1 創薬企業の相場概況
昨日の米国市場ではNASDAQが大きく上昇したものの、ヘルスケア株中心に構成されるNASDAQ Biotechnology Indexは小幅増となりました。
対する日本市場では、日経平均株価が小幅増となる一方、製薬株で構成されるTOPIX33業種別-医薬品指数は小幅減となり、日米ともに医薬品銘柄の不調が目立ちました。
創薬株も製薬株と同様に弱く、今週を通じて6%以上の下落となりました。
今週1週間を大型株(BR創薬株3種)、中型株(BR中型株指数)、小型株(BR小型株指数)と分けて見た場合、大型株の3.0%安、小型株の1.5%安に比べ、中型株は15%安と大きく落ち込みました。
この要因は、ヘリオスの再生細胞医薬品「HLCM051」による急性期脳梗塞フェーズ2/3試験において、主要評価項目が未達となったことによる大幅な下落が上げられます。
中型株の先行きが不透明なことに対して、小型株はそろそろ上昇へと転じても良さそうです。
これは、創薬株とRSIとの相性が良いことに加え、小型株はサポートラインの形成が伴っているからです。
そのため、来週は創薬株の下落トレンドを小型株が打ち破れるかに注目しましょう。
そして、本日の小型株では、前日に共同開発を発表したカイオム・バイオサイエンスとキッズウェル・バイオが揃って上昇となりました。
特に、キッズウェル・バイオは経営計画の修正(同計画修正による株価への影響の考察はコチラ)によって黒字化達成の遅れが確実となり、それが投資家から嫌気されストップ安となった背景があります。
そのため、早期黒字化達成を期待する投資家は、自社開発にこだわらず、共同開発によって製品開発スピードを加速させる本件に対して、一定の評価を与えたと考えます。
ヘリオスは本日の10%を超える下落によって、先週末の株価に比べて半分以下となってしまいました。
しかし、「ヘリオス|HLCM051による急性期脳梗塞フェーズ2/3試験の結果による承認の可能性」でも述べたとおり、主要評価項目(Excellent Outcome)が未達であったとしても、Global Recoveryの変化(365日)においては統計学的有意差を得られていることから、PMDA(医薬品医療機器総合機構)が承認を与える可能性は十分に残されています。
特に、米国では治療薬の承認審査に際して臨床的意義を非常に重視する傾向が強く、再生医療で世界をリードしたいと考える日本が主要評価項目の結果にこだわらず、米国の考え(臨床的意義の有無)を審査に落とし込むことも考えられます。
そのため、Athersys社による急性期脳梗塞フェーズ3試験(主要評価項目:mRS)の結果が良好な場合、ヘリオスの株価は一転すると予想されます。
そのような状況であることを考慮すると、現在のヘリオスに対する評価(株価)を再考する必要があるのではないでしょうか。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【そーせいグループ】
【カイオム・バイオサイエンス】
・キッズウェル・バイオ株式会社との共同研究契約締結のお知らせ
【キッズウェル・バイオ】
・株式会社カイオム・バイオサイエンスとの抗体医薬品開発に関する共同研究契約締結のお知らせ
【サンバイオ】
・ 【お知らせ】第9回定時株主総会の質疑応答の要約をよくある質問に公開しました。
【ブライトパス・バイオ】
【ソレイジア・ファーマ】
・行使価額修正条項付第13回新株予約権の大量行使に関するお知らせ
【メディシノバ】
・Zacks Small-Cap Researchによる当社レポートが発表されました。(2022年5月26日)
【レナサイエンス】
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 502円 | -4円(-0.80%) |
BR創薬株3種 | 1,363円 | -18円(-1.28%) |
BR創薬株7種 | 912円 | -10円(-1.06%) |
BR中型株指数 | 546円 | -3円(-0.61%) |
BR小型株指数 | 225円 | 0円(-0.05%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33業種別-医薬品 | 3,083円 | -18円(-0.58%) |
NASDAQ Biotechnology Index | 3,695米ドル | +22米ドル(+0.59%) |
日経平均株価 | 26,782円 | +177円(+0.66%) |
NASDAQ | 11,741米ドル | +306米ドル(+2.68%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 12銘柄 |
値下がり銘柄数 | 15銘柄 |
変わらず | 1銘柄 |
出来高 | 1,700万株 |
売買代金 | 869,508万円 |
時価総額 | 7,195億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,235円 | +13円(+1.1%) |
アンジェス | 365円 | -3円(-0.8%) |
オンコセラピー・サイエンス | 65円 | -1円(-1.5%) |
そーせいグループ | 1,143円 | -8円(-0.7%) |
ナノキャリア | 221円 | +1円(+0.5%) |
カルナバイオサイエンス | 880円 | +7円(+0.8%) |
キャンバス | 177円 | -1円(-0.6%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 203円 | +3円(+1.5%) |
ラクオリア創薬 | 739円 | -10円(-1.3%) |
シンバイオ製薬 | 750円 | -4円(-0.5%) |
カイオム・バイオサイエンス | 171円 | +3円(+1.8%) |
キッズウェル・バイオ | 263円 | +15円(+6.0%) |
ペプチドリーム | 1,547円 | -35円(-2.2%) |
オンコリスバイオファーマ | 581円 | -10円(-1.7%) |
リボミック | 162円 | -2円(-1.2%) |
サンバイオ | 1,071円 | +24円(+2.3%) |
ヘリオス | 353円 | -41円(-10.4%) |
ブライトパス・バイオ | 84円 | -1円(-1.2%) |
窪田製薬ホールディングス | 143円 | +1円(+0.7%) |
ソレイジア・ファーマ | 89円 | 0円(0.0%) |
Delta−Fly Pharma | 815円 | -16円(-1.9%) |
ステムリム | 733円 | +7円(+1.0%) |
メディシノバ | 310円 | -1円(-0.3%) |
ファンペップ | 205円 | -3円(-1.4%) |
ペルセウスプロテオミクス | 386円 | -21円(-5.2%) |
モダリス | 424円 | +8円(+1.9%) |
クリングルファーマ | 571円 | +8円(+1.4%) |
レナサイエンス | 407円 | +2円(+0.5%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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