1 創薬企業の相場概況
スイスの15年ぶりの利上げによって欧州株が大幅に下落し、その影響を受け、米国株や日本株も下落しました。
6日続落となった創薬株では、全てのテクニカル指標(RSI・DMI・MACD)によるサインが「売り」を示し、来週も厳しい展開が想定されます。
そして、主要国による相次ぐ利上げによって世界経済の減速懸念が強まっている中、売上が期待できない割に時価総額が大きな中型株(アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム)は投資リスクが高まると考えられます。
特に、サンバイオはPBRが28倍と高く(その他の3銘柄は1~5倍の間)、条件付き承認申請中の細胞医薬「SB623」は仮に承認されたとしても売上推定額が低いため、中型株の中で最もリスクが高まるでしょう。
大型株(ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム)でも売上偏重のGNIが下落トレンドに対する抵抗力が強いものの、開発偏重のペプチドリームと、バランス型のそーせいグループは同トレンドの流れに逆らえません。
そーせいグループはコチラの記事でも述べた通り、PBRの観点で割安と捉えられ、最低でも一株あたり1,400円は値付けられて然るべきです。
そのため、世界経済の減速による下落の影響を受けたとしても、1,400円までは上昇期待を持って宜しいと思います。
一方、ペプチドリームは開発偏重であるため、これからの相場環境と最も相性が悪いです。
その上、PBRが6.5倍であり、そーせいグループの同1.5倍やGNIの同2.7倍と比べて高く、株価が下がる余地はまだ残されていると考えられます。
ペプチドリームの株価は放射性医薬品事業の売上規模が実際に判明し、111億円にも上る「のれん」との評価が可能になる8月以降が分岐点になるのではないでしょうか。
ペプチドリームによると、同事業による2022年12月期の売上予想は115億円とされ、その達成可能性も合わせて評価されるでしょう。
それまでは、開発やプラットフォームに関する大きなイベントが無い限り、厳しい展開が予想されます。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【ジーエヌアイグループ】
・当社取締役及び従業員に対する譲渡制限付株式報酬としての新株式発行に関するお知らせ
【アンジェス】
【シンバイオ製薬】
【サンバイオ】
【クリングルファーマ】
・Oremepermin Alfa が米国一般名称として登録
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 455円 | -13円(-2.87%) |
BR創薬株3種 | 1,153円 | -35円(-2.96%) |
BR創薬株7種 | 799円 | -26円(-3.10%) |
BR中型株指数 | 511円 | -18円(-3.36%) |
BR小型株指数 | 222円 | -5円(-2.01%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33[医薬品] | 2,937円 | -30円(-1.02%) |
NBI* | 3,376ドル | -76ドル(-2.21%) |
日経平均株価 | 25,963円 | -468円(-1.77%) |
NASDAQ | 10,646ドル | -453ドル(-4.08%) |
*NBI:NASDAQ Biotechnology Index
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 3銘柄 |
値下がり銘柄数 | 22銘柄 |
変わらず | 3銘柄 |
出来高 | 2,351万株 |
売買代金 | 1,169,481万円 |
時価総額 | 6,517億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,149円 | -15円(-1.3%) |
アンジェス | 329円 | -6円(-1.8%) |
オンコセラピー・サイエンス | 62円 | -1円(-1.6%) |
そーせいグループ | 1,019円 | -44円(-4.1%) |
ナノキャリア | 232円 | -6円(-2.5%) |
カルナバイオサイエンス | 847円 | -24円(-2.8%) |
キャンバス | 465円 | +49円(+11.8%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 206円 | -4円(-1.9%) |
ラクオリア創薬 | 668円 | -26円(-3.7%) |
シンバイオ製薬 | 667円 | -14円(-2.1%) |
カイオム・バイオサイエンス | 167円 | 0円(0.0%) |
キッズウェル・バイオ | 259円 | -15円(-5.5%) |
ペプチドリーム | 1,238円 | -37円(-2.9%) |
オンコリスバイオファーマ | 508円 | -16円(-3.1%) |
リボミック | 187円 | -2円(-1.1%) |
サンバイオ | 1,048円 | -48円(-4.4%) |
ヘリオス | 359円 | -9円(-2.4%) |
ブライトパス・バイオ | 86円 | +2円(+2.4%) |
窪田製薬ホールディングス | 161円 | -4円(-2.4%) |
ソレイジア・ファーマ | 86円 | +2円(+2.4%) |
Delta−Fly Pharma | 922円 | -14円(-1.5%) |
ステムリム | 655円 | -30円(-4.4%) |
メディシノバ | 338円 | 0円(0.0%) |
ファンペップ | 199円 | 0円(0.0%) |
ペルセウスプロテオミクス | 366円 | -6円(-1.6%) |
モダリス | 398円 | -40円(-9.1%) |
クリングルファーマ | 599円 | -10円(-1.6%) |
レナサイエンス | 333円 | -20円(-5.7%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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