創薬株は75日移動平均線のサポートを受けて反発 メディシノバはMN-001のNAFLD治療薬に関する詳細な説明で市場規模の高さを印象づける

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 1 創薬企業の相場概況

本日の創薬株は28銘柄中17銘柄が値を上げ、創薬平均株価は反発し、前日比1.28%高で取引を終えています。

創薬平均株価は昨日時点で75日移動平均線に支えられる形となり、同平均線がサポートラインとして機能するかに注目をしていました。

▼創薬平均株価の75日移動平均線に関する参考記事

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https://biotech-report.info/archives/4043

そして、創薬平均株価に与える影響の大きな大型株(ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム)が揃って上昇した影響もあり、今回も75日移動平均線がサポートラインとして機能したことになります。




加えて、上記3銘柄で構成されるBR平均株価【大型株】の本日の値動きは日経平均株価と強い相関関係が見られ、なかでも、そーせいGとペプチドリームの値動き(前場に上昇し、後場は水準維持)が一日を通じて日経平均株価と強く連動しました。

一方、GNIの値動きは同2銘柄とは異なり、前場こそ上昇基調は見せなかったものの、後場では取引開始直後に大幅に上昇しました。

IR資料を発表した銘柄では、メディシノバがMN-001の適応症である「糖尿病および高脂血症を併発するNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)」に関して、その適応症の内容が分かり難かったことから、投資家向けに同内容の詳細な説明を行いました。

そこでは、同適応症の対象となる患者は、基礎疾患として2型糖尿病が認められ、二次的に高中性脂肪血症を呈する糖尿病性脂質異常症であること、そして、脂質代謝の異常によって血中だけでなく、肝臓にも中性脂肪が蓄積している状態(脂肪肝)の患者と定義し直しました。

その背景には、以前から知られている通り、2型糖尿病(内分泌疾患)、高中性脂肪血症および脂質異常症(代謝性疾患)、NAFLD(肝臓疾患)の3種類の異なる疾患が個々に独立している訳ではなく、多くの場合で併せ持つ性質があるからです。




いくつかの研究成果をまとめると、2型糖尿病患者のうち7割~9割の患者が高中性脂肪血症または脂質異常症を患っています[1][2][3]。

さらに、複数の研究成果を網羅的に分析した研究では、2型糖尿病患者のうちNAFLDを患っている患者の割合は6割程度と提示しています[4]。

2型糖尿病を基礎疾患とする高中性脂肪血症または脂質異常症を伴わないNAFLDは考えにくく、そのため、MN-001の同適応症の対象患者は糖尿病患者数の6割と見込めそうです。

糖尿病治療薬は市場規模が非常に大きく、例えばNovo Nordisk社の同治療薬「Rybelsus」は2021年度に6.6億ドルを売り上げており、剤形の異なるペン型治療薬「Victoza」は2021年度に21億ドルの売上を計上しています。

また、作用機序が異なるものの、AstraZeneca社の2型糖尿病治療薬「Forxiga」は2021年度に30億ドルの売上(心不全・腎臓病の適応も含む)を計上しています。




MN-001の糖尿病性脂質異常症によるNAFLD治療薬の市場規模は大雑把に上記合計の6割とした場合、18億ドル程度と推定されます。

なお、同じ創薬株のそーせいGも糖尿病治療薬をPfizer社へ導出することで開発を行っており、同疾患治療薬の注目度の高さが伺えます。

▼そーせいGの2型糖尿病治療薬の開発に関する参考記事

そーせい|GLP-1作動薬「PF-07081532」と既存薬「Rybelsus」の有効性比較
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そーせいグループ(そーせい)とPfizer社は、2015年に複数の治療領域における最大10種のGPCR標的に関…
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▽参考文献
[1] Dyslipidemia in type 2 diabetes mellitus

[2] Prevalence of dyslipidemia among the diabetic patients in southern Bangladesh: A cross-sectional study

