ペプチドリームが足を引っ張り、創薬株は7日続落 反転には最大4,000億円の市場規模を有する放射性医薬品事業の決算が待たれる

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 1 創薬企業の相場概況

NBIの大幅な上昇やTOPIX33[医薬品]の反発の影響により、創薬株も上昇が期待されましたが、結果は7日続落となりました。

さらに、7日連続で下落銘柄数が過半数を超え、創薬株式市場の相場環境の悪さが目立ちます。

そのような環境の中にあって、キャンバスと窪田製薬ホールディングスはそれぞれ「膵臓癌パイプラインに関する治験内容の開示」と「米国におけるクボタメガネの登録完了」が先週に引き続き材料視され、大幅に上昇となったほか、BR小型株指数を牽引したことで、小型株は唯一前日比プラスで取引を終えています。

前営業日に新型コロナウイルス感染症治療薬「PA-001」の研究進捗を発表し、予定数(30例)全ての被験者への投与を完了したことを報告したペプチドリームは本日の上昇が期待されましたが、同研究が安全性を測るフェーズ1相当ではあるものの臨床試験ではないことや、フェーズ1試験の実施が必要とされる可能性があるため、株価を上昇させるには物足りなく、結果として株価は年初来安値を更新する下落となりました。

ペプチドリームは先週の下落によって、昨年末に付けた終値の半分の株価になってしまいました。




その打開策にはこれまで何度も言及している通り、富士フィルムから買収した放射性医薬品事業による成果です。

日本アイソトープ協会(JRIA)によると、2020年度の放射性医薬品市場は453億円とされています。

そして、同市場は最大手の日本メジフィジックス社と同2位のペプチドリームによって9割以上のシェアが占められており、放射性物質を扱う同医薬品のため、厳しい規制が掛けられており、参入障壁が高いのも特徴です。

さらに、ペプチドリームは2030年頃には同市場規模が1,000~4000億円に拡大すると見込んでいます。

これらの前提や推測が正しいと投資家へ請求し、放射性医薬品事業の成長可能性をアピールするためにも次回の四半期決算は非常に重要です。

長期的な株価上昇への転換には、同決算が良好であることが必要です。




 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【ペプチドリーム】

当社関連会社ペプチエイド株式会社が新型コロナウイルス感染症治療薬PA-001の臨床研究の進捗について発表

【メディシノバ】

ストックオプション(新株予約権)の発行に関するお知らせ

執行役人事(新CFOの就任)に関するお知らせ

 3 創薬株価指数と主要株価指数

創薬株価指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 453円 -2円(-0.42%)
BR創薬株3種 1,142円 -11円(-0.94%)
BR創薬株7種 791円 -8円(-0.94%)
BR中型株指数 507円 -5円(-0.94%)
BR小型株指数 224円 +2円(+0.85%)
主要株価指数 終値 前日比(%)
TOPIX33[医薬品] 2,959円 +22円(+0.74%)
NBI* 3,511ドル +134ドル(+3.98%)
日経平均株価 25,771円 -192円(-0.74%)
NASDAQ 10,798ドル +152ドル(+1.43%)

*NBI:NASDAQ Biotechnology Index

 4 創薬株価指数とテクニカル指標

創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 8銘柄
値下がり銘柄数 17銘柄
変わらず 3銘柄
出来高 3,346万株
売買代金 1,079,747万円
時価総額 6,490億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,161円 +12円(+1.0%)
アンジェス 335円 +6円(+1.8%)
オンコセラピー・サイエンス 63円 +1円(+1.6%)
そーせいグループ 1,003円 -16円(-1.6%)
ナノキャリア 230円 -2円(-0.9%)
カルナバイオサイエンス 819円 -28円(-3.3%)
キャンバス 545円 +80円(+17.2%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 205円 -1円(-0.5%)
ラクオリア創薬 647円 -21円(-3.1%)
シンバイオ製薬 654円 -13円(-1.9%)
カイオム・バイオサイエンス 164円 -3円(-1.8%)
キッズウェル・バイオ 259円 0円(0.0%)
ペプチドリーム 1,222円 -16円(-1.3%)
オンコリスバイオファーマ 474円 -34円(-6.7%)
リボミック 187円 0円(0.0%)
サンバイオ 1,028円 -20円(-1.9%)
ヘリオス 357円 -2円(-0.6%)
ブライトパス・バイオ 83円 -3円(-3.5%)
窪田製薬ホールディングス 211円 +50円(+31.1%)
ソレイジア・ファーマ 79円 -7円(-8.1%)
Delta−Fly Pharma 972円 +50円(+5.4%)
ステムリム 633円 -22円(-3.4%)
メディシノバ 338円 0円(0.0%)
ファンペップ 201円 +2円(+1.0%)
ペルセウスプロテオミクス 362円 -4円(-1.1%)
モダリス 451円 +53円(+13.3%)
クリングルファーマ 578円 -21円(-3.5%)
レナサイエンス 331円 -2円(-0.6%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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