クリングル・ファーマがHGFタンパク質による脊髄損傷フェーズ3治験とALSフェーズ2治験の結果発表時期に言及

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 1 創薬企業の相場概況

本日の創薬株式市場では28銘柄中17銘柄が値を下げ、2日間続いていた上昇相場から一転しました。

創薬平均株価は前日比1.8%安となりましたが、それは大型株の影響が大きく、中型株と小型株の下げは限定的でした。

個別銘柄ではクリングル・ファーマが前日に個人投資家向けIRセミナーを開催し、HGFタンパク質による脊髄損傷フェーズ3治験とALSフェーズ2治験の結果発表時期に言及しました。

脊髄損傷フェーズ3治験では患者の経過観察を2022年内に完了させ、データロックや解析を行い、2023年前半には結果を発表出来るとしています。

そして、医師主導治験であるALSフェーズ2治験では既にデータを解析しており、2022年中旬には結果を発表出来る見込みとしています。

また、脊髄損傷治験では急性期患者を対象としています。

条件付き早期承認を得たニプロ社のステミラック注は亜急性期(急性期の次の段階)を適応としているため、クリングル・ファーマのHGFタンパク質が承認されれば、急性期患者向けの国内で唯一の治療薬となります。

ただし、急性期はその性質上、累積患者数の増加が見込めないため、患者数は極めて少数です。

同患者は日本国内では年間5千人、日本や米国などの高度医療を行える国の合計でも年間6万人とされているため、市場規模が小さいことが同パイプラインの弱点でもあります。

そのため、クリングル・ファーマは慶應義塾大学とともに、HGFタンパク質とiPS細胞を組み合わせた併用療法による同疾患の慢性期患者を適応とする開発も進めています。

慢性期患者の数は急性期の20倍と大きく、大きな市場規模を有しています。

また、HGFタンパク質によるALS治療のメカニズムは既存治療薬や開発医薬品とは大きく異なり、下位運動ニューロンの保護をその主要作用としています。

例えば田辺三菱製薬社のエダラボンのように、脳神経細胞(上位運動ニューロン)の保護を主要作用とする開発治療薬が多いことを考えると、同作用は非常にユニークなものと言えます。

そして、ALSを適応とする開発治療薬では下肢を発症とするALSに対して有効性を発揮しにくい傾向があるため、HGFペプチドによる治療が下肢発症型ALS患者に対してどういった効果をもたらすかも注目点として上げられるでしょう。

ALS治療薬開発ではALSFRSスコアの変化量が主要評価項目として用いられ、それは運動機能を中心に構成されています。

そのため、ALS初期患者に対する下位運動ニューロン保護作用は、ALSFRSスコアの変化量を低減させる効果として非常に理にかなった作用と言えます。




 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【デ・ウエスタン・セラピテクス研究所】

譲渡制限付株式報酬としての新株式発行に関するお知らせ

【ブライトパス・バイオ】

BrightPath通信を掲載しました

【ステムリム】

従業員に対するストック・オプション(新株予約権)の発行に関するお知らせ

【クリングル・ファーマ】

個人投資家向けIRセミナー「プレミアムブリッジサロン」サロン動画が公開されました。

プレミアムブリッジサロン 4月2日IRセミナー説明資料。

 3 創薬企業の株価指数

主要指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 615円 -11円(-1.81%)
BR創薬株3種 1,754円 -55円(-3.05%)
BR創薬株7種 1,150円 -26円(-2.20%)
BR中型株指数 659円 -2円(-0.30%)
BR小型株指数 253円 -1円(-0.46%)

 4 創薬株価指数とテクニカル指標

創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 7銘柄
値下がり銘柄数 17銘柄
変わらず 4銘柄
出来高 800万株
売買代金 501,429万円
時価総額 8,813億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,305円 -27円(-2.0%)
アンジェス 388円 0円(0.0%)
オンコセラピー・サイエンス 70円 0円(0.0%)
そーせいグループ 1,360円 -32円(-2.3%)
ナノキャリア 271円 +2円(+0.7%)
カルナバイオサイエンス 1,067円 +34円(+3.3%)
キャンバス 183円 -1円(-0.5%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 211円 -2円(-0.9%)
ラクオリア創薬 823円 -25円(-2.9%)
シンバイオ製薬 718円 -16円(-2.2%)
カイオム・バイオサイエンス 186円 -6円(-3.1%)
キッズウェル・バイオ 477円 -3円(-0.6%)
ペプチドリーム 2,165円 -80円(-3.6%)
オンコリスバイオファーマ 651円 -6円(-0.9%)
リボミック 203円 +2円(+1.0%)
サンバイオ 1,161円 -15円(-1.3%)
ヘリオス 849円 +8円(+1.0%)
ブライトパス・バイオ 101円 0円(0.0%)
窪田製薬ホールディングス 154円 -4円(-2.5%)
ソレイジア・ファーマ 90円 +3円(+3.4%)
Delta−Fly Pharma 1,217円 +8円(+0.7%)
ステムリム 745円 -5円(-0.7%)
メディシノバ 389円 0円(0.0%)
ファンペップ 219円 -1円(-0.5%)
ペルセウスプロテオミクス 373円 -12円(-3.1%)
モダリス 365円 -1円(-0.3%)
クリングルファーマ 698円 +16円(+2.3%)
レナサイエンス 413円 -11円(-2.6%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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