1 創薬企業の相場概況
米国株の大幅な上昇を受け、日経平均株価は午前中までに前日比379円高の26,869円まで上昇しましたが、安倍元首相が銃撃さたれたと伝わったことで後場は大きく上げ幅を縮小し、前場の勢い虚しく、最終的に前日比27円高の26,517円で取引を終えました。
そして、最先端医療を成長戦略の一端として政策を講じた安倍元首相に関する報道は、再生医療関連銘柄(アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム、クリングルファーマ)やゲノム編集技術関連銘柄(アンジェス・モダリス)への影響が懸念されました。
しかしながら、両関連銘柄は後場開始直後に少しばかりの下落に見舞われたものの、その後は持ち直し、ステムリムとクリングルファーマを除く4銘柄が前場と同水準の株価推移となりました。
影響を受けたステムリムとクリングルファーマは、現在進行中の治験実施施設が国立大学であったり、政府からの助成金を事業活動の充てにしているなど、前途した政策の恩恵を受けているからではないでしょうか。
アンジェスも大阪大学との関係性が強く、政府からの助成金を得ているなど、ステムリムやクリングルファーマと同じように政策の恩恵を受けているように思えますが、それは新型コロナウイルス感染症に関するもので、同2社とは状況が異なります。
それに加えて、アンジェスは新型コロナウイルスワクチンを開発しており、直近の同感染数の増加を材料とする株価上昇圧力が感じられていることから、同報道の影響を受けなかったと考えられます。
また、日本経済の影響を受けやすい大型株(ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム)では、GNIとそーせいGが前途した日経平均株価の推移と類似しました。
同報道による円高基調も目立ったことが、米中で安定的な売上高を計上するGNIや、Novartis社からの安定的な販売ロイヤリティを得ているそーせいGが同報道の影響を受けやすかったものと考えられます。
一方、本日のペプチドリームは一日を通じて右肩上がりの株価推移となりました。
直近の創薬株の中で最も勢いのある銘柄の一つであるペプチドリームは、現時点においてGNIやそーせいGに比べて安定した製品売上がない点が、同報道の影響を緩和させる要因であったかもしれません。
なお、ペプチドリームは本日の上昇によって2つめの上値抵抗線を突破しました(上値抵抗線に関する内容はコチラを参照)。
以上の通り、本日の安倍元首相銃撃事件の影響を受けた銘柄は、GNI、そーせいG、ステムリム、クリングルファーマの4銘柄と言えます。
最後に、安倍晋三様の心からのご冥福をお祈りします。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【窪田製薬ホールディングス】
・行使価額修正条項付き第25回新株予約権(第三者割当て)の大量行使に関するお知らせ
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 525円 | +10円(+1.84%) |
BR創薬株3種 | 1,406円 | +25円(+1.83%) |
BR創薬株7種 | 935円 | +20円(+2.24%) |
BR中型株指数 | 553円 | +17円(+3.09%) |
BR小型株指数 | 247円 | +2円(+0.95%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33[医薬品] | 3,258円 | -29円(-0.89%) |
NBI* | 4,018ドル | +95ドル(+2.41%) |
日経平均株価 | 26,517円 | +27円(+0.10%) |
NASDAQ | 11,621ドル | +260ドル(+2.28%) |
*NBI:NASDAQ Biotechnology Index
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 17銘柄 |
値下がり銘柄数 | 7銘柄 |
変わらず | 4銘柄 |
出来高 | 2,445万株 |
売買代金 | 1,321,636万円 |
時価総額 | 7,522億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,284円 | +17円(+1.3%) |
アンジェス | 385円 | +29円(+8.1%) |
オンコセラピー・サイエンス | 65円 | -1円(-1.5%) |
そーせいグループ | 1,228円 | +5円(+0.4%) |
ナノキャリア | 280円 | +5円(+1.8%) |
カルナバイオサイエンス | 924円 | -10円(-1.1%) |
キャンバス | 739円 | +100円(+15.6%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 203円 | -2円(-1.0%) |
ラクオリア創薬 | 740円 | +7円(+1.0%) |
シンバイオ製薬 | 757円 | 0円(0.0%) |
カイオム・バイオサイエンス | 175円 | +5円(+2.9%) |
キッズウェル・バイオ | 263円 | -4円(-1.5%) |
ペプチドリーム | 1,562円 | +41円(+2.7%) |
オンコリスバイオファーマ | 535円 | 0円(0.0%) |
リボミック | 207円 | +6円(+3.0%) |
サンバイオ | 1,033円 | +8円(+0.8%) |
ヘリオス | 344円 | +7円(+2.1%) |
ブライトパス・バイオ | 90円 | +2円(+2.3%) |
窪田製薬ホールディングス | 216円 | -4円(-1.8%) |
ソレイジア・ファーマ | 85円 | +2円(+2.4%) |
Delta−Fly Pharma | 1,108円 | -11円(-1.0%) |
ステムリム | 763円 | +1円(+0.1%) |
メディシノバ | 346円 | -2円(-0.6%) |
ファンペップ | 215円 | +1円(+0.5%) |
ペルセウスプロテオミクス | 411円 | +6円(+1.5%) |
モダリス | 468円 | +20円(+4.5%) |
クリングルファーマ | 672円 | 0円(0.0%) |
レナサイエンス | 368円 | 0円(0.0%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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