1 創薬企業の相場概況
前日の米国株は若干の上昇となり、本日の日本株へ与える影響は限定的な状況でした。
そのような中にあって、日本株は米国株と反対の動きとなり、日本株全般および医薬品株はそろって1%程度の下落となりました。
また、創薬株は前日比0.96%安となり、多少下落幅は小さかったものの、その推移は上記日本株指数とほとんど同じと言えるでしょう。
本日の創薬株の下落には、これまで好調であった小型株に対する利益確定売りの動きがあったと考えられます。
下落率も2%を超え、過熱感の高まりが警戒されていた中にあっては致し方ないと言えます。
個別銘柄ではサンバイオの前日比2.2%高が最高の上昇率であり、目立った上昇を記録した銘柄はありませんでした。
対して、小型株では5%超の下落となった銘柄が多く、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、ペルセウスプロテオミクスがそれに該当します。
なかでも窪田製薬ホールディングスは米国におけるKubota Glass(クボタメガネ)の医療機器登録完了を材料とした上昇トレンドが終焉したと見られ、10%を超す下落となりました。
創薬株カテゴリーでは唯一大型株が上昇となりましたが、そーせいグループの株価は冴えず、先月記録した年初来安値を更新してしまいました。
そーせい株のPBRは1.56倍であり、この水準は創薬株では低い方に分類され、先に上げたブライトパス・バイオは倒産リスクが高いものの、PBRは1.85倍とそーせい株より高い水準となっています。
PBRは割安傾向を示す指標の他、事業に対する期待値を示す指標にも用いられます。
創薬株においては2倍以上のPBRは求めたいところで、それ以下の場合は、割安なのか、または、事業評価が低いのかを考えなくてはなりません。
そーせいグループに関しては、創薬プラットフォームライセンス事業と創薬事業のバランスが取れており、上市製品による数十億円のロイヤリティも計上しています。
さらに、今期の経営成績も費用予想が100億円前後と発表しており、経営基盤を考えると100億円を超える様な大幅な赤字となる可能性は低く、来期の財務を当て込んだPBRだとしても2倍以下となります。
故に、そーせい株の株価に対して「割安」と評価するのは理にかなっており、少なくとも創薬株が上昇トレンドとなった3月の水準である1,400円までは上昇して然るべきでしょう。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【シンバイオ製薬】
・抗ウイルス薬ブリンシドフォビル注射剤(brincidofovir)による腎移植後BKウイルス感染症患者を対象とした国際共同第2相臨床試験の治験計画届をPMDAに提出
【サンバイオ】
・営業外収益(為替差益)及び法人税等調整額、短期借入金の計上に関するお知らせ
【メディシノバ】
・Zacks Small-Cap Researchによる当社レポートが発表されました。(2022年6月14日)
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 473円 | -4円(-0.93%) |
BR創薬株3種 | 1,218円 | +3円(+0.25%) |
BR創薬株7種 | 834円 | -2円(-0.22%) |
BR中型株指数 | 522円 | -6円(-1.11%) |
BR小型株指数 | 229円 | -6円(-2.60%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33[医薬品] | 2,944円 | -40円(-1.34%) |
NBI* | 3,373ドル | +5ドル(+0.15%) |
日経平均株価 | 26,326円 | -304円(-1.14%) |
NASDAQ | 10,828ドル | +19ドル(+0.18%) |
*NBI:NASDAQ Biotechnology Index
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 7銘柄 |
値下がり銘柄数 | 21銘柄 |
変わらず | 0銘柄 |
出来高 | 1,970万株 |
売買代金 | 799,434万円 |
時価総額 | 6,782億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,181円 | +12円(+1.0%) |
アンジェス | 338円 | -8円(-2.3%) |
オンコセラピー・サイエンス | 63円 | -3円(-4.5%) |
そーせいグループ | 1,079円 | -26円(-2.4%) |
ナノキャリア | 237円 | -5円(-2.1%) |
カルナバイオサイエンス | 889円 | -27円(-2.9%) |
キャンバス | 336円 | +2円(+0.6%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 206円 | -1円(-0.5%) |
ラクオリア創薬 | 706円 | -22円(-3.0%) |
シンバイオ製薬 | 681円 | +1円(+0.1%) |
カイオム・バイオサイエンス | 170円 | -6円(-3.4%) |
キッズウェル・バイオ | 278円 | -8円(-2.8%) |
ペプチドリーム | 1,318円 | +18円(+1.4%) |
オンコリスバイオファーマ | 544円 | -3円(-0.5%) |
リボミック | 191円 | -6円(-3.0%) |
サンバイオ | 1,042円 | +22円(+2.2%) |
ヘリオス | 368円 | -12円(-3.2%) |
ブライトパス・バイオ | 84円 | -5円(-5.6%) |
窪田製薬ホールディングス | 190円 | -23円(-10.8%) |
ソレイジア・ファーマ | 84円 | -5円(-5.6%) |
Delta−Fly Pharma | 919円 | +3円(+0.3%) |
ステムリム | 686円 | -20円(-2.8%) |
メディシノバ | 339円 | +2円(+0.6%) |
ファンペップ | 199円 | -3円(-1.5%) |
ペルセウスプロテオミクス | 376円 | -20円(-5.1%) |
モダリス | 456円 | -16円(-3.4%) |
クリングルファーマ | 595円 | -19円(-3.1%) |
レナサイエンス | 387円 | -6円(-1.5%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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