リボミックが新世代抗体医薬品とも言える創薬プラットフォームを開発 キャンバスは膵臓癌フェーズ2試験の早期終了を見込んだ強気相場が継続 ペプチドリームは市場からの評価項目の転換により苦戦

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 1 創薬企業の相場概況

本日の創薬株は継続して小型株が牽引した格好となりました。

大型株は元気がなく、特にペプチドリームが苦しむ状況が続いています。

ペプチドリームはGPCR創薬プラットフォームを事業の軸に添え、売上高が同程度のそーせいグループと比較されることが多いものの、時価総額が同社の2倍、PBRが同5倍と、そーせいグループに比べて高い評価を得ています。

しかし、長期間に及ぶ下落トレンドによって、その評価の差が徐々に縮まっています。

加えて、最近は小型株が強く、創薬株の評価対象が「売上高」から「(創薬株らしい)パイプラインの進捗」へと移行しているように感じます。

そうなると、早期パイプラインのみを保持するペプチドリームは相対的に弱く、今後の株価も苦戦することになりそうです。

キャンバスは昨日に引き続き大幅な上昇となりました。

昨日は取引時間中にストップ高を付ける局面が合ったものの、勢い続かず株価は落ち着きを取り戻しましたが、本日は午前中に活況となり、午後は15時まで取引が成立せず、ストップ高で終えました。




昨日の株価上昇は「CBP501」による膵臓癌フェーズ2試験の主要評価項目達成の先取りによるものと「キャンバスは「膵臓癌フェーズ2試験の成功確率98%」発言を支える根拠が提示され大幅高も、投資リスクの高まりに懸念」言及しましたが、本日の上昇はそれに加え、「会社プレゼンテーション資料(2022年6月版)」において、同適応症の開発プロセス短縮化をマーケットに強く意識させたことが要因だと考えられます。

しかし、同資料中の開発プロセス短縮化に関しては、これまで何度も提示されているため、同要因による上昇分は直ぐにでも消化されると考えられます。

キャンバスの強気なプロモーションによって、現在のキャンバス株は非常に過熱感を帯びています。

そのため、キャンバス株を保有する投資家は戦略を練り、危機に備えておくべきと思います。

リボミックはアプタマー生成プラットフォーム「RaptGen」の開発成果を学術誌「Nature Computational Science」を通じて発表しました。

RaptGenの活用により、アプタマー生成の精度と速度の改善、さらに、既存データに含まれない新たなアプタマーの生成が期待されています。

そして、リボミックはRaptGenを手に入れたことにより、GPCR創薬プラットフォームを持つそーせいグループや、ペプチド創薬プラットフォームを持つペプチドリームのように、プラットフォームの使用権を付与する形での創薬契約の実現性が高まりました。

抗体医療が世界的に広まり、ブロックバスターとなった医薬品も多岐にわたります。

そして抗体医療と比較されるアプタマーは、化学合成に伴う生成物の均一性や低コスト化、さらには応用の範囲も広く、新しい抗体医薬品と言えるかもしれません。

故に、RaptGenを生み出したことはアプタマー創薬にとって非常に意義のあるイベントであり、そのことが正当に評価されたために本日のストップ高へと繋がったと思われます。




 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【キャンバス】

会社プレゼンテーション資料(2022年6月版)の配信を開始しました。

【デ・ウエスタン・セラピテクス研究所】

5月26日開催の個人投資家向け会社説明会(オンラインセミナー)視聴のご案内

【キッズウェル・バイオ】

第22回定時株主総会に向けた事前質問に関する補足のお知らせ

 3 創薬株価指数と主要株価指数

創薬株価指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 505円 +6円(+1.15%)
BR創薬株3種 1,338円 +6円(+0.48%)
BR創薬株7種 902円 +6円(+0.64%)
BR中型株指数 548円 +5円(+0.97%)
BR小型株指数 237円 +6円(+2.55%)
主要株価指数 終値 前日比(%)
TOPIX33業種別-医薬品 3,027円 +11円(+0.37%)
NASDAQ Biotechnology Index 3,685米ドル +12米ドル(+0.32%)
日経平均株価 27,762円 +343円(+1.25%)
NASDAQ 12,317米ドル +322米ドル(+2.69%)

 4 創薬株価指数とテクニカル指標

創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 20銘柄
値下がり銘柄数 6銘柄
変わらず 2銘柄
出来高 2,832万株
売買代金 1,227,814万円
時価総額 7,236億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,197円 +13円(+1.1%)
アンジェス 372円 +11円(+3.0%)
オンコセラピー・サイエンス 68円 0円(0.0%)
そーせいグループ 1,151円 +19円(+1.7%)
ナノキャリア 229円 -2円(-0.9%)
カルナバイオサイエンス 935円 +8円(+0.9%)
キャンバス 300円 +80円(+36.4%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 215円 +7円(+3.4%)
ラクオリア創薬 755円 +12円(+1.6%)
シンバイオ製薬 696円 -19円(-2.7%)
カイオム・バイオサイエンス 177円 +2円(+1.1%)
キッズウェル・バイオ 287円 +12円(+4.4%)
ペプチドリーム 1,506円 -4円(-0.3%)
オンコリスバイオファーマ 596円 +9円(+1.5%)
リボミック 221円 +50円(+29.2%)
サンバイオ 1,084円 +6円(+0.6%)
ヘリオス 369円 +5円(+1.4%)
ブライトパス・バイオ 90円 +1円(+1.1%)
窪田製薬ホールディングス 147円 0円(0.0%)
ソレイジア・ファーマ 91円 -1円(-1.1%)
Delta−Fly Pharma 911円 +36円(+4.1%)
ステムリム 700円 -10円(-1.4%)
メディシノバ 310円 +1円(+0.3%)
ファンペップ 203円 +1円(+0.5%)
ペルセウスプロテオミクス 380円 -2円(-0.5%)
モダリス 567円 +79円(+16.2%)
クリングルファーマ 580円 +20円(+3.6%)
レナサイエンス 401円 +1円(+0.3%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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