1 創薬企業の相場概況
米長期金利の上昇一服を受けて続伸となったNASDAQの影響により、創薬平均株価も2日続伸となりました。
創薬モダリティでは昨日に引き続き再生医療[細胞・増殖因子]が強く、同関連銘柄では直近のALSフェーズ2試験の主要評価項目が未達となったクリングルファーマを除く3銘柄(ヘリオス、サンバイオ、ステムリム)が揃って大幅に上昇しました。
2022年に多くの重要なイベントが発生した再生医療関連銘柄では、そのほとんどがネガティブな結果になるなど、受難の年を過ごしています。
<2022年の重要なイベントとそのネガティブな結果>
・ヘリオス
細胞医薬「HLCM051」による急性期脳梗塞フェーズ2/3試験での主要評価項目未達、および、ARDSを対象とした承認申請の延期。
・サンバイオ
再生細胞薬「SB623」による慢性期脳梗塞フェーズ2試験での48週時点のFMMSのベースラインからの改善量(主要評価項目は24週時点の同改善量)において有意差を示せず。
・クリングルファーマ
HGFタンパク質製剤「KP-100IT」によるALSフェーズ2試験での主要評価項目未達。
一方、ステムリムは再生医療関連銘柄の中で唯一、順調な進捗を続けています。
間葉系幹細胞誘導ペプチドとして知られる「レダセムチド」では複数の試験が行われており、2022年に絞ると慢性肝疾患フェーズ2試験の患者組入完了を報告した他、投資家の悩みのタネであった表皮水疱症パイプラインに関しても、追加でのフェーズ2試験の開始が決定しました。
さらに、遡ること2021年12月には、レダセムチドの能力を占う上で非常に重要な急性期脳梗塞フェーズ2試験において主要評価項目を達成しました。
加えて、来月にはレダセムチドの導出先である塩野義製薬社が9月22日に開催予定のR&D Day 2022において、レダセムチドの新たな知見が発表される可能性があります。
このように、ステムリムは投資家にとって再生医療関連銘柄の中で最も投資対象にしやすい銘柄です。
そのため、本日買いを集めた同銘柄の中において、ステムリムが他を引き離す大幅な上昇になったと考えられます。
また、前日に大幅な上昇となったペプチドリームに利益確定売りの動きが見られました。
ペプチドリーム株は前場こそ前日比4%弱の高値を付けるなど奮闘しましたが、後場に入るとその動きに飲まれ、前日比0.7%高の微増で取引を終えています。
週明けの取引に繋ぐ流れに不安はあるものの、トレンドは変わらず上昇基調であり、過熱感も乏しいことから、テクニカルな視点では買いが優勢だと考えられます。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【オンコリスバイオファーマ】
・テロメライシン(OBP-301)の先駆け審査指定の承継に関するお知らせ
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 587円 | +9円(+1.59%) |
BR平均株価【大型株】 | 1,730円 | +12円(+0.70%) |
BR平均株価【低分子】 | 693円 | +4円(+0.59%) |
BR平均株価【低分子(大型株除く)】 | 326円 | +1円(+0.37%) |
BR平均株価【ペプチド・タンパク】 | 629円 | +4円(+0.64%) |
BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】 | 76円 | +0円(+0.09%) |
BR平均株価【抗体・アプタマー】 | 227円 | 0円(-0.15%) |
BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】 | 838円 | +54円(+6.94%) |
BR平均株価【遺伝子】 | 326円 | +1円(+0.40%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33[医薬品] | 3,289円 | -10円(-0.30%) |
NBI* | 4,052ドル | +6ドル(+0.14%) |
日経平均株価 | 28,641円 | +162円(+0.57%) |
NASDAQ | 12,639ドル | +208ドル(+1.67%) |
*NBI:NASDAQ Biotechnology Index
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR平均株価【大型株】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BBR平均株価【低分子】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス
BBR平均株価【低分子(大型株除く)】:カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス
BR平均株価【ペプチド・タンパク】:オンコセラピー・サイエンス、ペプチドリーム、ブライトパス・バイオ、ファンペップ
BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】:オンコセラピー・サイエンス、ブライトパス・バイオ、ファンペップ
BR平均株価【抗体・アプタマー】:カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、リボミック、ペルセウスプロテオミクス
BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】:サンバイオ、ヘリオス、ステムリム、クリングルファーマ
BR平均株価【遺伝子】:アンジェス、ナノキャリア、オンコリスバイオファーマ、モダリス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 14銘柄 |
値下がり銘柄数 | 7銘柄 |
変わらず | 7銘柄 |
出来高 | 1,611万株 |
売買代金 | 134億円 |
時価総額 | 8,060億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,634円 | 0円(0.0%) |
アンジェス | 338円 | +2円(+0.6%) |
オンコセラピー・サイエンス | 63円 | 0円(0.0%) |
そーせいグループ | 1,761円 | +19円(+1.1%) |
ナノキャリア | 212円 | 0円(0.0%) |
カルナバイオサイエンス | 929円 | 0円(0.0%) |
キャンバス | 615円 | +34円(+5.9%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 213円 | -1円(-0.5%) |
ラクオリア創薬 | 1,090円 | +14円(+1.3%) |
シンバイオ製薬 | 731円 | -8円(-1.1%) |
カイオム・バイオサイエンス | 166円 | -2円(-1.2%) |
キッズウェル・バイオ | 252円 | -1円(-0.4%) |
ペプチドリーム | 1,746円 | +12円(+0.7%) |
オンコリスバイオファーマ | 539円 | -1円(-0.2%) |
リボミック | 209円 | +1円(+0.5%) |
サンバイオ | 1,225円 | +58円(+5.0%) |
ヘリオス | 325円 | +9円(+2.8%) |
ブライトパス・バイオ | 79円 | 0円(0.0%) |
窪田製薬ホールディングス | 151円 | -2円(-1.3%) |
ソレイジア・ファーマ | 68円 | 0円(0.0%) |
Delta−Fly Pharma | 962円 | 0円(0.0%) |
ステムリム | 1,003円 | +99円(+11.0%) |
メディシノバ | 314円 | +4円(+1.3%) |
ファンペップ | 209円 | +1円(+0.5%) |
ペルセウスプロテオミクス | 420円 | +4円(+1.0%) |
モダリス | 414円 | +2円(+0.5%) |
クリングルファーマ | 500円 | -16円(-3.1%) |
レナサイエンス | 374円 | +4円(+1.1%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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