1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株は日米株式市場の下落の影響により苦戦が予想されていましたが、再生医療関連銘柄(アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム、クリングルファーマ)が牽引したことで、予想に反して前日終値を上回りました。
なかでも、ステムリムとクリングルファーマが前日比8.3%高と大幅に上昇し、本日の値上がり率1位となりました。
東京医科歯科大学と共同で再生医療分野の研究を行っているクリングルファーマは、安倍元首相も患っていた潰瘍性大腸炎の臨床試験において第一例目が実施されたことを報告したことが材料視されました。
クリングルファーマによる同治療メカニズムは、患者自身から採取した少量の組織から腸上皮幹細胞を含むオルガノイド(ミニチュア臓器)を移植することで、大腸の粘膜上皮の修復再生を目指すものです。
そして、今回の報告は臨床試験の進捗報告の他、世界初のオルガノイド移植による実施例の報告でもあるため、一時ストップ高になるなど、非常に注目を集めたと思われます(なお、同報告は東京医科歯科大学によって7月7日に報告済みの内容です)。
再生医療と潰瘍性大腸炎の組み合わせはステムリムにも該当します。
ステムリムは主力製品「レダセムチド」に次ぐ再生誘導医薬品「RIM3」による潰瘍性大腸炎の研究開発を行っています。
現時点でRIM3の開発は延長されているものの、潰瘍性大腸炎マウスモデルではコントロール群に対して44%、レダセムチドに対し21%の改善効果が検出されたため、RIM3への期待は高まります。
本日のステムリムの大幅な上昇が潰瘍性大腸炎に関するものによるとは考え難いですが、クリングルファーマが東京医科歯科大学との共同研究においてHGFタンパク質の供給を行っている立場であるのに対し、ステムリムはRIM3という製品を所有している点で、同疾患治療薬開発の中心的な立場にあると言えます。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【そーせいグループ】
【ラクオリア創薬】
【シンバイオ製薬】
・トレアキシン液剤「RI投与(10分投与)」に関する国内第1/2相臨床試験成績の論文発表のお知らせ
【カイオム・バイオサイエンス】
・ロート製薬株式会社とのオプション権付委受託契約締結のお知らせ
【窪田製薬ホールディングス】
・行使価額修正条項付き第25回新株予約権(第三者割当て)の権利行使完了及び月間行使状況に関するお知らせ
・第18回国際近視学会にて「クボタメガネテクノロジー」発表のお知らせ
【ペルセウスプロテオミクス】
・ストック・オプション(新株予約権)の発行内容確定に関するお知らせ
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 530円 | +7円(+1.36%) |
BR創薬株3種 | 1,394円 | +7円(+0.51%) |
BR創薬株7種 | 942円 | +19円(+2.01%) |
BR中型株指数 | 576円 | +28円(+5.08%) |
BR小型株指数 | 251円 | 0円(-0.20%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33[医薬品] | 3,329円 | -9円(-0.28%) |
NBI* | 3,960ドル | -78ドル(-1.93%) |
日経平均株価 | 26,337円 | -476円(-1.77%) |
NASDAQ | 11,373ドル | -263ドル(-2.26%) |
*NBI:NASDAQ Biotechnology Index
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 13銘柄 |
値下がり銘柄数 | 14銘柄 |
変わらず | 1銘柄 |
出来高 | 3,625万株 |
売買代金 | 2,045,972万円 |
時価総額 | 7,593億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,279円 | +2円(+0.2%) |
アンジェス | 387円 | +12円(+3.2%) |
オンコセラピー・サイエンス | 64円 | -1円(-1.5%) |
そーせいグループ | 1,211円 | +31円(+2.6%) |
ナノキャリア | 277円 | -1円(-0.4%) |
カルナバイオサイエンス | 935円 | +4円(+0.4%) |
キャンバス | 860円 | -29円(-3.3%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 205円 | -1円(-0.5%) |
ラクオリア創薬 | 768円 | +18円(+2.4%) |
シンバイオ製薬 | 738円 | -3円(-0.4%) |
カイオム・バイオサイエンス | 176円 | +4円(+2.3%) |
キッズウェル・バイオ | 260円 | -5円(-1.9%) |
ペプチドリーム | 1,550円 | -6円(-0.4%) |
オンコリスバイオファーマ | 542円 | +6円(+1.1%) |
リボミック | 208円 | -2円(-1.0%) |
サンバイオ | 1,103円 | +63円(+6.1%) |
ヘリオス | 345円 | +1円(+0.3%) |
ブライトパス・バイオ | 87円 | -1円(-1.1%) |
窪田製薬ホールディングス | 239円 | -2円(-0.8%) |
ソレイジア・ファーマ | 87円 | 0円(0.0%) |
Delta−Fly Pharma | 1,110円 | -16円(-1.4%) |
ステムリム | 820円 | +63円(+8.3%) |
メディシノバ | 340円 | -8円(-2.3%) |
ファンペップ | 208円 | -1円(-0.5%) |
ペルセウスプロテオミクス | 451円 | +27円(+6.4%) |
モダリス | 478円 | -7円(-1.4%) |
クリングルファーマ | 769円 | +59円(+8.3%) |
レナサイエンス | 373円 | +2円(+0.5%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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