[3] Prevalence of dyslipidemia associated with complications in diabetic patients: a nationwide study in Thailand

[4] Prevalence of nonalcoholic fatty liver disease in patients with type 2 diabetes mellitus



 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【ナノキャリア】

【出演時間変更のお知らせ 14:35~】 ラジオ放送のご案内 ~当社の成長戦略などご説明させていただきます~

【メディシノバ】

【東京事務所発】ご質問への回答(2022年8月29日号)

 3 創薬株価指数と主要株価指数

創薬株価指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 574円 +7円(+1.28%)
BR平均株価【大型株】 1,666円 +22円(+1.35%)
BR平均株価【低分子】 681円 +9円(+1.27%)
BR平均株価【低分子(大型株除く)】 322円 +1円(+0.40%)
BR平均株価【ペプチド・タンパク】 599円 +6円(+1.01%)
BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】 77円 +1円(+1.31%)
BR平均株価【抗体・アプタマー】 227円 +4円(+2.01%)
BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】 830円 +16円(+1.91%)
BR平均株価【遺伝子】 324円 +3円(+0.86%)
主要株価指数 終値 前日比(%)
TOPIX33[医薬品] 3,303円 +52円(+1.61%)
NBI* 3,891ドル -25ドル(-0.65%)
日経平均株価 28,196円 +317円(+1.14%)
NASDAQ 12,018ドル -124ドル(-1.02%)

*NBI:NASDAQ Biotechnology Index

 4 創薬株価指数とテクニカル指標





創薬平均株価:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR平均株価【大型株】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BBR平均株価【低分子】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス

BBR平均株価【低分子(大型株除く)】:カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス

BR平均株価【ペプチド・タンパク】:オンコセラピー・サイエンス、ペプチドリーム、ブライトパス・バイオ、ファンペップ

BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】:オンコセラピー・サイエンス、ブライトパス・バイオ、ファンペップ



BR平均株価【抗体・アプタマー】:カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、リボミック、ペルセウスプロテオミクス

BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】:サンバイオ、ヘリオス、ステムリム、クリングルファーマ

BR平均株価【遺伝子】:アンジェス、ナノキャリア、オンコリスバイオファーマ、モダリス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 17銘柄
値下がり銘柄数 7銘柄
変わらず 4銘柄
出来高 1,044万株
売買代金 73億円
時価総額 8,283億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,577円 +33円(+2.1%)
アンジェス 340円 +7円(+2.1%)
オンコセラピー・サイエンス 64円 +1円(+1.6%)
そーせいグループ 1,740円 +26円(+1.5%)
ナノキャリア 207円 -1円(-0.5%)
カルナバイオサイエンス 939円 +15円(+1.6%)
キャンバス 612円 -12円(-1.9%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 212円 +2円(+1.0%)
ラクオリア創薬 1,068円 +8円(+0.8%)
シンバイオ製薬 720円 +7円(+1.0%)
カイオム・バイオサイエンス 168円 +3円(+1.8%)
キッズウェル・バイオ 254円 +11円(+4.5%)
ペプチドリーム 1,653円 +16円(+1.0%)
オンコリスバイオファーマ 522円 -15円(-2.8%)
リボミック 202円 -2円(-1.0%)
サンバイオ 1,161円 +9円(+0.8%)
ヘリオス 314円 -1円(-0.3%)
ブライトパス・バイオ 80円 +1円(+1.3%)
窪田製薬ホールディングス 150円 0円(0.0%)
ソレイジア・ファーマ 68円 -1円(-1.4%)
Delta−Fly Pharma 979円 +30円(+3.2%)
ステムリム 1,049円 +38円(+3.8%)
メディシノバ 306円 -3円(-1.0%)
ファンペップ 210円 +1円(+0.5%)
ペルセウスプロテオミクス 424円 +8円(+1.9%)
モダリス 404円 0円(0.0%)
クリングルファーマ 473円 0円(0.0%)
レナサイエンス 361円 0円(0.0%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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