1 創薬企業の相場概況
前日のNASDAQの2%を超える下落や、NASDAQ Biotechnology Indexの下落の影響により、本日の日本株および医薬品株も下落が予想されておりましたが、その影響は限定的であり、特に医薬品株に関しては株価上昇で取引を終える形となりました。
しかしながら、創薬株は医薬品株と同等の値動きとはならず、全体的に売りが加速し、大幅な下落となりました。
なかでも、ここ数日間、理由が見当たらない上昇を続けていたアンジェスと、複数の投資法人による大量保有が報告されたモダリスは、大幅な株価下落となりました。
アンジェスは前日の記事で、材料の無い中において、出来高の急激な上昇と株価の大幅な上昇が重なった場合、アンジェス株は2~3日後に株価は下落する傾向があると言及しましたが、本日の下落によりそのトレンドに乗ってしまった可能性があります。
モダリスは最近12日間の出来高が非常に大きかったものの、その大きさは減衰傾向にあります。
今後、米国のベンチャーキャピタルArch Venture Partners社による買いが入る余地は残されていますが、投資法人の大量保有を材料とするトレンドが下火になったとしてもおかしくはありません。
IR資料の内容によって株価が変動した銘柄では、定款を一部変更したリボミックが10%の下げとなりました。
定款変更内容は発行可能株式総数に関してであり、当初43,000,000株分の発行可能株数を114,000,000株まで、おおよそ2.7倍まで増加させました。
発行可能株数の増加は新規株式発行による希薄化リスクを高めることに直結するため、それが投資家から嫌気され株価が下落したと考えられます。
そして、ヘリオスは先週末の急性期脳梗塞フェーズ2/3試験の主要評価項目未達の報告により、昨日までの2日間連続でストップ安となっておりましたが、本日はついにその流れを断ち切りました。
出来高も19,348,500株と大きく、投資家の循環も前進したと考えられます。
主要評価項目が未達であるものの、HLCM051による急性期脳梗塞パイプラインは日本での承認にチャレンジ出来る状態であり、かつ、ARDSパイプラインに関してもエンロール数を増やす意味での追加試験によって承認にチャレンジできる状態です。
それを考慮すると、同じ再生医療銘柄で中型株である時価総額500億円のサンバイオに対して、その半分以下の230億円というヘリオスの時価総額は、相対的に低すぎる状況と言えるでしょう。
<ヘリオスのHLCM051に関するビジネスレポート>
・ヘリオス|HLCM051による急性期脳梗塞フェーズ2/3試験の結果による承認の可能性
・ヘリオス|PMDAの審査の前提を見誤る形に。HLCM051の解析方法が論点。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【ペプチドリーム】
・仏Amolyt社による、欧州内分泌学会(ECE)での当社からのライセンス品であるAZP-3813の研究成果の発表資料
【リボミック】
・資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分に関するお知らせ
【ペルセウスプロテオミクス】
・(訂正)取締役に対するストック・オプション報酬額及び内容決定の件に関するお知らせの一部訂正について
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 505円 | -26円(-5.06%) |
BR創薬株3種 | 1,384円 | -46円(-3.21%) |
BR創薬株7種 | 926円 | -50円(-5.16%) |
BR中型株指数 | 554円 | -54円(-8.88%) |
BR小型株指数 | 220円 | -9円(-3.83%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
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TOPIX33業種別-医薬品 | 3,114円 | +4円(+0.14%) |
NASDAQ Biotechnology Index | 3,655米ドル | -59米ドル(-1.58%) |
日経平均株価 | 26,678円 | -70円(-0.26%) |
NASDAQ | 11,264米ドル | -271米ドル(-2.35%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
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値上がり銘柄数 | 3銘柄 |
値下がり銘柄数 | 25銘柄 |
変わらず | 0銘柄 |
出来高 | 3,956万株 |
売買代金 | 1,950,024万円 |
時価総額 | 7,234億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,165円 | -35円(-2.9%) |
アンジェス | 371円 | -32円(-7.9%) |
オンコセラピー・サイエンス | 66円 | +1円(+1.5%) |
そーせいグループ | 1,149円 | -30円(-2.5%) |
ナノキャリア | 213円 | -6円(-2.7%) |
カルナバイオサイエンス | 848円 | -30円(-3.4%) |
キャンバス | 181円 | -7円(-3.7%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 202円 | -1円(-0.5%) |
ラクオリア創薬 | 743円 | -25円(-3.3%) |
シンバイオ製薬 | 721円 | -43円(-5.6%) |
カイオム・バイオサイエンス | 166円 | -6円(-3.5%) |
キッズウェル・バイオ | 243円 | -17円(-6.5%) |
ペプチドリーム | 1,612円 | -60円(-3.6%) |
オンコリスバイオファーマ | 564円 | -21円(-3.6%) |
リボミック | 162円 | -17円(-9.5%) |
サンバイオ | 1,044円 | -60円(-5.4%) |
ヘリオス | 415円 | -130円(-23.9%) |
ブライトパス・バイオ | 83円 | -2円(-2.4%) |
窪田製薬ホールディングス | 139円 | -4円(-2.8%) |
ソレイジア・ファーマ | 84円 | +1円(+1.2%) |
Delta−Fly Pharma | 758円 | -41円(-5.1%) |
ステムリム | 729円 | -35円(-4.6%) |
メディシノバ | 299円 | -3円(-1.0%) |
ファンペップ | 205円 | +1円(+0.5%) |
ペルセウスプロテオミクス | 453円 | -43円(-8.7%) |
モダリス | 412円 | -60円(-12.7%) |
クリングルファーマ | 555円 | -29円(-5.0%) |
レナサイエンス | 394円 | -5円(-1.3%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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