1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株は製薬株に対して軟調な一日となりました。
特に大型創薬株が弱く、ペプチドリームは年初来安値を更新する展開となり、大型株の重しとなってしまいました。
小型株は本日も粘り強さを見せ、大型株・中型株に比べて株価の下落は小さかったです。
個別銘柄ではキャンバスが一時ストップ高となる前日比18.3%高で取引を終えました。
キャンバスは創薬株で唯一臨床試験の月次進捗を公表している企業であり、前日には「CBP501」による膵臓癌を適応とするフェーズ2試験の進捗(5月)を公表しました。
また、同資料中では患者登録が予定の前倒しで進んでいることにも言及しており、投資家の注目を集めました。
創薬企業による臨床試験は遅延こそあれ前倒しというのは稀であり、その背景には臨床現場からの注目の高さが伺えます。
その注目の高さは承認後の売上高にも関わってくる話であるため、フェーズ2試験とはいえ、臨床現場からの注目の高さを提示出来たことはCBP501の価値向上に繋がったと考えられます。
キャンバス株に対する懸念材料として、本日の株価上昇が同試験の主要評価項目達成を先取りした可能性が高いことです。
同社社長が「CBP501臨床第2相試験月間進捗状況の公表について」中で「CBP501がフェーズ1b試験と同じ力を発揮すれば第2相試験をクリアする確率98%」と言及しており、その根拠が先に述べた臨床現場からの注目の高さとして投資家から認められたと仮定した場合、本日の上昇は同試験の主要評価項目達成を先取りしたと考えられるでしょう。
そのため、8~9月に迎える同試験の中間発表においてネガティブな結果が報告された場合、株価の下落は普段以上になると想定されます。
さらに、同発表においてポジティブな結果が報告されたとしても、投資家の想像以上の結果で無い限り、株価の上昇は期待出来ません。
故に、キャンバス株を保有する投資家はよりハイリスクな環境に置かれていることを自覚しなければなりません。
しかし、臨床試験の月次進捗の公表は創薬株の投資家にとって非常に有益であるため、キャンバスの取り組みは素晴らしく、他の創薬企業も追随して欲しいと願ってやみません。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【ジーエヌアイグループ】
・第47回新株予約権(行使価額修正条項付)の月間行使状況に関するお知らせ
【アンジェス】
【キャンバス】
【シンバイオ製薬】
・第三者割当による新株式及び第58回新株予約権の発行に係る払込完了に関するお知らせ
【カイオム・バイオサイエンス】
・第18回新株予約権(行使価額修正条項付)の月間行使状況に関するお知らせ
【キッズウェル・バイオ】
・第三者割当による無担保転換社債型新株予約権付社債並びに新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ
【サンバイオ】
・行使価額修正条項付新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ
・戦略担当執行役員にアンドリュー・リュウ(Andrew Liu)氏が就任
【ブライトパス・バイオ】
・行使価額修正条項付き第15回新株予約権(第三者割当て)の月間行使状況に関するお知らせ
【窪田製薬ホールディングス】
・第25回新株予約権(行使価格修正条項付)の月間行使状況に関するお知らせ
【ソレイジア・ファーマ】
・行使価額修正条項付第13回新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ
【クリングルファーマ】
・行使価額修正条項付新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 499円 | -17円(-3.35%) |
BR創薬株3種 | 1,331円 | -69円(-4.93%) |
BR創薬株7種 | 896円 | -38円(-4.10%) |
BR中型株指数 | 543円 | -13円(-2.42%) |
BR小型株指数 | 231円 | -2円(-0.90%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33業種別-医薬品 | 3,016円 | -65円(-2.11%) |
NASDAQ Biotechnology Index | 3,673米ドル | -38米ドル(-1.03%) |
日経平均株価 | 27,419円 | -39円(-0.14%) |
NASDAQ | 11,994米ドル | -87米ドル(-0.72%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 10銘柄 |
値下がり銘柄数 | 18銘柄 |
変わらず | 0銘柄 |
出来高 | 2,805万株 |
売買代金 | 1,165,831万円 |
時価総額 | 7,152億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,184円 | -27円(-2.2%) |
アンジェス | 361円 | -19円(-5.0%) |
オンコセラピー・サイエンス | 68円 | -1円(-1.4%) |
そーせいグループ | 1,132円 | -36円(-3.1%) |
ナノキャリア | 231円 | +1円(+0.4%) |
カルナバイオサイエンス | 927円 | -17円(-1.8%) |
キャンバス | 220円 | +34円(+18.3%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 208円 | +1円(+0.5%) |
ラクオリア創薬 | 743円 | -20円(-2.6%) |
シンバイオ製薬 | 715円 | -19円(-2.6%) |
カイオム・バイオサイエンス | 175円 | -1円(-0.6%) |
キッズウェル・バイオ | 275円 | -2円(-0.7%) |
ペプチドリーム | 1,510円 | -105円(-6.5%) |
オンコリスバイオファーマ | 587円 | -9円(-1.5%) |
リボミック | 171円 | +1円(+0.6%) |
サンバイオ | 1,078円 | -9円(-0.8%) |
ヘリオス | 364円 | +6円(+1.7%) |
ブライトパス・バイオ | 89円 | +2円(+2.3%) |
窪田製薬ホールディングス | 147円 | +2円(+1.4%) |
ソレイジア・ファーマ | 92円 | +2円(+2.2%) |
Delta−Fly Pharma | 875円 | +2円(+0.2%) |
ステムリム | 710円 | -21円(-2.9%) |
メディシノバ | 309円 | -4円(-1.3%) |
ファンペップ | 202円 | -5円(-2.4%) |
ペルセウスプロテオミクス | 382円 | -15円(-3.8%) |
モダリス | 488円 | -14円(-2.8%) |
クリングルファーマ | 560円 | -4円(-0.7%) |
レナサイエンス | 400円 | +1円(+0.3%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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