窪田製薬ホールディングスはストップ高となるものの、理論値との過度な乖離に懸念 ペプチドリームは過度な下落からのリバンドを期待

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 1 創薬企業の相場概況

本日の創薬株は日米株式市場の景況感の悪化により、大幅に下落しました。

これまでも大型株(ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム)は景況感の悪化の影響を顕著に受ける傾向がありましたが、本日もその流れに逆らえず、大型株が最も値を下げる展開となりました。

なかでも、ペプチドリームは前日比8.4%安となり、底値1,400円を割り込みました。

しかし、本日の下落は過度と捉えられ、明日以降の短期的な展望では1,400円を超えてくるでしょう。

唯一値を上げた窪田製薬ホールディングスは、米国においてKubota Glass(クボタメガネ)の医療機器登録が完了したことを報告しました。

これにより、台湾に続き米国においてもクボタメガネの販売が可能になり、同材料によって窪田製薬株はストップ高となる前日比33.56%高で取引を終えました。

では、米国におけるクボタメガネの売上高を推定し、同材料の評価を行ってみましょう。

米国での医療機器市場規模は約1,500億ドルと言われ、5~10%を眼科用機器が占め、眼科用機器に絞ると米国での市場規模は75~150億ドルに上ります。

そして、Arizton社によると、同市場規模のうち、コンタクトレンズが50億ドル前後を占めます(利用者4,000万人)。




また、レーシックの同市場規模は医師への報酬を含めた金額で15億ドル前後です(年間60万人)。

この状況下において、資金力が乏しく、プロモーション活動にも制約があり、レーシックが視力回復の即効性があるのに対し、クボタメガネの近視治療の効果は不明瞭です。

近視用眼鏡のみを着用する人数を考慮すると、近視治療を積極的に行う(レーシック手術を行う)人数は近視を持つ人数全体の2%と算出されます。

その中で、20代前半までの使用を想定するクボタメガネに関心を持つ人数はどの程度存在するでしょうか。

同人数が良くて1,000人だとすると、1,000ドルでの販売を行ったとしても、米国でのクボタメガネの年間売上は最大で100万ドルです。

製薬株の株価売上高倍率は4~5倍であるため、同材料の株価へ与えるインパクトは5~6億円程度と評価され、株価上昇の寄与度は前日比10%前後です。

したがって、前日の株価149円を基準に考えると、同材料を反映した理論値は切りよく160円となり、本日の33%を超える上昇(株価199円)は徐々に消化されていくと思われます。




 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【アンジェス】

アンジェスクリニカルリサーチラボラトリ(ACRL)のページを追加しました

【キッズウェル・バイオ】

2022年定時株主総会招集通知

【ステムリム】

四半期報告書-第17期第3四半期(令和4年2月1日-令和4年4月30日)

 3 創薬株価指数と主要株価指数

創薬株価指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 494円 -21円(-4.33%)
BR創薬株3種 1,274円 -72円(-5.35%)
BR創薬株7種 874円 -44円(-4.76%)
BR中型株指数 549円 -21円(-3.63%)
BR小型株指数 238円 -6円(-2.58%)
主要株価指数 終値 前日比(%)
TOPIX33[医薬品] 3,052円 -39円(-1.27%)
NBI* 3,509ドル -108ドル(-2.98%)
日経平均株価 27,014円 -810円(-2.91%)
NASDAQ 11,340ドル -414ドル(-3.52%)

*NBI:NASDAQ Biotechnology Index

 4 創薬株価指数とテクニカル指標

創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 1銘柄
値下がり銘柄数 27銘柄
変わらず 0銘柄
出来高 1,979万株
売買代金 954,179万円
時価総額 7,086億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,195円 -1円(-0.1%)
アンジェス 367円 -6円(-1.6%)
オンコセラピー・サイエンス 66円 -2円(-2.9%)
そーせいグループ 1,182円 -29円(-2.4%)
ナノキャリア 249円 -11円(-4.2%)
カルナバイオサイエンス 931円 -50円(-5.1%)
キャンバス 394円 -9円(-2.2%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 202円 -17円(-7.8%)
ラクオリア創薬 742円 -19円(-2.5%)
シンバイオ製薬 690円 -15円(-2.1%)
カイオム・バイオサイエンス 173円 -12円(-6.5%)
キッズウェル・バイオ 292円 -17円(-5.5%)
ペプチドリーム 1,360円 -125円(-8.4%)
オンコリスバイオファーマ 570円 -24円(-4.0%)
リボミック 196円 -2円(-1.0%)
サンバイオ 1,061円 -35円(-3.2%)
ヘリオス 393円 -22円(-5.3%)
ブライトパス・バイオ 87円 -4円(-4.4%)
窪田製薬ホールディングス 199円 +50円(+33.6%)
ソレイジア・ファーマ 90円 -4円(-4.3%)
Delta−Fly Pharma 912円 -42円(-4.4%)
ステムリム 719円 -45円(-5.9%)
メディシノバ 334円 -9円(-2.6%)
ファンペップ 204円 -4円(-1.9%)
ペルセウスプロテオミクス 379円 -10円(-2.6%)
モダリス 494円 -33円(-6.3%)
クリングルファーマ 609円 -15円(-2.4%)
レナサイエンス 398円 -13円(-3.2%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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