創薬株が逆風の中でもキャンバスはストップ高で強さを見せる GNIはボックス圏を抜け出し連日の上昇

CATEGORY

 1 創薬企業の相場概況

本日の創薬株は昨日の大幅な上昇の反動を受け、1.7%安の反落となりました。

また、売り優勢となった本日は、創薬株28銘柄のうち17銘柄が値を下げ、規模の大きさに関わらず全体的に売りが広がりました。

そのような中、個別銘柄ではキャンバスがまたもストップ高を記録し、前日比17.7%高で取引を終えています。

現在のキャンバスは、「CBP501」による膵臓癌フェーズ2試験の動向が株価に多大な影響を与えており、CBP501を含む3剤投与群における3ヶ月無増悪生存(3M-PFS)を達成した患者数に関して注目が集まっています。

そして、現在までに3剤投与群では2例の3M-PFS達成が認められており、キャンバスが同治験において4例以上の同達成でフェーズ2試験をスキップし、フェーズ3試験へ進むと公言しているため、残り2例の同達成に期待が膨らみます。

さらに、同治験の被験者登録数は3月以降に増加したため、7月も後半に入った頃合いの今日、これまでに比べて多くの被験者において3M-PFS達成の有無が判明します。




要するに、早ければ今月にも3剤投与群において新たに2例の3M-PFS達成が認められ、同投与群において合計4例の同達成というゴールを迎える可能性があります。

このような理由によって、本日キャンバスはストップ高になったと考えられます。

なお、同水準でのp<0.05となる3ヶ月PFS達成患者数の条件は「3剤投与群で4人」と「2剤投与群で0人」です。

また、「3剤投与群で3人」と「2剤投与群で0人」という結果の場合でも、有意水準5%でのp値は0.058にまで迫ります。

同フェーズ2試験は小規模であるため、p=0.058でも優れた成果といえます。

ジーエヌアイグループ(GNI)は肝疾患治療薬「F351」によるB型肝炎ウイルス(HBV)感染による肝線維症を適応とするフェーズ2試験の結果が、学術誌「Clinical Gastroenterology and Hepatology」へ掲載されたことを報告しました。




同試験結果は既知の内容であり、投資家の材料となり得る新たな知見は発表されなかったものの、ボックス圏(1,150~1,280円)を抜けた勢いもあってか、連日の上昇となりました。

同内容のハイライトは肺線維症患者の改善者(Ishakスコアが1以上低下した患者)の割合であり、プラセボ群では43人中11人(25.58%)、F351群(180mg)では42人中17人(40.48%、p=0.12)、F351群(270mg)では41人中23人(56.10%、p=0.006)、F351群(360mg)では41人中18人(43.90%、p=0.08)という結果でした。

また、GNIは同報告に関して「肝線維症」と表記すべきところを「肝硬変」と表記し、「慢性B型肝炎患者の肝硬変に有意な組織学的改善を示し、主要評価項目を満たし、良好な安全性プロフィールを示しました。(抜粋)」と誤解を招く表現を行いました。

これに関して、GNIは既に修正報告を行いましたが、同治験において肝硬変期(Ishakスコア=6)の患者に関する追加解析も実施しており、改善者の割合がプラセブ群では4人中1人(25%)、F351群では15人中12人(80%)と、有意な結果が得られています(p=0.0407)。

そのため、同修正報告によるネガティブ要素は限定的だと考えております。



 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【キッズウェル・バイオ】

第三者割当による第4回無担保転換社債型新株予約権付社債並びに第15回新株予約権の発行に係る払込完了のお知らせ

【窪田製薬ホールディングス】

Refractive Surgery Update Seminar 2022 in Kyotoにて「クボタメガネテクノロジー」に関する発表のお知らせ

「クボタメガネ」に関する論文がシュプリンガー・ネイチャー社刊行の Scientific Reportsに掲載されました

【ソレイジア・ファーマ】

第三者割当による新株式発行の払込完了のお知らせ

【ファンペップ】

簡易株式交換によるアンチエイジングぺプタイド株式会社の完全子会社化に関するお知らせ

【レナサイエンス】

新株予約権(ストックオプション)の取得及び消却に関するお知らせ

 3 創薬株価指数と主要株価指数

創薬株価指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 541円 -9円(-1.71%)
BR創薬株3種 1,419円 -29円(-2.01%)
BR創薬株7種 965円 -23円(-2.36%)
BR中型株指数 596円 -19円(-3.03%)
BR小型株指数 255円 +0円(+0.09%)
主要株価指数 終値 前日比(%)
TOPIX33[医薬品] 3,352円 +14円(+0.42%)
NBI* 3,889ドル -66ドル(-1.67%)
日経平均株価 26,788円 +145円(+0.54%)
NASDAQ 11,251ドル +4ドル(+0.03%)

*NBI:NASDAQ Biotechnology Index

 4 創薬株価指数とテクニカル指標

創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム




BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 8銘柄
値下がり銘柄数 17銘柄
変わらず 3銘柄
出来高 2,731万株
売買代金 1,735,426万円
時価総額 7,757億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,416円 +41円(+3.0%)
アンジェス 373円 -15円(-3.9%)
オンコセラピー・サイエンス 66円 +2円(+3.1%)
そーせいグループ 1,244円 -35円(-2.7%)
ナノキャリア 267円 -6円(-2.2%)
カルナバイオサイエンス 939円 -2円(-0.2%)
キャンバス 999円 +150円(+17.7%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 208円 0円(0.0%)
ラクオリア創薬 781円 +4円(+0.5%)
シンバイオ製薬 746円 -16円(-2.1%)
カイオム・バイオサイエンス 175円 0円(0.0%)
キッズウェル・バイオ 260円 -6円(-2.3%)
ペプチドリーム 1,529円 -51円(-3.2%)
オンコリスバイオファーマ 552円 +5円(+0.9%)
リボミック 203円 -5円(-2.4%)
サンバイオ 1,236円 -68円(-5.2%)
ヘリオス 359円 +3円(+0.8%)
ブライトパス・バイオ 87円 -2円(-2.2%)
窪田製薬ホールディングス 259円 +11円(+4.4%)
ソレイジア・ファーマ 94円 0円(0.0%)
Delta−Fly Pharma 1,113円 -8円(-0.7%)
ステムリム 834円 -5円(-0.6%)
メディシノバ 340円 -1円(-0.3%)
ファンペップ 216円 -4円(-1.8%)
ペルセウスプロテオミクス 425円 -15円(-3.4%)
モダリス 459円 -12円(-2.5%)
クリングルファーマ 819円 +5円(+0.6%)
レナサイエンス 417円 -7円(-1.7%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

当記事の内容がお気に召しましたら、皆様のフォロワーの方々へ共有して頂けると励みになります。

下部にあるシェアボタン(FacebookとTwitter)をクリックすることで簡単に当記事をシェア出来ますので、ご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます。

創薬企業の重要事象の解説

















創薬企業の毎日の動き