1 創薬企業の相場概況
前日のNASDAQ Biotechnology Index(NBI)の反落を受け、製薬株の株価推移は軟調となりました。
そのような中、創薬株は値を上げ、その推移は強いとまでは言わないまでも堅調に推移しています。
創薬株はボックス圏での推移を続ける製薬株とは異なり、2021年2月初旬にピーク(1,300円台)を迎えて以降は下落トレンドを形成し、先週の最安値502円まで値を下げました。
しかし、小型株(BR小型株指数)では上昇トレンドの兆候が顕著に見られ、大型株(BR創薬株3種)においても上昇トレンドへと流れが変わる局面にあると思われます。
さらに、中型株(BR中型株指数)はヘリオスの急性期脳梗塞フェーズ3試験における主要評価項目未達の発表の影響によって大きく下落してしまいましたが、コチラの記事でも述べた通り、ヘリオスの株価には再考の余地があることから、中型株の下落トレンドも落ち着くと考えられます。
以上を考慮すると、創薬株は上昇トレンドの転換期にあると思われ、そのことが製薬株と比較して創薬株の値動きが堅調であることに繋がっていると思われます。
個別では5月の最優秀創薬株とも言えるモダリスが、本日も10%を超える上昇となりました。
その背景には、当サイトで何度も言及した通り、フィデリティ投信をはじめとする投資法人によるモダリス株の大量保有・増加報告や、ゲノム編集技術を理由とする米国の大手ベンチャーキャピタルArch Venture Partners社による30億ドル規模の医療特化ファンドからの買いが予想されているからです(同ファンドによる買いは既に起こっているかもしれません)。
また、ファンダメンタルズ(投資法人のモダリス株の保有増加の動き)の他、テクニカル指標による過熱感(RSI)やトレンド信頼度(MACD・DMI)の評価も上々です。
前日のRSI(パラメータ:14日)の数値は57と、過熱感を示す70には到達までにはもう少々の余裕があります。
MACDも0を超えており、MACDとMACDシグナルの差も本日にかけて広がりを見せていることから、5月の上昇トレンドの勢いを未だに保っている状況です。
それに加え、DMIのADXの傾きがプラスであること、+DIと-DIの差が広がりを保っていることも、MACDの解を補完しています。
要するに、モダリスは株価形成の要素であるファンダメンタルズとセンチメントの両方がポジティブな状態であり、これまでの上昇を支えて来たと言えます。
しかしながら、常々申し上げた通り、創薬株における投資法人の大量保有を材料とするトレンドは1~2週間も経つと消化されてしまうため、今週内に直近高値531円を超えない場合には同材料は消化されたと考え、ポジションを検討する必要があるように思えます。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
・該当企業はありませんでした。
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 516円 | +2円(+0.37%) |
BR創薬株3種 | 1,400円 | +2円(+0.11%) |
BR創薬株7種 | 934円 | +2円(+0.17%) |
BR中型株指数 | 556円 | +2円(+0.27%) |
BR小型株指数 | 233円 | +2円(+0.92%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
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TOPIX33業種別-医薬品 | 3,081円 | -13円(-0.43%) |
NASDAQ Biotechnology Index | 3,711米ドル | -86米ドル(-2.26%) |
日経平均株価 | 27,458円 | +178円(+0.65%) |
NASDAQ | 12,081米ドル | -50米ドル(-0.41%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
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値上がり銘柄数 | 18銘柄 |
値下がり銘柄数 | 7銘柄 |
変わらず | 3銘柄 |
出来高 | 1,304万株 |
売買代金 | 639,366万円 |
時価総額 | 7,392億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
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ジーエヌアイグループ | 1,211円 | -28円(-2.3%) |
アンジェス | 380円 | +2円(+0.5%) |
オンコセラピー・サイエンス | 69円 | +3円(+4.5%) |
そーせいグループ | 1,168円 | +15円(+1.3%) |
ナノキャリア | 230円 | +3円(+1.3%) |
カルナバイオサイエンス | 944円 | +12円(+1.3%) |
キャンバス | 186円 | +3円(+1.6%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 207円 | +2円(+1.0%) |
ラクオリア創薬 | 763円 | +9円(+1.2%) |
シンバイオ製薬 | 734円 | -18円(-2.4%) |
カイオム・バイオサイエンス | 176円 | +2円(+1.1%) |
キッズウェル・バイオ | 277円 | +1円(+0.4%) |
ペプチドリーム | 1,615円 | +4円(+0.2%) |
オンコリスバイオファーマ | 596円 | +1円(+0.2%) |
リボミック | 170円 | 0円(0.0%) |
サンバイオ | 1,087円 | -19円(-1.7%) |
ヘリオス | 358円 | +20円(+5.9%) |
ブライトパス・バイオ | 87円 | 0円(0.0%) |
窪田製薬ホールディングス | 145円 | -2円(-1.4%) |
ソレイジア・ファーマ | 90円 | 0円(0.0%) |
Delta−Fly Pharma | 873円 | -45円(-4.9%) |
ステムリム | 731円 | +1円(+0.1%) |
メディシノバ | 313円 | -2円(-0.6%) |
ファンペップ | 207円 | +3円(+1.5%) |
ペルセウスプロテオミクス | 397円 | +8円(+2.1%) |
モダリス | 502円 | +49円(+10.8%) |
クリングルファーマ | 564円 | +8円(+1.4%) |
レナサイエンス | 399円 | -1円(-0.3%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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