1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株式市場は米国での大幅な利上げに伴う相場環境の悪化を受け、28銘柄中19銘柄が値を下げました。
しかしながら、多くの銘柄でその下落幅を縮めた他、プラスに転じた銘柄もありました。
また、その傾向は小型株で強かったものの、大型株(ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム)ではその傾向は見られませんでした。
良くも悪くも売上高が伴わない小型株は相場環境の影響を受け流すことがあり、今回はその点が株価を持ち直す要因となったようです。
個別銘柄では前営業日または前々営業日にMSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)の行使状況を報告した銘柄が目立ちました。
(行使状況を報告した10銘柄:GNI、カルナバイオサイエンス、キャンバス、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、サンバイオ、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、クリングル・ファーマ)
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先月の同銘柄の行使状況は「5銘柄(カルナバイオ、キャンバス、キッズウェル、窪田製薬、クリングル)のMSワラント行使が軟調な理由と行使が活発になる条件」をご参考下さい。
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4月に発行総数の5%以上を行使された銘柄は、キャンバス、サンバイオ、ブライトパス・バイオ、クリングルファーマの4銘柄となりました。
キャンバスは4月4日に東京大学との新規抗癌剤の共同開発契約の延長を発表しましたが、それに伴い、翌日は同銘柄の売買代金が大幅に上昇し、それ以降も売買代金が一定の間堅調に推移しました。
特に発表翌日からの5日間が顕著であり、割当先が利益を得やすい環境が整っていたため、それが4月のMSワラントの行使数増加に繋がったと考えられます。
サンバイオ株の4月の取引状況は3月に比べて落ち込んでおり、売買代金は約1/4、出来高は約1/3となりました。
そのような状況下においても、MSワラント行使数が最も多くなる傾向の行使開始月3月に対して増加しました。
この背景には3月のサンバイオ株の値動きの大きさが関係し、3月中は割当先の行使促進条件の一つである「売却額が行使価額を上回っていること」が十分に満たせていませんでした。
4月に入ると同銘柄の値動きが落ち着きを取り戻し、先に上げた条件を満たせたことが割当先の行使を促進させたと考えられます。
ブライトパス・バイオは行使開始月の2月に発行総数の約20%を行使し、3月と4月に約7%を行使しました。
この行使の傾向は最も一般的なものであり、割当先は波風の少ない状況で、計画通りの行使を実行していることでしょう。
5月は米国金利の大幅な利上げもあり、世界の株式市場に暗雲が漂っているため、5月の行使数も7%前後となるか、注目です。
クリングルファーマのMSワラント発行残数は4月の行使を以て残すところ30%となりました。
同ワラントは行使が開始された11月以降、毎月6~15%の行使がされてきています。
同ワラントの行使期限は2023年11月までですが、このペースで行使が進んだ場合、遅くともあと5ヶ月で発行総数の全てが行使されると見込まれます。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【ジーエヌアイグループ】
・第47回新株予約権(行使価額修正条項付)の月間行使状況に関するお知らせ
【キャンバス】
・第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ
【カイオム・バイオサイエンス】
・第18回新株予約権(行使価額修正条項付)の月間行使状況に関するお知らせ
【キッズウェル・バイオ】
・第三者割当による無担保転換社債型新株予約権付社債並びに新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ
【サンバイオ】
・行使価額修正条項付新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ
【ブライトパス・バイオ】
・行使価額修正条項付き第15回新株予約権(第三者割当て) の月間行使状況に関するお知らせ
【窪田製薬ホールディングス】
・第25回新株予約権(行使価格修正条項付)の月間行使状況に関するお知らせ
【ソレイジア・ファーマ】
・行使価額修正条項付第13回新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ
【ファンペップ】
・第三者割当てによる第9回新株予約権(行使価額修正条項付)の月間行使状況に関するお知らせ
【クリングルファーマ】
・行使価額修正条項付新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 560円 | -12円(-2.12%) |
BR創薬株3種 | 1,560円 | -68円(-4.15%) |
BR創薬株7種 | 1,039円 | -27円(-2.55%) |
BR中型株指数 | 617円 | +6円(+0.91%) |
BR小型株指数 | 235円 | -2円(-0.64%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33業種別-医薬品 | 3,184円 | +37円(+1.19%) |
NASDAQ Biotechnology Index | 3,739米ドル | -157米ドル(-4.03%) |
日経平均株価 | 26,990円 | +171円(+0.64%) |
NASDAQ | 12,318米ドル | -647米ドル(-4.99%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 6銘柄 |
値下がり銘柄数 | 19銘柄 |
変わらず | 3銘柄 |
出来高 | 944万株 |
売買代金 | 585,096万円 |
時価総額 | 8,018億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,108円 | -41円(-3.6%) |
アンジェス | 357円 | +4円(+1.1%) |
オンコセラピー・サイエンス | 65円 | 0円(0.0%) |
そーせいグループ | 1,210円 | -44円(-3.5%) |
ナノキャリア | 236円 | -4円(-1.7%) |
カルナバイオサイエンス | 993円 | -2円(-0.2%) |
キャンバス | 182円 | 0円(0.0%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 210円 | 0円(0.0%) |
ラクオリア創薬 | 775円 | -2円(-0.3%) |
シンバイオ製薬 | 682円 | +1円(+0.1%) |
カイオム・バイオサイエンス | 173円 | -1円(-0.6%) |
キッズウェル・バイオ | 455円 | -2円(-0.4%) |
ペプチドリーム | 1,944円 | -92円(-4.5%) |
オンコリスバイオファーマ | 608円 | +8円(+1.3%) |
リボミック | 179円 | -6円(-3.2%) |
サンバイオ | 1,150円 | +38円(+3.4%) |
ヘリオス | 724円 | -7円(-1.0%) |
ブライトパス・バイオ | 96円 | -1円(-1.0%) |
窪田製薬ホールディングス | 146円 | -2円(-1.4%) |
ソレイジア・ファーマ | 83円 | -1円(-1.2%) |
Delta−Fly Pharma | 1,049円 | -60円(-5.4%) |
ステムリム | 723円 | -7円(-1.0%) |
メディシノバ | 334円 | -11円(-3.2%) |
ファンペップ | 208円 | -3円(-1.4%) |
ペルセウスプロテオミクス | 370円 | -4円(-1.1%) |
モダリス | 335円 | +3円(+0.9%) |
クリングルファーマ | 629円 | -16円(-2.5%) |
レナサイエンス | 450円 | +30円(+7.1%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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