ブライトパス・バイオがペプチドリームに続きPDC製品の開発を進める サンバイオはSB623の再生能力に疑問を抱く解析結果を発表

CATEGORY

 1 創薬企業の相場概況

創薬平均株価は2日続伸となりました。

28銘柄中24銘柄が値を上げ、全体的に買いが入りました。

大型株(BR創薬株3種)と小型株(BR小型株指数)は調整を終え再上昇となるかに注目が集まり、中型株(BR中型株指数)は下落トレンドが終わりを告げる兆候が出ています。

個別銘柄ではブライトパス・バイオが、カルナバイオサイエンスやオンコセラピー・サイエンスも参加した米国癌学会年次総会において、個別化ネオアンチゲン・ワクチン「BP1209」と、治療用抗体「BP1200」に関する非臨床試験の研究成果を発表しました。

癌の治療薬開発では癌細胞の変異による再発をいかに抑えるかが現在の課題であり、カルナバイオサイエンスもオンコセラピー・サイエンスも、癌の再発に対して有効な治療薬の開発を進めています(補足記事はコチラ)。

個別化ネオアンチゲン・ワクチンであるBP1209もその流れに乗っており、変異に対して有効な癌治療薬の一旦を担います。

BP1209の用途はペプチド・ドラッグコンジュゲート(PDC)と呼ばれ、抗体医薬品と併用することでその効力を発揮することであり、オンコセラピー・サイエンスが開発を行い失敗したペプチドワクチンとは異なる点に注意が必要です(「オンコセラピー|食道がんペプチドワクチンS-588410フェーズ3治験について」をご参考下さい)。

PDCはペプチドリームが現在力を入れている領域であり、ペプチドリームがBristol Myers Squibb社へ導出したPDC製品は非常に期待がなされています。

PDCは次世代の抗癌剤として業界でも非常に注目を集めている分野のため、BP1209に対する業界からの関心も同様に強くなるものと考えられます。

サンバイオが「SB623」による慢性期外傷性脳損傷(TBI)フェーズ2治験(STEMTRA)の最終解析結果についての説明会を機関投資家・アナリスト向けに実施しました。

同説明会ではこれまでに明らかになっていた評価項目の他、上肢機能評価であるARAT(Action Research Arm Tes)スコアや、NeuroQOLによる上肢・下肢のQOLスコアの変化量も詳細に提示されています。

上記2つのスコアによると、SB623は上肢の機能改善には働かないものの、下肢の機能改善には有効性を持つことを示しています。

しかし、脳損傷患者の大多数が下肢よりも上肢に重度の麻痺を引き起こすため、同結果は下肢にのみ機能改善を示すSB623の神経再生能力が限定的であることを示唆しています。

その他、SB623の能力が神経細胞の再生なのか、または、神経細胞への栄養供給に留まるのかなど、サンバイオが見込む作用機序とは異なる可能性も、投資家は考えなくてはなりません。

なお、SB623によるTBI治療薬開発に関して、シリーズとしてビジネスレポートを掲載しました。

詳細は下記にまとめる通りですので、是非ご覧下さい。

 

<サンバイオのSB623によるTBI治療薬開発について>

外傷性脳損傷治療薬『SB623』の市販後調査期間中における売上高の推定

外傷性脳損傷治療薬『SB623』の有効性に対する統計学的考察

『SB623』による外傷性脳損傷フェーズ3治験で有意な結果を出すために必要なエンロール数の統計学的推定(未修正プロトコル)

『SB623』による外傷性脳損傷フェーズ3治験で有意な結果を出すために必要なエンロール数の統計学的推定(修正プロトコル)

〈米国神経学会の発表に向けて〉米国における外傷性脳損傷治療薬『SB623』の承認申請に必要なこと




 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【ラクオリア創薬】

胃食道逆流症治療薬tegoprazanの中国における製造販売承認に関するお知らせ

【サンバイオ】

アナリスト・機関投資家向け説明会を開催

【ブライトパス・バイオ】

がん免疫療法の有効性を高めるCD73に対する新しい治療用抗体(BP1200)の非臨床試験結果をAACR 2022で発表しました

個別化ネオアンチゲン・ワクチン(BP1209)の抗腫瘍効果に関する非臨床研究成果について AACR 2022 で発表しました

【メディシノバ】

MN-166(イブジラスト)の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)リスクを有する重症COVID-19入院患者を対象とするフェーズ2臨床治験の患者登録完了に関するお知らせ

 3 創薬企業の株価指数

主要指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 626円 +6円(+1.00%)
BR創薬株3種 1,809円 +7円(+0.37%)
BR創薬株7種 1,175円 +11円(+0.98%)
BR中型株指数 661円 +15円(+2.37%)
BR小型株指数 254円 +3円(+1.12%)

 4 創薬株価指数とテクニカル指標

創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 21銘柄
値下がり銘柄数 6銘柄
変わらず 1銘柄
出来高 886万株
売買代金 618,286万円
時価総額 8,972億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,332円 +32円(+2.5%)
アンジェス 388円 +14円(+3.7%)
オンコセラピー・サイエンス 70円 +1円(+1.4%)
そーせいグループ 1,392円 +4円(+0.3%)
ナノキャリア 269円 +4円(+1.5%)
カルナバイオサイエンス 1,033円 +15円(+1.5%)
キャンバス 184円 +3円(+1.7%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 213円 0円(0.0%)
ラクオリア創薬 848円 -12円(-1.4%)
シンバイオ製薬 734円 +10円(+1.4%)
カイオム・バイオサイエンス 192円 +5円(+2.7%)
キッズウェル・バイオ 480円 +22円(+4.8%)
ペプチドリーム 2,245円 -1円(0.0%)
オンコリスバイオファーマ 657円 +7円(+1.1%)
リボミック 201円 -1円(-0.5%)
サンバイオ 1,176円 +8円(+0.7%)
ヘリオス 841円 +24円(+2.9%)
ブライトパス・バイオ 101円 +1円(+1.0%)
窪田製薬ホールディングス 158円 +1円(+0.6%)
ソレイジア・ファーマ 87円 +1円(+1.2%)
Delta−Fly Pharma 1,209円 +2円(+0.2%)
ステムリム 750円 +17円(+2.3%)
メディシノバ 389円 +6円(+1.6%)
ファンペップ 220円 +2円(+0.9%)
ペルセウスプロテオミクス 385円 -5円(-1.3%)
モダリス 366円 +4円(+1.1%)
クリングルファーマ 682円 -3円(-0.4%)
レナサイエンス 424円 -3円(-0.7%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

当記事の内容がお気に召しましたら、皆様のフォロワーの方々へ共有して頂けると励みになります。

下部にあるシェアボタン(FacebookとTwitter)をクリックすることで簡単に当記事をシェア出来ますので、ご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます。

創薬企業の重要事象の解説

















創薬企業の毎日の動き