創薬株のPBRと適正PBRに照らし合わせた創薬株の適正株価(2022年6月18日)


創薬株28銘柄の2022年6月18日時点でのPBR(株価純資産倍率)を分析しました。

28銘柄のPBRの平均は4.97倍、中央値は2.93倍と結果が得られましたが、キャンバスとサンバイオのPBRが極端に大きく、実態に対するズレを生じさせています。

同2銘柄のPBRが極端に大きいのには理由があります。

キャンバスはCBP501による膵臓癌パイプラインに関する材料(「フェーズ2試験の成功確率98%と言及」や「開発プロセスの短縮化の可能性」など)によって、ここ1ヶ月間で株価が約2.6倍となり、PBRも13.3倍から34.47倍へと急上昇しました。

サンバイオはここ3年で年間60億円のペースで純資産を減少させており、3年前の決算期に比べて純資産は2割ほどになりました。

その急激な純資産の減少に比べ、株価の下落速度が相対的に緩やかなため、PBRが高水準で推移している状況です。


分析対象:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス




上記2銘柄を除外した26銘柄を対象とする場合、平均は2.96倍、中央値は2.80倍となり、実態を示す値へと近づきました。

そのため、PBR3倍が創薬株の適正値と考えられ、割安・割高の指標に思えます。

しかし、PBR3倍以下の銘柄数が17銘柄であり、同26銘柄の65%を占めるため、適正倍率を多少低く見積もり、現在の創薬株市場においてはPBR2.5倍を適正値と考えて宜しいと思います。


分析対象:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

そして、適正PBR2.5倍を照らし合わせた創薬株の各銘柄の株価は下図の通りです。

事業資産や事業戦略、パイプラインの価値など、各カテゴリー・各銘柄ごとに異なりますが、創薬株全体の傾向としてご参考下さい。

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