1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株は4%を超える稀に見る上昇となりました。
特に大型株が揃って大幅に上昇したことは今後の創薬株にとって好ましく、ジーエヌアイグループ(GNI)は前日比6.6%高、そーせいグループ(そーせいG)は同3.3%高、ペプチドリームは同6.3%高となりました。
前日の記事でも言及した通り、GNIは1,140~1,260円のボックス圏の上抜けを期待していましたが、取引開始直後にボックス圏を抜け出すと、その後も上昇を続け、1,317円で取引を終えました。
一ヶ月半にも渡るボックス相場を抜け出したGNIは、良好なファンダメンタルズも踏まえ、世界情勢が不安定になるまでの間、上昇トレンドに入ると見て宜しいでしょう。
そーせいGは6月20日につけた底値1,000を境に上昇を続けています。
これまで何度も言及しましたが、継続的な100億円規模の売上を計上するそーせいGの株価は最低でも1,400円は求めたいところです(詳細はコチラ)。
そのため、底値を付けて以降、本日までに10%上昇しましたが、依然として上昇の余地は残されています。
ペプチドリームの株価チャートは2022年に入ってから、そーせいGと相関関係が強い状況です。
そのような中、6月に入るとペプチドリームはそーせいGに対してボラティリティが大きくなりました。
しかし、先に述べたように、そーせいGは底打ち基調が明確になりつつあり、相関関係の強いペプチドリームも先日付けた1,200円を底値とする可能性が高まりました。
ペプチドリームはそーせいGと同等の売上高を計上するものの、安定した製品売上高が皆無であり、PBRも2倍以下のそーせいGに比べると7倍と高い点が懸念材料です。
底打ち基調は見られるものの、やはり放射性医薬品事業の売上開示が待たれます。
小型株では窪田製薬ホールディングスは「エミクススタト塩酸塩」によるスターガルト病フェーズ3試験に関して、最終被験者の最終来院が完了したことを報告しました。
窪田製薬ホールディングスにとっては2016年のエミクススタト塩酸塩による加齢黄斑変性フェーズ2b/3試験以来の大規模試験の結果発表が近づいており、本日の同社株は注目を非常に集め、ストップ高となる前日比27.6%高で取引を終えました。
加齢黄斑変性フェーズ2b/3試験においても、本件と同様に最終被験者の最終来院が完了したことを報告しており、当時の株価推移は完了報告から試験結果発表までの約1ヶ月間で株価は最大1.5倍となりました。
残念ながら加齢黄斑変性に対して同製品は有効性を示せず、株価は1/6まで下落した経緯があります。
視力障害疾患であるスターガルト病に関しても、加齢黄斑変性と同様のメカニズムでの治療を目指していることから、苦戦を強いられのではないかと見込んでおります。
おそらく今年中には同結果が得られると思うので、楽しみに待ちたいと思います。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【キッズウェル・バイオ】
・ラニビズマブ バイオシミラー(GBS-007)の受注増加に対する資金調達の補足説明資料
・第3回無担保転換社債型新株予約権付社債並びに第10回新株予約権の発行要項の修正に関するお知らせ
・第三者割当による第4回無担保転換社債型新株予約権付社債並びに第15回新株予約権の発行に関するお知らせ
【ブライトパス・バイオ】
・公益財団法人財務会計基準機構への加入状況及び加入に関する考え方等に関するお知らせ
・有価証券報告書-第19期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
・第19回定時株主総会招集ご通知添付書類「貸借対照表」正誤表
・2022年3月期 株主様向け会社説明会資料を掲載いたしました
【メディシノバ】
・順天堂大学大学院医学研究科とのMN-001(タイペルカスト)に関する共同研究開始に関するお知らせ
【ペルセウスプロテオミクス】
・(訂正・数値データ訂正)「2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」の一部訂正について
・内部統制報告書-第22期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
・決議通知
・有価証券報告書-第22期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
【モダリス】
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 499円 | +20円(+4.09%) |
BR創薬株3種 | 1,262円 | +66円(+5.48%) |
BR創薬株7種 | 875円 | +41円(+4.92%) |
BR中型株指数 | 560円 | +21円(+3.92%) |
BR小型株指数 | 245円 | +7円(+2.72%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33[医薬品] | 3,129円 | +46円(+1.50%) |
NBI* | 3,785ドル | +143ドル(+3.94%) |
日経平均株価 | 26,492円 | +321円(+1.23%) |
NASDAQ | 11,232ドル | +179ドル(+1.62%) |
*NBI:NASDAQ Biotechnology Index
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 23銘柄 |
値下がり銘柄数 | 5銘柄 |
変わらず | 0銘柄 |
出来高 | 3,546万株 |
売買代金 | 1,650,022万円 |
時価総額 | 7,154億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,317円 | +81円(+6.6%) |
アンジェス | 362円 | +5円(+1.4%) |
オンコセラピー・サイエンス | 65円 | +1円(+1.6%) |
そーせいグループ | 1,110円 | +35円(+3.3%) |
ナノキャリア | 273円 | +8円(+3.0%) |
カルナバイオサイエンス | 908円 | +29円(+3.3%) |
キャンバス | 631円 | -46円(-6.8%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 206円 | -1円(-0.5%) |
ラクオリア創薬 | 706円 | +25円(+3.7%) |
シンバイオ製薬 | 733円 | +11円(+1.5%) |
カイオム・バイオサイエンス | 178円 | +7円(+4.1%) |
キッズウェル・バイオ | 280円 | +12円(+4.5%) |
ペプチドリーム | 1,337円 | +79円(+6.3%) |
オンコリスバイオファーマ | 527円 | +18円(+3.5%) |
リボミック | 206円 | +4円(+2.0%) |
サンバイオ | 1,154円 | +64円(+5.9%) |
ヘリオス | 388円 | +13円(+3.5%) |
ブライトパス・バイオ | 88円 | +1円(+1.1%) |
窪田製薬ホールディングス | 231円 | +50円(+27.6%) |
ソレイジア・ファーマ | 85円 | +4円(+4.9%) |
Delta−Fly Pharma | 1,153円 | +56円(+5.1%) |
ステムリム | 715円 | +33円(+4.8%) |
メディシノバ | 348円 | +12円(+3.6%) |
ファンペップ | 203円 | -2円(-1.0%) |
ペルセウスプロテオミクス | 391円 | +7円(+1.8%) |
モダリス | 497円 | -32円(-6.0%) |
クリングルファーマ | 629円 | -17円(-2.6%) |
レナサイエンス | 354円 | +2円(+0.6%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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