そーせい|GLP-1作動薬「PF-07081532」と既存薬「Rybelsus」の有効性比較


そーせいグループ(そーせい)とPfizer社は、2015年に複数の治療領域における最大10種のGPCR標的に関する新規医薬品の開発に係る戦略的提携契約を締結しました。

その中の一つにGLP-1作動薬「PF-07081532」があり、同作動薬のフェーズ1試験の結果がPfizer社の第2四半期決算説明会で発表されました。

GLP-1作動薬はインスリンの分泌を促進させることで血糖値を低下させる効果の他、胃の働きを抑制し消化を減速させる効果、さらには、満腹中枢を刺激することで食欲を抑制する効果があります。

そのため、GLP作動薬には血糖値の低下と体重減少が期待され、その作用に適した疾患である2型糖尿病やNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)/NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)の治療薬としての研究開発が世界中で行われています。

そして、今回の決算説明会ではPF-07081532の投与による血糖値と体重の6週間後の変化に関する結果を示しており、それは極めて良好な結果でした。

PF-07081532によるフェーズ1試験結果(参照:Pfizer Second Quarter 2022 Earnings Teleconference)

そして、GLP-1作動薬にして2型糖尿病治療薬の既存薬「Rybelsus(Novo Nordisk社)」との比較では、PF-07081532の方が血糖値の減少効果で5.7倍、体重の減量効果で3.3倍と、優れた効果を発揮していることが分かります。




PF-07081532 vs Rybelsus(作成:バイオテックレポート)

また、PF-07081532の投与量はまだ最適化されておらず、RybelsusのPIONEER8試験ではHbA1Cの減少が20週時を、体重減量がおおよそ32週時をピークとしていることから、PF-07081532のさらなる有効性が期待されます。

そのため、開発の先は長いですが、Novo Nordisk社のGLP-1作動薬「Rybelsus」と同「Victoza」の2021年度合計売上高28億ドルのシェアの大部分を奪える可能性が高く、そーせいの販売ライセンス料が10%と仮定した場合、安定的に年間300億円の売上高を計上することが可能になり、製薬企業の売上高株価倍率の平均値4~5倍を当てはめると、時価総額で1,200~1,500億円を押し上げる効果あります。

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