1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株式市場は28銘柄中22銘柄が下落となりました。
日米の製薬株の値動きも芳しく無く、相場環境は極めて冷え込んでいます。
創薬株価指数でもその傾向が見て取れ、各指数で上昇トレンド時に形成したいくつかのサポートラインを割り込む形となり、金融市場の混乱、特に米国での金融引締に対する投資家心理が落ち着くまでは忍耐の時間を過ごすことになりそうです。
個別銘柄では、厳しい局面の中でも株価が落ち着きを見せたそーせいグループと、本日の下落率トップとなってしまったナノキャリアを取り上げます。
そーせいグループでは創業者の田村取締役会長が4月8日にLINK-J主催の「Miyaman’s Venture Talk vol.1」にゲスト登壇し、その動画が4月22日に公開されました。
同イベントは主に田村氏の人生(藤沢薬品工業入社〜そーせい創業〜経営から退いた現在)を振り返った話や、Heptares社買収などに関する裏話も含まれており、主催者が対象者を「次世代のバイオ産業を担うプレイヤー」とするように、投資家よりも起業家や研究者向けの内容となっています。
創業者が掲げる企業理念は創業来不変であるべきことのため、今後のそーせいを追って行く上で、経営から退いた田村氏の言葉をこのタイミングで聞くことは投資家にとっても意義のあることだと感じました。
ナノキャリアは昨年9月1日に耳抗菌薬「ENT103」による外耳炎及び中耳炎を適応とするフェーズ3試験において主要評価項目の達成を報告しましたが、この度ENT103の承認申請を完了させたことを発表しました。
ナノキャリアにとって初めての上市製品が再認識されるため、株価を押し上げる材料となりそうです。
対して、高分子ミセル制抗癌剤「NC-6004」による頭頸部癌を適応とするフェーズ2試験では、主要評価項目の達成が困難という理由で同試験の中止が決定しました。
材料の重要度としてはナノキャリアの主要技術(ミセル化ナノ粒子技術)が取り入れられているNC-6004の方が高いため、早期の財政基盤の強化を目的として開発が進められたENT103の承認申請完了の材料を考慮したとしても、同社の株価推移は難しい局面を迎えそうです。
なお、ナノキャリアのミセル化ナノ粒子技術やNC-004に関する詳細は「ナノキャリア|高分子ミセル制抗癌剤「NC-6004」の開発中止のインパクト」で解説しております。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【そーせいグループ】
・田村取締役会長登壇 「LINK-J Miyaman’s Venture Talk vol.1」(4月8日開催)動画配信のご案内
【ナノキャリア】
【シンバイオ製薬】
・当社取締役に対して発行する新株予約権(ストックオプション)の発行内容等確定に関するお知らせ
・当社従業員に対して発行する新株予約権(ストックオプション)の発行内容等確定に関するお知らせ
【ファンペップ】
・抗体誘導ペプチド「FPP003」の医師主導治験開始に関するお知らせ
3 創薬企業の株価指数
創薬株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 565円 | -6円(-1.14%) |
BR創薬株3種 | 1,579円 | -9円(-0.55%) |
BR創薬株7種 | 1,046円 | -9円(-0.89%) |
BR中型株指数 | 614円 | -10円(-1.58%) |
BR小型株指数 | 240円 | -4円(-1.82%) |
主要株価指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
TOPIX33業種別-医薬品 | 3,067円 | -12円(-0.37%) |
NASDAQ Biotechnology Index | 3,961米ドル | -91米ドル(-2.25%) |
日経平均株価 | 26,591円 | -514円(-1.90%) |
NASDAQ | 12,839米ドル | -335米ドル(-2.55%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 4銘柄 |
値下がり銘柄数 | 22銘柄 |
変わらず | 2銘柄 |
出来高 | 976万株 |
売買代金 | 570,847万円 |
時価総額 | 8,102億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,191円 | -30円(-2.5%) |
アンジェス | 355円 | -10円(-2.7%) |
オンコセラピー・サイエンス | 67円 | 0円(0.0%) |
そーせいグループ | 1,253円 | -4円(-0.3%) |
ナノキャリア | 240円 | -21円(-8.0%) |
カルナバイオサイエンス | 1,014円 | -10円(-1.0%) |
キャンバス | 179円 | 0円(0.0%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 206円 | -1円(-0.5%) |
ラクオリア創薬 | 760円 | -15円(-1.9%) |
シンバイオ製薬 | 683円 | -6円(-0.9%) |
カイオム・バイオサイエンス | 178円 | -2円(-1.1%) |
キッズウェル・バイオ | 464円 | -5円(-1.1%) |
ペプチドリーム | 1,925円 | -4円(-0.2%) |
オンコリスバイオファーマ | 593円 | -7円(-1.2%) |
リボミック | 186円 | -2円(-1.1%) |
サンバイオ | 1,117円 | -12円(-1.1%) |
ヘリオス | 748円 | -31円(-4.0%) |
ブライトパス・バイオ | 97円 | -1円(-1.0%) |
窪田製薬ホールディングス | 153円 | +1円(+0.7%) |
ソレイジア・ファーマ | 87円 | -1円(-1.1%) |
Delta−Fly Pharma | 1,152円 | -55円(-4.6%) |
ステムリム | 717円 | +12円(+1.7%) |
メディシノバ | 377円 | -8円(-2.1%) |
ファンペップ | 218円 | +2円(+0.9%) |
ペルセウスプロテオミクス | 378円 | +2円(+0.5%) |
モダリス | 322円 | -1円(-0.3%) |
クリングルファーマ | 633円 | -25円(-3.8%) |
レナサイエンス | 452円 | -24円(-5.0%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
当記事の内容がお気に召しましたら、皆様のフォロワーの方々へ共有して頂けると励みになります。
下部にあるシェアボタン(FacebookとTwitter)をクリックすることで簡単に当記事をシェア出来ますので、ご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます。