1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株は反発し、小型株の強さが際立っています。
大型株ではジーエヌアイグループ(GNI)とそーせいグループが昨日に引き続き同様の値動きとなり、揃って4%を超える上昇となりました。
GNIは取引開始直後に急騰したことからも、良好な相場環境であることが伺え、今後は1,140~1,260円のボックス圏を上抜けるかに注目が集まります。
安定的な売上を計上し、中国や米国での新型コロナウイルス感染症対策の緩和の恩恵を受けるGNIは、想定通りの強さを発揮することが出来れば、その可能性は高いと見込まれます。
そーせいグループは午後の取引開始直後から急騰しました。
GNIほどの安定性は無いものの、小型株とは異なり過去3期で80億円前後以上の売上を計上してきた同社にとっては、PBR2倍以下の株価は過小評価と言えるでしょう。
最低でも1,400円は値付けられて然るべきで、本日の急騰がそのきっかけになるかに注目です。
モダリスは米国におけるユートロフィン遺伝子を標的とした筋ジストロフィーの治療法に関する特許が承認されたことを報告しました。
同特許はゲノム編集技術「CRISPR-GNDM」を使ったDuchenne型筋ジストロフィー症に対する治療を行う治療薬についての特許であり、日本では既に承認を得ているものです。
現在の創薬株式市場では特許取得は材料として弱く、大幅な株価上昇は期待出来ないものですが、本日のモダリス株の反応は良く、ストップ高となりました。
モダリスは上昇トレンドに入っており、本日の上昇がそれを加速させ、近日中に抵抗線である600円を超えるかに注目です。
2週間程激しい値動きを続けている窪田製薬ホールディングスは急落し、前日比10%安の181円で取引を終えました。
上昇のきっかけとなった米国における「クボタメガネ」の登録完了の発表時点で適正レンジは150円~170円(詳しくはコチラ)と提示致しましたが、そのレンジに近づいて来ました。
同銘柄が属する小型株のトレンドを考慮すると、2週間前から約2%下落しているため、今日の終値から15円前後は下落する可能性が残されています。
同じく激しい値動きを続けていたキャンバスも本日は9%の下落となったことから、テクニカル要因とも捉えられる両銘柄の今回の上昇相場は終焉を迎えつつあるのかもしれません。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【キャンバス】
【モダリス】
・「ユートロフィン遺伝子を標的とした筋ジストロフィーの治療法」の米国における特許査定に関するお知らせ
【レナサイエンス】
・(開示事項の変更)「監査等委員会設置会社への移行及び役員の異動に関するお知らせ」の一部変更について
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 479円 | +6円(+1.28%) |
BR創薬株3種 | 1,196円 | +10円(+0.87%) |
BR創薬株7種 | 834円 | +8円(+0.95%) |
BR中型株指数 | 539円 | +6円(+1.07%) |
BR小型株指数 | 239円 | +5円(+2.12%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33[医薬品] | 3,083円 | +24円(+0.77%) |
NBI* | 3,641ドル | +50ドル(+1.40%) |
日経平均株価 | 26,171円 | +22円(+0.08%) |
NASDAQ | 11,053ドル | -16ドル(-0.15%) |
*NBI:NASDAQ Biotechnology Index
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 20銘柄 |
値下がり銘柄数 | 6銘柄 |
変わらず | 2銘柄 |
出来高 | 2,991万株 |
売買代金 | 1,795,435万円 |
時価総額 | 6,861億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,236円 | +55円(+4.7%) |
アンジェス | 357円 | +4円(+1.1%) |
オンコセラピー・サイエンス | 64円 | -1円(-1.5%) |
そーせいグループ | 1,075円 | +44円(+4.3%) |
ナノキャリア | 265円 | +17円(+6.9%) |
カルナバイオサイエンス | 879円 | +12円(+1.4%) |
キャンバス | 677円 | -68円(-9.1%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 207円 | +3円(+1.5%) |
ラクオリア創薬 | 681円 | +8円(+1.2%) |
シンバイオ製薬 | 722円 | +15円(+2.1%) |
カイオム・バイオサイエンス | 171円 | +4円(+2.4%) |
キッズウェル・バイオ | 268円 | +4円(+1.5%) |
ペプチドリーム | 1,258円 | -27円(-2.1%) |
オンコリスバイオファーマ | 509円 | +17円(+3.5%) |
リボミック | 202円 | +14円(+7.4%) |
サンバイオ | 1,090円 | +3円(+0.3%) |
ヘリオス | 375円 | +2円(+0.5%) |
ブライトパス・バイオ | 87円 | -2円(-2.2%) |
窪田製薬ホールディングス | 181円 | -20円(-10.0%) |
ソレイジア・ファーマ | 81円 | 0円(0.0%) |
Delta−Fly Pharma | 1,097円 | +54円(+5.2%) |
ステムリム | 682円 | +16円(+2.4%) |
メディシノバ | 336円 | 0円(0.0%) |
ファンペップ | 205円 | +4円(+2.0%) |
ペルセウスプロテオミクス | 384円 | -6円(-1.5%) |
モダリス | 529円 | +80円(+17.8%) |
クリングルファーマ | 646円 | +48円(+8.0%) |
レナサイエンス | 352円 | +7円(+2.0%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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