ペプチドリームは6日ぶりの大幅反発 そーせいGはパイプラインの評価見直しや米国証券会社の目標株価修正による上昇

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 1 創薬企業の相場概況

本日の創薬株は6日ぶりに大幅に反発しました。

なかでも、大型株が強く、創薬モダリティごとでは再生医療[細胞・増殖因子]の強さが目立ちました。

ペプチド関連株は8%以上の値上がりとなるものの、ペプチドリームのみの影響によるもので、全体的には低調でした。

個別銘柄では、創薬株で時価総額が最も大きなペプチドリームが6日ぶりに反発し大幅高となって取引を終えています。

ペプチドリームの株価推移は以下の参考記事でも言及したとおり、一目均衡表の雲の水準が低くなった影響によって、株価が下落したとしても雲の上に位置することが出来ている状況でした。

▼ペプチドリーム株の直近の株価推移と一目均衡表に関する参考記事

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そして、本日のペプチドリームの上昇は下落基調を否定する値動きと考えられ、過熱感も5日間の下落によって十分に落ち着いたため、当分は下落よりも上昇基調が強く現れそうです。

また、トレンド指標のMACDやRSIは売りサインを提示しているものの、これも誤差と捉えられるものであり、数日中に買いサインへと転換すると予想されます。

ペプチドリームと同様に大型株のそーせいグループ(そーせいG)も大幅に株価を上昇させた銘柄となりました。




直近の株価推移ではペプチドリームとは異なり、そーせい株は創薬株全体が苦しむ中であっても力強い値動きでした。

そして、そーせいG株の力強い株価推移を支える要因は複数あり、Neurocrine社へ導出した統合失調症パイプラインのM4受容体作動薬「HTL-0016878(現:NBI-1117568)」、および、それに次ぐ、M1作動薬とM1/M4デュアル作動薬の順調な進捗をはじめ、売上高28億ドルを誇るNovo Nordisk社のGLP-1作動薬(「Rybelsus」、「Victoza」)を凌ぐ薬効が期待される「PF-07081532(Pfizer社へ導出)」の存在や、100億ドル以上の市場が見込まれる癌治療薬EP4拮抗薬「HTL0039732」の存在などが上げられます。

▼GLP-1作動薬「PF-07081532」の有効性に関する参考記事

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▼EP4拮抗薬「HTL0039732」の効能メカニズムと導出先候補に関する参考記事

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▼EP4拮抗薬「HTL0039732」の適応患者数と売上高に関する参考記事

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加えて、米国証券会社の2社がそーせいGの目標株価を引き上げたことも材料視されたでしょうか(目標株価の引き上げ:3,200円から4,000円、1,600円から1,800円)。

統合失調症治療薬開発に関するそーせいGの競合であるKaruna社は、同疾患に対する有効性をフェーズ2試験において初めて提示した際、株価は5倍に膨らみ、時価総額は約3,000億円の上昇となりました。




HTL-0016878が有効性を示し、M1/M4ポートフォリオに対するそーせいGの権利比率を10%と仮定した場合、上記3,000億円の10%にあたる300億円の積み上げが期待されます。

それ以外にも、開発マイルストンが得られることも材料視され、現在の株価に対して50%増の2,600円まで株価を上昇させる力が同フェーズ2試験にはあると考えられます。

そして、その時期はNeurocrine社による統合失調症フェーズ2試験がKaruna社と同等の進捗と仮定した場合、2024年初頭には同試験結果が得られると予想されます。

▼KarXT(Karuna社)の進捗に関する参考記事

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 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【カイオム・バイオサイエンス】

2022年9月10日(土)個人投資家向け会社説明会のライブ配信を行います。(14時45分開始)

【窪田製薬ホールディングス】

2022年12月期第2四半期決算説明資料

【ファンペップ】

2022年12月期第2四半期 決算説明会資料

【ペルセウスプロテオミクス】

PPMX-T003:真性多血症(PV)第I相試験における患者さんへの投与開始のお知らせ

 3 創薬株価指数と主要株価指数

創薬株価指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 578円 +22円(+3.87%)
BR平均株価【大型株】 1,718円 +93円(+5.71%)
BR平均株価【低分子】 689円 +14円(+2.03%)
BR平均株価【低分子(大型株除く)】 324円 +5円(+1.54%)
BR平均株価【ペプチド・タンパク】 625円 +48円(+8.39%)
BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】 76円 0円(-0.61%)
BR平均株価【抗体・アプタマー】 228円 +4円(+1.62%)
BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】 783円 +26円(+3.42%)
BR平均株価【遺伝子】 325円 +1円(+0.43%)
主要株価指数 終値 前日比(%)
TOPIX33[医薬品] 3,299円 +47円(+1.45%)
NBI* 4,046ドル +55ドル(+1.37%)
日経平均株価 28,479円 +166円(+0.58%)
NASDAQ 12,432ドル +50ドル(+0.41%)

*NBI:NASDAQ Biotechnology Index

 4 創薬株価指数とテクニカル指標





創薬平均株価:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR平均株価【大型株】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BBR平均株価【低分子】:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス

BBR平均株価【低分子(大型株除く)】:カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、デルタフライファーマ、メディシノバ、レナサイエンス

BR平均株価【ペプチド・タンパク】:オンコセラピー・サイエンス、ペプチドリーム、ブライトパス・バイオ、ファンペップ

BR平均株価【ペプチド・タンパク(大型株除く)】:オンコセラピー・サイエンス、ブライトパス・バイオ、ファンペップ



BR平均株価【抗体・アプタマー】:カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、リボミック、ペルセウスプロテオミクス

BR平均株価【再生医療[細胞・増殖因子]】:サンバイオ、ヘリオス、ステムリム、クリングルファーマ

BR平均株価【遺伝子】:アンジェス、ナノキャリア、オンコリスバイオファーマ、モダリス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 17銘柄
値下がり銘柄数 7銘柄
変わらず 4銘柄
出来高 1,183万株
売買代金 98億円
時価総額 8,139億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,634円 -15円(-0.9%)
アンジェス 336円 +1円(+0.3%)
オンコセラピー・サイエンス 63円 0円(0.0%)
そーせいグループ 1,742円 +69円(+4.1%)
ナノキャリア 212円 +1円(+0.5%)
カルナバイオサイエンス 929円 +7円(+0.8%)
キャンバス 581円 -6円(-1.0%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 214円 0円(0.0%)
ラクオリア創薬 1,076円 +51円(+5.0%)
シンバイオ製薬 739円 +18円(+2.5%)
カイオム・バイオサイエンス 168円 0円(0.0%)
キッズウェル・バイオ 253円 +8円(+3.3%)
ペプチドリーム 1,734円 +147円(+9.3%)
オンコリスバイオファーマ 540円 +2円(+0.4%)
リボミック 208円 +1円(+0.5%)
サンバイオ 1,167円 +39円(+3.5%)
ヘリオス 316円 -3円(-0.9%)
ブライトパス・バイオ 79円 -2円(-2.5%)
窪田製薬ホールディングス 153円 +2円(+1.3%)
ソレイジア・ファーマ 68円 0円(0.0%)
Delta−Fly Pharma 962円 +27円(+2.9%)
ステムリム 904円 +44円(+5.1%)
メディシノバ 310円 -6円(-1.9%)
ファンペップ 208円 -1円(-0.5%)
ペルセウスプロテオミクス 416円 +11円(+2.7%)
モダリス 412円 +4円(+1.0%)
クリングルファーマ 516円 -7円(-1.3%)
レナサイエンス 370円 +2円(+0.5%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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