全面安の中、メディシノバのみが値を上げる カルナバイオサイエンスはGilead社による評価虚しく値は上がらず

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 1 創薬企業の相場概況

本日の創薬株式市場は28銘柄中、値を上げた銘柄はわずか1銘柄と、先週末に引き続き厳しい展開が続いています。

先週末の米国株式市場が大きく値を下げたことや、本日の日本株式市場も軟調であったことにつられた形となり、ほとんどの銘柄(25銘柄)が値を下げた格好です。

唯一上昇となったメディシノバは、4月15日に発売の(週刊誌)女性セブンにおいて『プロが選んだ「10倍株候補」』に選ばれたようですが、本日の上昇は為替動向を見据えたドル高期待による相対的な要因によるものと思われます。

ステムリム、モダリスはともにストックオプションの発行をお知らせしました。

また、それらはどちらも従業員や使用人に対するインセンティブ制度によるもののため、ただでさえストックオプション発行の影響が限定的である創薬株にとって、同インセンティブによるオプションの発行は株価に影響を与えないでしょう。

IR発表によって本日の株価上昇が期待されたのはカルナバイオサイエンスのみですが、残念ながら同社も株価下落となりました。

同発表は、Gilead社が行った投資家向けイベントにおいて、カルナバイオサイエンスがGilead社へ導出したキナーゼ阻害剤が、癌治療薬のファースト・イン・クラスとなる可能性を示唆したことです。

同阻害剤「GS-9911」に期待される役割はペプチドリームやブライトパス・バイオのPDC製品と同様に、まずは既存治療薬の弱点や、カバーしきれない作用を補完することであり、具体的には癌細胞を殺傷するCD8+T細胞の活動減衰を阻害する作用を有します。

このGS-9911はGilead社の抗癌剤ポートフォリオに含まれるzimberelimab(抗PD-1抗体)との併用や、Trodelvy(zimberelimabに抗腫瘍性化合物SN-38を複合したもの)との併用が見込まれています。

GS-9911に関する詳細は「カルナバイオ|導出品「GS-9911」がファースト・イン・クラスのポテンシャルとGilead社から評価」をご参考下さい。

そのため、Gilead社からの評価が高く、今後、優先的な開発が予想されるGS-9911への期待が、カルナバイオサイエンスへの買いを集めると見込んでおりました。

しかし、残念ながらその見込みは裏切られた格好となり、本日のカルナバイオサイエンスは株価を上げることは出来ませんでした。




 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【カルナバイオサイエンス】

当社が導出した新規DGKα阻害剤に関するギリアド社の発表について

【ステムリム】

新株予約権の発行内容確定に関するお知らせ

【メディシノバ】

四半期報告書の提出期限延長に関する書面提出のお知らせ

【モダリス】

ストック・オプション(新株予約権)の発行に関するお知らせ

ストック・オプション(新株予約権)の発行内容確定に関するお知らせ

 3 創薬企業の株価指数

主要指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 600円 -15円(-2.43%)
BR創薬株3種 1,719円 -35円(-1.98%)
BR創薬株7種 1,121円 -29円(-2.52%)
BR中型株指数 635円 -24円(-3.67%)
BR小型株指数 248円 -5円(-1.93%)

 4 創薬株価指数とテクニカル指標

創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 1銘柄
値下がり銘柄数 25銘柄
変わらず 2銘柄
出来高 831万株
売買代金 478,056万円
時価総額 8,603億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,305円 0円(0.0%)
アンジェス 374円 -14円(-3.6%)
オンコセラピー・サイエンス 69円 -1円(-1.4%)
そーせいグループ 1,334円 -26円(-1.9%)
ナノキャリア 267円 -4円(-1.5%)
カルナバイオサイエンス 1,051円 -16円(-1.5%)
キャンバス 179円 -4円(-2.2%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 208円 -3円(-1.4%)
ラクオリア創薬 796円 -27円(-3.3%)
シンバイオ製薬 710円 -8円(-1.1%)
カイオム・バイオサイエンス 184円 -2円(-1.1%)
キッズウェル・バイオ 462円 -15円(-3.1%)
ペプチドリーム 2,112円 -53円(-2.4%)
オンコリスバイオファーマ 626円 -25円(-3.8%)
リボミック 195円 -8円(-3.9%)
サンバイオ 1,112円 -49円(-4.2%)
ヘリオス 823円 -26円(-3.1%)
ブライトパス・バイオ 99円 0円(0.0%)
窪田製薬ホールディングス 152円 -2円(-1.3%)
ソレイジア・ファーマ 88円 -2円(-2.2%)
Delta−Fly Pharma 1,209円 -8円(-0.7%)
ステムリム 718円 -27円(-3.6%)
メディシノバ 396円 +7円(+1.8%)
ファンペップ 214円 -5円(-2.3%)
ペルセウスプロテオミクス 360円 -13円(-3.5%)
モダリス 344円 -21円(-5.8%)
クリングルファーマ 656円 -42円(-6.0%)
レナサイエンス 400円 -13円(-3.1%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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