アンジェスはCovid-19ワクチンのフェーズ1/2試験の結果発表を見据えた上昇 サンバイオは良好なテクニカル指標が、SB623の審査結果への期待を後押し

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 1 創薬企業の相場概況

本日はNASDAQ指数や日経平均株価が下落し、創薬株の値下がり銘柄数が17銘柄と、相場環境は良好とは言えないながらも、大型株のそーせいグループ(そーせいG)やペプチドリームの粘りと、加えて、時価総額が大型株に次ぐ中型株に属するアンジェスとサンバイオが強さを見せたことで、創薬平均株価は2日続伸となり取引を終えました。

アンジェスの本日の上昇は、8月10日に実施した2022年12月期 第2四半期の決算説明会において言及された、新型コロナウイルス感染症ワクチンの高用量製剤によるフェーズ1/2試験の結果発表に対する期待によるものと考えられます。

アンジェスは同試験結果のデータ取得時期について「この夏のうちに海外委託先から正式なデータが上がってくる」と言及しており、8月最終日である本日の取引終了後に同結果が開示されるとの推測が買いを集めた格好になったようです。

しかしながら、アンジェスは取引終了後に、同試験結果の開示時期が半月程度遅れる見通しであることを報告しました。




本日の上昇は同試験結果の開示を理由としたもののため、明日は売り優勢の局面となることが予想されます。

ただし、開示時期の遅れが半月程度であることから、その影響は限定的でしょう。

気になる点があるとすれば、解析に予定以上に時間が掛かっていることです。

創薬業界における臨床試験のデータ解析のスケジュールに関しては、主要評価項目を達成しているケースでは発表が概ね予定通りなことがほとんどです。

一方、同項目が未達であるケースでは、同結果が与えるネガティブな印象の緩和策としてサブグループ解析や新たな評価項目による追加解析に時間が取られ、発表が遅れることが、過去の創薬株の事例として度々見られます。

アンジェスの新型コロナウイルス感染症ワクチン(高用量)による同試験結果がそれに該当するかは不明ですが、投資家に与える印象は良くはないでしょう。




サンバイオはMSワラントの残高が0になったことで大幅に上昇し、その後、先駆け審査指定制度による早期承認を目指す外傷性脳損傷治療薬「SB623」の審査状況について、審査期間6ヶ月の期限となる9月までの承認取得の可能性が無くなったことで大幅に下落しました。

▼早期承認審査の期限内結果受領未達の是非に関する記事

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これらのイベントを消化して以降、サンバイオ株は徐々に下値を切り上げ、順調に上昇を続けています。

その背景には、審査期限6ヶ月内の承認の可能性がなくなったものの、承認の可能性が未だ残されていることが上げられます。

さらに、サンバイオ株は外傷性脳損傷治療薬「SB623」の早期承認申請完了時に一時2,200円の高値を付けたため、過熱感が乏しく、テクニカル指標(RSI・DMI)も上向きである現状は、買いが集まりやすい状況です。

時間の経過とともに、PMDA(医薬品医療機器総合機構)から同申請に対する結果が得られる可能性が高まるため、上記トレンドはしばらく続くと思われます。



 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【カイオム・バイオサイエンス】

「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」への参画のお知らせ

【窪田製薬ホールディングス】

2022年12月期第2四半期決算説明会動画を掲載いたしました

 3 創薬株価指数と主要株価指数

創薬株価指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 577円 +4円(+0.62%)
BR平均株価【大型株】 1,680円 +14円(+0.82%)
BR平均株価【低分子】 679円 -2円(-0.29%)
BR平均株価【低分子(大型株除く)】 319円 -2円(-0.76%)
BR平均株価【ペプチド・タンパク】 607円 +9円(+1.47%)
BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】 76円 -1円(-0.95%)
BR平均株価【抗体・アプタマー】 225円 -3円(-1.18%)
BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】 836円 +6円(+0.68%)
BR平均株価【遺伝子】 331円 +7円(+2.20%)
主要株価指数 終値 前日比(%)
TOPIX33[医薬品] 3,290円 -12円(-0.38%)
NBI* 3,854ドル -37ドル(-0.95%)
日経平均株価 28,091円 -104円(-0.37%)
NASDAQ 11,883ドル -135ドル(-1.12%)

*NBI:NASDAQ Biotechnology Index

 4 創薬株価指数とテクニカル指標





創薬平均株価:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR平均株価【大型株】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BBR平均株価【低分子】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス

BBR平均株価【低分子(大型株除く)】:カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス

BR平均株価【ペプチド・タンパク】:オンコセラピー・サイエンス、ペプチドリーム、ブライトパス・バイオ、ファンペップ

BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】:オンコセラピー・サイエンス、ブライトパス・バイオ、ファンペップ



BR平均株価【抗体・アプタマー】:カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、リボミック、ペルセウスプロテオミクス

BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】:サンバイオ、ヘリオス、ステムリム、クリングルファーマ

BR平均株価【遺伝子】:アンジェス、ナノキャリア、オンコリスバイオファーマ、モダリス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 8銘柄
値下がり銘柄数 17銘柄
変わらず 3銘柄
出来高 864万株
売買代金 59億円
時価総額 8,414億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,565円 -12円(-0.8%)
アンジェス 352円 +12円(+3.5%)
オンコセラピー・サイエンス 63円 -1円(-1.6%)
そーせいグループ 1,746円 +6円(+0.3%)
ナノキャリア 205円 -2円(-1.0%)
カルナバイオサイエンス 930円 -9円(-1.0%)
キャンバス 605円 -7円(-1.1%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 213円 +1円(+0.5%)
ラクオリア創薬 1,057円 -11円(-1.0%)
シンバイオ製薬 710円 -10円(-1.4%)
カイオム・バイオサイエンス 167円 -1円(-0.6%)
キッズウェル・バイオ 247円 -7円(-2.8%)
ペプチドリーム 1,681円 +28円(+1.7%)
オンコリスバイオファーマ 520円 -2円(-0.4%)
リボミック 201円 -1円(-0.5%)
サンバイオ 1,183円 +22円(+1.9%)
ヘリオス 311円 -3円(-1.0%)
ブライトパス・バイオ 79円 -1円(-1.3%)
窪田製薬ホールディングス 150円 0円(0.0%)
ソレイジア・ファーマ 67円 -1円(-1.5%)
Delta−Fly Pharma 988円 +9円(+0.9%)
ステムリム 1,049円 0円(0.0%)
メディシノバ 306円 0円(0.0%)
ファンペップ 213円 +3円(+1.4%)
ペルセウスプロテオミクス 423円 -1円(-0.2%)
モダリス 413円 +9円(+2.2%)
クリングルファーマ 471円 -2円(-0.4%)
レナサイエンス 359円 -2円(-0.6%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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