1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株はここ数日の鬱憤を晴らすかのように、主要株価指数に対して大幅に上昇しました。
創薬株28銘柄で構成される創薬平均株価は4.2%の上昇となった他、大型株、中型株、小型株と、全ての創薬株価指数が4%を超える上昇となり、全てのカテゴリーに満遍なく買いが集まりました。
そして、大型株カテゴリーでの傾向は継続しており、大型株(ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム)は事業性質が製品売上偏重、または、開発偏重で上昇幅が異なり、製品売上偏重ほど買いが集まり、上昇幅も大きくなりました。
株式市場は世界中でリスクオフのトレンドにあるため、その傾向は理にかなっていると言えるでしょう。
また、現状ではGNI、そーせい、ペプチドリームと製品売上偏重が強いですが、そーせいは「ウルティブロ」をはじめとするCOPD治療薬ポートフォリオの特許期限が意識される状況です。
対して、ペプチドリームは富士フィルム社から買収した放射線医療事業の売上高が、時間とともに明らかになってくるため、前述した序列に変動があるかもしれません。
リスクオフ相場がいつまで続くかは不明瞭ですが、長期的に続いた場合、ペプチドリームの株価は上昇力が強まると考えられます。
小型株ではシンバイオ製薬、ペルセウスプロテオミクス、モダリスの3銘柄が10%を超える上昇となりました。
シンバイオは300万株におよぶ新規株式発行(ストックオプション含む)の発表によって翌日は値を下げたましたが、それ以降は同発表の評価の見直しや、抗ウイルス薬「ブリンシドフォビル」の価値上昇により、ここ数日は大きく株価を上げる局面が目立っています。
本日もその流れを保ち、大幅な上昇となりました。
なお、新規株式発行の評価の見直しに関する考察はコチラ、ブリンシドフォビルの価値上昇に関する考察はコチラをご参考下さい。
ペルセウスプロテオミクスは18日に発表した材料(富山大学とのCovid-19に対する中和抗体「UT28K」の共同開発)が本日も有効であり、二日連続のストップ高となりました。
Covid-19ワクチンと治療薬が存在しなかったタイムリーな環境において、中型株ではアンジェスがCovid-19ワクチンの開発発表で、小型株ではメディシノバがCovid-19治療薬と同ワクチンの開発発表で大きく株価を上昇させましたが、徐々に株価は下落した過去があります。
そのため、ペルセウスプロテオミクスの同発表もその内容から話題先行による上昇と考えられるため、急激な下落を意識する必要があります。
モダリスは11日にフィデリティ投信による大量保有が明らかになり、その際はストップ高となりました(フィデリティ投信による大量保有に関する考察はコチラ)。
そして、フィデリティ投信に続き、昨日は三井住友トラスト・アセットマネジメント社(共同保有:日興アセットマネジメント社)が保有割合を5.18%から7.03%へ、SBIインベストメント社(共同保有:レオス・キャピタルワークス社、SBI証券社)が保有割合を9.03%から9.49%へと増加させています。
そのため、本日のモダリスの上昇はこれらが材料視されたことによるものと考えられます。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【ジーエヌアイグループ】
【リボミック】
・5月17日に開催した機関投資家・アナリスト向け2022年3月期決算説明会での動画を掲載いたしました。
【ブライトパス・バイオ】
【メディシノバ】
・(訂正)「2021年12月期 決算短信〔米国基準〕(連結)」の一部訂正について
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 534円 | +23円(+4.22%) |
BR創薬株3種 | 1,411円 | +64円(+4.72%) |
BR創薬株7種 | 984円 | +42円(+4.50%) |
BR中型株指数 | 637円 | +25円(+4.10%) |
BR小型株指数 | 229円 | +9円(+4.13%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33業種別-医薬品 | 3,071円 | +15円(+0.48%) |
NASDAQ Biotechnology Index | 3,663米ドル | +45米ドル(+1.24%) |
日経平均株価 | 26,739円 | +336円(+1.27%) |
NASDAQ | 11,389米ドル | -30米ドル(-0.26%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 24銘柄 |
値下がり銘柄数 | 4銘柄 |
変わらず | 0銘柄 |
出来高 | 2,021万株 |
売買代金 | 1,122,558万円 |
時価総額 | 7,647億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,210円 | +78円(+6.9%) |
アンジェス | 366円 | +22円(+6.4%) |
オンコセラピー・サイエンス | 65円 | +2円(+3.2%) |
そーせいグループ | 1,178円 | +50円(+4.4%) |
ナノキャリア | 217円 | +4円(+1.9%) |
カルナバイオサイエンス | 869円 | +12円(+1.4%) |
キャンバス | 191円 | -1円(-0.5%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 205円 | +3円(+1.5%) |
ラクオリア創薬 | 760円 | +10円(+1.3%) |
シンバイオ製薬 | 780円 | +86円(+12.4%) |
カイオム・バイオサイエンス | 167円 | +1円(+0.6%) |
キッズウェル・バイオ | 270円 | -2円(-0.7%) |
ペプチドリーム | 1,631円 | +67円(+4.3%) |
オンコリスバイオファーマ | 606円 | +15円(+2.5%) |
リボミック | 168円 | -8円(-4.5%) |
サンバイオ | 1,145円 | +31円(+2.8%) |
ヘリオス | 795円 | +25円(+3.2%) |
ブライトパス・バイオ | 86円 | +3円(+3.6%) |
窪田製薬ホールディングス | 141円 | +1円(+0.7%) |
ソレイジア・ファーマ | 81円 | +3円(+3.8%) |
Delta−Fly Pharma | 789円 | -16円(-2.0%) |
ステムリム | 747円 | +28円(+3.9%) |
メディシノバ | 309円 | +4円(+1.3%) |
ファンペップ | 204円 | +4円(+2.0%) |
ペルセウスプロテオミクス | 527円 | +80円(+17.9%) |
モダリス | 460円 | +49円(+11.9%) |
クリングルファーマ | 573円 | +16円(+2.9%) |
レナサイエンス | 404円 | +9円(+2.3%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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