低調な米国市場の影響を受けたメディシノバは大幅安 そーせいは2種類の化合物で今年中の臨床試験入りを期待 クリングルファーマの助成金(脊髄損傷)は総額3億円が見込まれる

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 1 創薬企業の相場概況

本日の創薬株式市場は反落し、28銘柄中21銘柄が値を下げました。

なかでも前日比7.8%の下落となったメディシノバには厳しい一日となったでしょうか。

これは米国株である同社が、前日の落ち込みが大きかった米国市場の影響を受けたものと考えられます。

前日にIRを更新したそーせいグループは、Weatherden社との戦略的提携を発表しました。

Weatherden社の事業内容は非臨床試験から臨床試験へと移行する段階のコンサルティングサービスと、創薬企業の買収や導入・導出時の価値評価に関わるデューデリジェンスサービスに分けられます。

同提携では同社のコンサルティングサービスを活用し、アトピー性皮膚炎での適応を目指すH4拮抗薬(前臨床段階)と、同統合失調症での適応を目指すGPR52作動薬(前臨床段階)の、自社によるフェーズ1/2a臨床試験の開始を目的としています。

そーせいの弱点はパイプラインの後期フェーズを保持していないことであるため、その弱点解消のために動き出しました。

また、Weatherden社では、同コンサルティングサービスの活用は臨床試験予定開始日の6~9ヶ月前が適切なタイミングとしています。

それを踏まえると、今年中のH4拮抗薬およびGPR52作動薬の臨床試験開始が見込まれます。

クリングルファーマはHGFタンパク質による脊髄損傷を適応とするフェーズ3試験に対する2021年度の助成額が8,000万円に決定したと報告しました。

同助成金は国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所による希少疾病用医薬品等開発振興事業に関連し、2019年9月から製造販売承認申請までの3年間に渡って得られるもので、助成額は開発費の半額となります。

なお、2020年度の助成額は8,200万円であり、指定を受けた2019年度の助成額は不明でありますが、2019年10月~2020年9月の補助金収入6,200万円はALSに関する助成金が中心であると推測されるため、2019年における同助成額は極めて小さいと考えられます。

同事業はクリングルファーマに対し、フェーズ3試験での良好な結果が得られ承認を受けた場合は、販売収入から最大で助成額と同じ額を納付することを義務付けています。

そして、同上限額は過去の助成額の実績から2~3億円になると見込まれます。




 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【そーせいグループ】

Weatherden社との戦略的提携によるアジャイル開発の導入と トランスレーショナル・メディシン機能の強化について

【クリングルファーマ】

脊髄損傷急性期を対象とする組換えヒトHGFタンパク質の開発費用に対する希少疾病用医薬品試験研究助成金の2021年度交付額決定に関するお知らせ

 3 創薬株価指数と主要株価指数

創薬株価指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 576円 -10円(-1.67%)
BR創薬株3種 1,645円 -30円(-1.81%)
BR創薬株7種 1,078円 -18円(-1.64%)
BR中型株指数 618円 -8円(-1.28%)
BR小型株指数 236円 -4円(-1.67%)
主要株価指数 終値 前日比(%)
TOPIX33業種別-医薬品 3,057円 +3円(+0.10%)
NASDAQ Biotechnology Index 3,872米ドル -146米ドル(-3.63%)
日経平均株価 26,387円 -313円(-1.17%)
NASDAQ 12,491米ドル -514米ドル(-3.95%)

 4 創薬株価指数とテクニカル指標

創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 4銘柄
値下がり銘柄数 21銘柄
変わらず 3銘柄
出来高 1,109万株
売買代金 624,857万円
時価総額 8,254億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,156円 -40円(-3.3%)
アンジェス 368円 -4円(-1.1%)
オンコセラピー・サイエンス 67円 0円(0.0%)
そーせいグループ 1,261円 -6円(-0.5%)
ナノキャリア 243円 +4円(+1.7%)
カルナバイオサイエンス 991円 -19円(-1.9%)
キャンバス 182円 0円(0.0%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 211円 -1円(-0.5%)
ラクオリア創薬 754円 -20円(-2.6%)
シンバイオ製薬 679円 -2円(-0.3%)
カイオム・バイオサイエンス 174円 -1円(-0.6%)
キッズウェル・バイオ 438円 -20円(-4.4%)
ペプチドリーム 2,065円 -42円(-2.0%)
オンコリスバイオファーマ 606円 +2円(+0.3%)
リボミック 186円 -6円(-3.1%)
サンバイオ 1,105円 -18円(-1.6%)
ヘリオス 731円 -15円(-2.0%)
ブライトパス・バイオ 97円 0円(0.0%)
窪田製薬ホールディングス 152円 +4円(+2.7%)
ソレイジア・ファーマ 86円 -2円(-2.3%)
Delta−Fly Pharma 1,084円 -58円(-5.1%)
ステムリム 733円 -3円(-0.4%)
メディシノバ 343円 -29円(-7.8%)
ファンペップ 212円 -4円(-1.9%)
ペルセウスプロテオミクス 374円 -2円(-0.5%)
モダリス 330円 -6円(-1.8%)
クリングルファーマ 653円 +24円(+3.8%)
レナサイエンス 419円 -11円(-2.6%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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