1 創薬企業の相場概況
米国市場ではISM非製造業総合景況指数が市場の予想を上回り、FRB(米連邦準備理事会)による金融引き締めの長期化が意識されたことで、米長期金利が上昇しました。
金利の上昇は株価の下落に繋がるため、上記理由によって米国株価指数のNBIは前日比1.7%安、NASDAQ総合指数は0.7%安で取引を終えました。
また、日本株式市場では米長期金利の上昇による円安ドル高を材料とする買いの動きも限定的であり、日経平均株価はNASDAQ総合指数と同水準の前日比0.7%安で取引を終えています。
大型株ではペプチドリームが任天堂の創業一家の個人資産運用会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス」によて買収(過半数)されたタイヨウ・パシフィック・パートナーズ社による保有株数増の報告によって大幅に値を上げた前日の影響も相まり、一時前日比4%に迫る下落を記録しましたが、午前中に反発の兆しを示し、同2.2%安まで値を戻し取引を終えました。
▼タイヨウ・パシフィック・パートナーズ社に関する記事
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ジーエヌアイグループ(GNI)もペプチドリームと同様の値動きとなりましたが、その下落基調はより大きいものとなり、その推移は一時前日比10%に迫る下落を記録するものの、午前中に反発の兆しを示し、同6.8%安まで値を戻し取引を終えるというものです。
本日の創薬株ではペプチドリームやGNIと同様の推移となった銘柄は少なく、時価総額が100億円を超える中ではサンバイオとモダリスのみが似たような株価推移となりました。
上記4銘柄の株価推移を反発型とするならば、取引開始直後の下落から持ち直せずに取引を終えた推移を軟調型とします。
そして、軟調型の筆頭は本日の値下がり率1位のステムリムと言えるでしょう。
ステムリムは開始直後こそ上昇しましたが、そこから反落すると、高値から9%の下落となり、午後に入るとさらなる下落に見舞われました。
このような推移となった背景には、ステムリムが2週間に渡って上昇トレンドを形成したことで、利益確定売りが出やすい状況であったこと、そして、本日の創薬株におけるリスクオフの動きが重なったことが上げられます。
しかし、前日までに過熱感が警戒されていたステムリム株にとっては、本日の下落が良いガス抜きになったとも考えられます。
本日の下落率で注目を集めた一方、ステムリムは再生医療関連銘柄の筆頭として位置づけられており、加えて、9月22日には塩野義製薬社が開催予定のR&D Day 2022において、レダセムチドの新たな知見が発表される可能性があります。
そして、テクニカル指標(MACD・DMI)は継続して良好であるため、同材料に向けての上昇期待は続きそうです。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【窪田製薬ホールディングス】
・ウェアラブル近視デバイス「クボタメガネ」、小児を対象とした長期臨床試験の結果のお知らせ
【クリングルファーマ】
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 550円 | -17円(-3.02%) |
BR平均株価【大型株】 | 1,588円 | -47円(-2.87%) |
BR平均株価【低分子】 | 654円 | -20円(-3.01%) |
BR平均株価【低分子(大型株除く)】 | 314円 | -7円(-2.10%) |
BR平均株価【ペプチド・タンパク】 | 573円 | -12円(-2.07%) |
BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】 | 76円 | 0円(-0.35%) |
BR平均株価【抗体・アプタマー】 | 228円 | -10円(-4.34%) |
BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】 | 797円 | -35円(-4.19%) |
BR平均株価【遺伝子】 | 309円 | -10円(-3.28%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33[医薬品] | 3,238円 | -38円(-1.15%) |
NBI* | 3,806ドル | -66ドル(-1.69%) |
日経平均株価 | 27,430円 | -196円(-0.71%) |
NASDAQ | 11,545ドル | -86ドル(-0.74%) |
*NBI:NASDAQ Biotechnology Index
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR平均株価【大型株】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BBR平均株価【低分子】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス
BBR平均株価【低分子(大型株除く)】:カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス
BR平均株価【ペプチド・タンパク】:オンコセラピー・サイエンス、ペプチドリーム、ブライトパス・バイオ、ファンペップ
BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】:オンコセラピー・サイエンス、ブライトパス・バイオ、ファンペップ
BR平均株価【抗体・アプタマー】:カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、リボミック、ペルセウスプロテオミクス
BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】:サンバイオ、ヘリオス、ステムリム、クリングルファーマ
BR平均株価【遺伝子】:アンジェス、ナノキャリア、オンコリスバイオファーマ、モダリス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 19銘柄 |
値下がり銘柄数 | 7銘柄 |
変わらず | 2銘柄 |
出来高 | 1,618万株 |
売買代金 | 79億円 |
時価総額 | 8,077億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,447円 | -106円(-6.8%) |
アンジェス | 316円 | -14円(-4.2%) |
オンコセラピー・サイエンス | 64円 | 0円(0.0%) |
そーせいグループ | 1,685円 | -30円(-1.7%) |
ナノキャリア | 202円 | -5円(-2.4%) |
カルナバイオサイエンス | 904円 | -15円(-1.6%) |
キャンバス | 552円 | -32円(-5.5%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 227円 | +4円(+1.8%) |
ラクオリア創薬 | 1,085円 | -28円(-2.5%) |
シンバイオ製薬 | 695円 | -14円(-2.0%) |
カイオム・バイオサイエンス | 168円 | -11円(-6.1%) |
キッズウェル・バイオ | 267円 | -10円(-3.6%) |
ペプチドリーム | 1,578円 | -36円(-2.2%) |
オンコリスバイオファーマ | 520円 | -12円(-2.3%) |
リボミック | 196円 | -10円(-4.9%) |
サンバイオ | 1,098円 | -22円(-2.0%) |
ヘリオス | 301円 | -3円(-1.0%) |
ブライトパス・バイオ | 77円 | 0円(0.0%) |
窪田製薬ホールディングス | 145円 | -4円(-2.7%) |
ソレイジア・ファーマ | 57円 | -4円(-6.6%) |
Delta−Fly Pharma | 1,028円 | -32円(-3.0%) |
ステムリム | 1,022円 | -78円(-7.1%) |
メディシノバ | 304円 | +1円(+0.3%) |
ファンペップ | 203円 | -4円(-1.9%) |
ペルセウスプロテオミクス | 411円 | -10円(-2.4%) |
モダリス | 400円 | -4円(-1.0%) |
クリングルファーマ | 468円 | -6円(-1.3%) |
レナサイエンス | 355円 | -5円(-1.4%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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