1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株式市場では28銘柄中2銘柄を除く26銘柄で上げ下げを半分に分かち合い、13銘柄ずつの値上がり銘柄・値下がり銘柄となりました。
また、創薬株式指数は全ての指数で値を上げ、特に本日9%を超える上昇となったペプチドリームの影響が非常に大きなものとなりました。
その背景にはゴールドマン・サックスが投資判断を「買い」に格上げしたことがあり(前回は「中立」)、目標株価を2850円から3000円へと引き上げたことが材料視されたようです。
そして、ペプチドリームは前日にコーポレート・ガバナンスを更新し、その内容を報告しました。
創薬企業の中でもペプチドリームのガバナンスに対する意識の高さは頭一つ抜けている印象を抱いており、CSR(企業の社会的責任)やディバーシティー(多様性)など、社会の移り変わりに上手に対応しながら経営を進めています。
ペプチドリームのガバナンスに関しての詳しい解説は「ペプチドリーム|創薬企業が見習うべきペプチドリームのコーポレート・ガバナンス」をご参考下さい。
さらに、役員報酬の透明性の確保にも引き続き取り組んでいることも評価されるポイントではないでしょうか。
ソレイジア・ファーマはIsofol社から日本での開発販売権を取得した治療薬「SP-05(アルフォリチキソリン)」に関して、同社がアルフォリチキソリンと5-FU、オキサリプラチン、ベバシズマブの併用による一次転移性結腸直腸癌を適応とするフェーズ3試験(グローバル)のデータ解析を開始したと報告しました。
同フェーズ3試験はIsofol社が中心となって行っていますが、ソレイジア・ファーマも同試験の日本における治験(15施設)をマネジメントしていました。
日本での組入れはPMDAの意向により追加の被験者の登録が必要であったため、データ解析が開始されたことは喜ばしいことだと思います。
そして、Isofol社によると、同解析結果の発表は今年6月末~8月末に予定しているとのことです。
結腸直腸癌は世界で3番目に患者数の多い癌であり、約100万人とも言われる癌による死亡者の中で2番目に多い癌です。
Isofol社の治療コンセプトは標準治療の効果を高める医薬品の開発であり、その目標は現標準治療による腫瘍縮小効果に対して10%のアドバンテージを得ることです。
同社は日本に先駆け米国での承認を目指しているため、ソレイジア・ファーマの売上が計上される予定は当分先となりますが、順調に行けば2023年後半には米国での承認を得られる見込みのため、2024年中には日本での販売が開始され、ソレイジア・ファーマへも売上が計上されるのではないでしょうか。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【デ・ウエスタン・セラピテクス研究所】
・第10回新株予約権(行使価額修正条項付)の取得及び消却に関するお知らせ
【ラクオリア創薬】
・取締役に対する譲渡制限付株式報酬としての新株式発行の払込完了に関するお知らせ
【ペプチドリーム】
【窪田製薬ホールディングス】
【ソレイジア・ファーマ】
3 創薬株価指数と主要株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 586円 | +20円(+3.45%) |
BR創薬株3種 | 1,676円 | +97円(+6.12%) |
BR創薬株7種 | 1,096円 | +50円(+4.79%) |
BR中型株指数 | 626円 | +12円(+2.01%) |
BR小型株指数 | 240円 | +0円(+0.00%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33業種別-医薬品 | 3,054円 | -13円(-0.43%) |
NASDAQ Biotechnology Index | 4,018米ドル | +56米ドル(+1.42%) |
日経平均株価 | 26,700円 | +109円(+0.41%) |
NASDAQ | 13,005米ドル | +166米ドル(+1.29%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 13銘柄 |
値下がり銘柄数 | 13銘柄 |
変わらず | 2銘柄 |
出来高 | 830万株 |
売買代金 | 595,539万円 |
時価総額 | 8,392億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,196円 | +5円(+0.4%) |
アンジェス | 372円 | +17円(+4.8%) |
オンコセラピー・サイエンス | 67円 | 0円(0.0%) |
そーせいグループ | 1,267円 | +14円(+1.1%) |
ナノキャリア | 239円 | -1円(-0.4%) |
カルナバイオサイエンス | 1,010円 | -4円(-0.4%) |
キャンバス | 182円 | +3円(+1.7%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 212円 | +6円(+2.9%) |
ラクオリア創薬 | 774円 | +14円(+1.8%) |
シンバイオ製薬 | 681円 | -2円(-0.3%) |
カイオム・バイオサイエンス | 175円 | -3円(-1.7%) |
キッズウェル・バイオ | 458円 | -6円(-1.3%) |
ペプチドリーム | 2,107円 | +182円(+9.5%) |
オンコリスバイオファーマ | 604円 | +11円(+1.9%) |
リボミック | 192円 | +6円(+3.2%) |
サンバイオ | 1,123円 | +6円(+0.5%) |
ヘリオス | 746円 | -2円(-0.3%) |
ブライトパス・バイオ | 97円 | 0円(0.0%) |
窪田製薬ホールディングス | 148円 | -5円(-3.3%) |
ソレイジア・ファーマ | 88円 | +1円(+1.1%) |
Delta−Fly Pharma | 1,142円 | -10円(-0.9%) |
ステムリム | 736円 | +19円(+2.6%) |
メディシノバ | 372円 | -5円(-1.3%) |
ファンペップ | 216円 | -2円(-0.9%) |
ペルセウスプロテオミクス | 376円 | -2円(-0.5%) |
モダリス | 336円 | +14円(+4.3%) |
クリングルファーマ | 629円 | -4円(-0.6%) |
レナサイエンス | 430円 | -22円(-4.9%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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