期待され、その作用に適した疾患である2型糖尿病やNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)/NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)の治療薬としての研究開発が世界中で行われています。 そして、今回の決算説明会ではPF-07081532の投与による血糖値と体重の6週間後の変化に関する結果を示しており、それは極めて良好な結果でした。 そして、GLP-1作動薬にして2型糖尿病治療薬の既存薬「Rybelsus(Novo Nordisk社)」との比較では、PF-07081532の方が血糖値の減少効果で5.7倍、体重の減量効果で3.3倍と、優れた効果を発揮していることが分かります。 また、PF-07081532の投与量はまだ最適化されておらず、RybelsusのPIONEER8試験ではHbA1Cの減少が20週時を、体重減量がおおよそ32週時をピークとしていることから、PF-07081532のさらなる有効性が期待されます。 そのため、開発の先は長いですが、Novo Nordisk社のGLP-1作動薬「Rybelsus」と同「Victoza」の2021年度合計売上高28億ドルのシェアの大部分を奪える可能性が高く、そーせいの販売ライセンス料が10%と仮定した場合、安定的に年間300億円の売上高を計上することが可能になり、製薬企業の売上高株価倍率の平均値4~5倍を当てはめると、時価総額で1,200~1,500億円を押し上げる効果あります。
https://biotech-report.info/archives/3540

さらに、PF-07081532によるNASHへの適応拡大についても示唆しており、Pfizer社による同剤への期待の高さが伺えます。

また、本日は取引時間中に日本経済新聞社「そーせいグループ、最終黒字続く」が掲載されるなど、もともと自力のあったそーせいGですが、上記背景もあり、非常に注目を集めています。



 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【カイオム・バイオサイエンス】

Tribody™を用いた新規がん免疫療法薬創製に関する論文掲載のお知らせ

【ファンペップ】

機能性ペプチド「SR-0379」の第Ⅲ相臨床試験における最終観察日終了のお知らせ

 3 創薬株価指数と主要株価指数

創薬株価指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 576円 +22円(+4.02%)
BR平均株価【大型株】 1,688円 +61円(+3.77%)
BR平均株価【低分子】 689円 +28円(+4.20%)
BR平均株価【低分子(大型株除く)】 326円 +8円(+2.46%)
BR平均株価【ペプチド・タンパク】 608円 +14円(+2.44%)
BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】 77円 +2円(+2.41%)
BR平均株価【抗体・アプタマー】 226円 +1円(+0.58%)
BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】 852円 +56円(+7.10%)
BR平均株価【遺伝子】 298円 +11円(+3.79%)
主要株価指数 終値 前日比(%)
TOPIX33[医薬品] 3,356円 +31円(+0.93%)
NBI* 4,044ドル +127ドル(+3.24%)
日経平均株価 28,215円 +149円(+0.53%)
NASDAQ 11,862ドル +70ドル(+0.60%)

*NBI:NASDAQ Biotechnology Index

 4 創薬株価指数とテクニカル指標





創薬平均株価:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR平均株価【大型株】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BBR平均株価【低分子】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス

BBR平均株価【低分子(大型株除く)】:カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス

BR平均株価【ペプチド・タンパク】:オンコセラピー・サイエンス、ペプチドリーム、ブライトパス・バイオ、ファンペップ

BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】:オンコセラピー・サイエンス、ブライトパス・バイオ、ファンペップ



BR平均株価【抗体・アプタマー】:カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、リボミック、ペルセウスプロテオミクス

BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】:サンバイオ、ヘリオス、ステムリム、クリングルファーマ

BR平均株価【遺伝子】:アンジェス、ナノキャリア、オンコリスバイオファーマ、モダリス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 25銘柄
値下がり銘柄数 2銘柄
変わらず 1銘柄
出来高 2,098万株
売買代金 132億円
時価総額 8,133億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,504円 +40円(+2.7%)
アンジェス 292円 +15円(+5.4%)
オンコセラピー・サイエンス 65円 +2円(+3.2%)
そーせいグループ 1,807円 +108円(+6.4%)
ナノキャリア 204円 +1円(+0.5%)
カルナバイオサイエンス 923円 +13円(+1.4%)
キャンバス 597円 +29円(+5.1%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 238円 -2円(-0.8%)
ラクオリア創薬 1,144円 +51円(+4.7%)
シンバイオ製薬 723円 +12円(+1.7%)
カイオム・バイオサイエンス 165円 -1円(-0.6%)
キッズウェル・バイオ 266円 +3円(+1.1%)
ペプチドリーム 1,681円 +40円(+2.4%)
オンコリスバイオファーマ 536円 +16円(+3.1%)
リボミック 197円 +2円(+1.0%)
サンバイオ 1,146円 +45円(+4.1%)
ヘリオス 313円 +5円(+1.6%)
ブライトパス・バイオ 75円 0円(0.0%)
窪田製薬ホールディングス 147円 +3円(+2.1%)
ソレイジア・ファーマ 59円 +2円(+3.5%)
Delta−Fly Pharma 1,054円 +25円(+2.4%)
ステムリム 1,125円 +118円(+11.7%)
メディシノバ 314円 +7円(+2.3%)
ファンペップ 207円 +5円(+2.5%)
ペルセウスプロテオミクス 405円 +3円(+0.7%)
モダリス 414円 +10円(+2.5%)
クリングルファーマ 470円 +10円(+2.2%)
レナサイエンス 355円 +1円(+0.3%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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