1 創薬企業の相場概況
先週末のNASDAQ Biotechnology Index(NBI)やNASDAQの好調な推移に伴い、本日の日本創薬株は上昇に転じると期待されました。
しかしながら、上昇に転じること無く、軟調な推移で取引を終えました。
この傾向は主要株価指数のTOPIX33業種別-医薬品でも見られ、業種の弱さや、米国株に対する日本株の弱さが目立った形です。
日本を代表する創薬株で、時価総額が最も大きいペプチドリームも冴えなく、5月に入ってからは8営業日中6日営業日で値を下げ、3月11日に付けた1,728円の安値(終値)が迫ってきました。
今後同安値を割り込むことなく、上昇に転じることができるかに注目です。
個別での動きでは、カイオム・バイオサイエンスが2022年12月期第1四半期決算短を発表しました。
それによると、現金資産の不足やMSワラント発行済みであることが目に付きます。
2022年3月末時点で現金資産を17億円保有するものの、年間15億円程度の純損失が見込まれるため、2年と保たずに資金不足に陥る状況です。
これでは、ブライトパス・バイオと同様に資金不足に陥るリスクの高い創薬銘柄のように思えます(ブライトパス・バイオのファイナンスリスクについてはコチラ)。
しかし、MSワラントの残高が約600万株分となっており、時価にして10億円程度の資金の上乗せが見込めます。
それを考慮すると事業資金は実質2年分となり、創薬企業として十分な資金を確保していると言えるでしょう。
また、カイオムは創薬支援事業によって今期売上高6.2億円を見込んでいます。
同事業は他社に対し、抗体の作成や抗原・抗体などのタンパク質の発現精製などを通じて、創薬の支援を行う事業です。
現在のカイオムの財政状態を考えると、同事業の売上高によって、創薬に関する研究開発費を節約すれば事業資金が枯渇することは考え難く、故にカイオムの倒産リスクは低いと考えられます。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【そーせいグループ】
・2022年12月期第1四半期(1月-3月)ビジネスハイライトおよび連結業績について
・2022年12月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
【キャンバス】
・2022年6月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
・CBP501臨床第2相試験 被験者登録の進捗について(速報)
【デ・ウエスタン・セラピテクス研究所】
・アナリストレポート/1Q決算フラッシュ(Sessaパートナーズ)
【ラクオリア創薬】
・四半期報告書-第15期第1四半期(令和4年1月1日-令和4年3月31日)
・2022年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
【カイオム・バイオサイエンス】
・四半期報告書-第19期第1四半期(令和4年1月1日-令和4年3月31日)
・2022年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
【キッズウェル・バイオ】
・2022年3月期決算及び中期経営計画-KWB2.0- 補足説明動画を配信しました
・2022年3月期決算及び中期経営計画-KWB2.0-に関する補足説明動画の配信予定に関するお知らせ
【オンコリスバイオファーマ】
・2022年12月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
【リボミック】
・営業外収益(助成金収入・為替差益)及び特別損失(固定資産の減損損失)の計上に関するお知らせ
【窪田製薬ホールディングス】
・2022年12月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
【ソレイジア・ファーマ】
・製品開発品等の事業状況( 2022年12月期第1 四半期)
・2022年12月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
【Delta-Fly Pharma】
・DFP-14323の臨床第2相試験成績のASCO採択に関するお知らせ
【メディシノバ】
・2022年12月期 第1四半期決算短信〔米国基準〕(連結)
【ファンペップ】
・2022年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
【ペルセウスプロテオミクス】
・営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失の計上に関するお知らせ
【モダリス】
・四半期報告書-第7期第1四半期(令和4年1月1日-令和4年3月31日)
【クリングルファーマ】
・脊髄損傷急性期を対象とする第III相臨床試験の治験期間延長のお知らせ
・四半期報告書-第21期第2四半期(令和4年1月1日-令和4年3月31日)
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 531円 | +0円(+0.03%) |
BR創薬株3種 | 1,440円 | -5円(-0.34%) |
BR創薬株7種 | 990円 | +5円(+0.48%) |
BR中型株指数 | 625円 | +12円(+2.04%) |
BR小型株指数 | 220円 | -3円(-1.31%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33業種別-医薬品 | 3,060円 | -1円(-0.02%) |
NASDAQ Biotechnology Index | 3,599米ドル | +117米ドル(+3.36%) |
日経平均株価 | 26,547円 | +119円(+0.45%) |
NASDAQ | 11,805米ドル | +434米ドル(+3.82%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 12銘柄 |
値下がり銘柄数 | 13銘柄 |
変わらず | 3銘柄 |
出来高 | 1,621万株 |
売買代金 | 835,142万円 |
時価総額 | 7,607億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,018円 | +4円(+0.4%) |
アンジェス | 365円 | 0円(0.0%) |
オンコセラピー・サイエンス | 63円 | 0円(0.0%) |
そーせいグループ | 1,151円 | +11円(+1.0%) |
ナノキャリア | 219円 | -3円(-1.4%) |
カルナバイオサイエンス | 861円 | -24円(-2.7%) |
キャンバス | 175円 | -2円(-1.1%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 202円 | -1円(-0.5%) |
ラクオリア創薬 | 762円 | +24円(+3.3%) |
シンバイオ製薬 | 663円 | -19円(-2.8%) |
カイオム・バイオサイエンス | 167円 | -1円(-0.6%) |
キッズウェル・バイオ | 278円 | -80円(-22.3%) |
ペプチドリーム | 1,775円 | -18円(-1.0%) |
オンコリスバイオファーマ | 590円 | +25円(+4.4%) |
リボミック | 171円 | -3円(-1.7%) |
サンバイオ | 1,084円 | +13円(+1.2%) |
ヘリオス | 797円 | +29円(+3.8%) |
ブライトパス・バイオ | 84円 | -2円(-2.3%) |
窪田製薬ホールディングス | 141円 | +2円(+1.4%) |
ソレイジア・ファーマ | 76円 | -1円(-1.3%) |
Delta−Fly Pharma | 970円 | +38円(+4.1%) |
ステムリム | 733円 | +29円(+4.1%) |
メディシノバ | 310円 | 0円(0.0%) |
ファンペップ | 202円 | -2円(-1.0%) |
ペルセウスプロテオミクス | 359円 | -14円(-3.8%) |
モダリス | 437円 | +15円(+3.6%) |
クリングルファーマ | 576円 | +20円(+3.6%) |
レナサイエンス | 403円 | +10円(+2.5%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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