1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株式市場は昨日に引き続き軟調であり、28銘柄中24銘柄が値を下げる展開となりました。
その中でも、再生医療関連銘柄(アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム)はこれまでの経緯もあり、下げ幅は限定的なものでした。
対して、小型株では3%以上の下落となる銘柄が目立ち、モダリスに至っては7%を超える下げ幅となりました。
小型株は大型株・中型株に比べて直近のトレンドが良好であったため、利益確定の売りも出やすい状況が続いています。
しかし、BR小型株指数はサポートラインとなる240円に十分に接近しているため、明日の反発が望まれます。
個別銘柄では本日値を下げなかったオンコセラピー・サイエンスが、急性骨髄性白血病(AML)治療薬の研究結果を米国癌学会年次総会において、治療の課題である再発性AMLに対して有効な新規化合物OTS447を発見したことをポスター発表しています。
AMLは世界で最も患者数の多い急性白血病で、全世界では16万人の患者が存在します。
オンコセラピーがどの地域で臨床試験を行うかは未定ですが、日本でのAML患者数は総計約7,000人であるため、新規患者数が年間2万人と言われる米国での試験実施の方が有力です。
FLT3阻害剤であるOTS447の競合医薬品は複数存在し、承認医薬品ではNovartis社のRYDAPT、開発品では富士フィルム社のFF-10101-01が上げられます。
RYDAPTはその治療法上、患者一人あたりに見込める最大売上高は約600万円ですが、新規患者数に対する再発患者(約3割)のみを対象とした場合でも、年間売上高360億円(最大)の規模を見込める治療薬です。
富士フィルム社はFF-10101-01を用いて米国でフェーズ1/2治験を行っています。
主要評価項目のデータ取得完了が今年6月と予定されているため、オンコセラピーはその結果を見てから開発の可否を判断するでしょうか。
いずれにせよ、Rydaptの治療効果(再発AML患者に対して生存期間4年延長と寛解期間3年延長)が開発の上での一つの指標となります。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【ジーエヌアイグループ】
・フィナンシャル・タイムズ紙「High-Growth Companies Asia-Pacific 2022」3年連続ランクイン
【オンコセラピー・サイエンス】
【サンバイオ】
【ヘリオス】
・ストック・オプション(新株予約権)の発行内容確定に関するお知らせ
【ブライトパス・バイオ】
・個別化ネオアンチゲンワクチン(BP1209)の抗原予測アルゴリズムについて AACR 2022で発表しました
・BP2301(HER2 CAR-T細胞療法)の固形がんを対象とした非臨床研究成果について AACR 2022で発表しました
【ソレイジア・ファーマ】
・株式会社HikariQ Healthとの資本業務提携契約締結に関するお知らせ
【メディシノバ】
・MN-001(タイペルカスト)のNAFLD・2型糖尿病・高中性脂肪血症を併発する患者を対象とするフェーズ2臨床治験計画に関するお知らせ~FDAによる臨床治験プロトコル審査完了~
3 創薬企業の株価指数
主要指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 604円 | -14円(-2.24%) |
BR創薬株3種 | 1,739円 | -52円(-2.89%) |
BR創薬株7種 | 1,133円 | -26円(-2.27%) |
BR中型株指数 | 641円 | -6円(-0.90%) |
BR小型株指数 | 246円 | -5円(-1.93%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 1銘柄 |
値下がり銘柄数 | 24銘柄 |
変わらず | 3銘柄 |
出来高 | 875万株 |
売買代金 | 511,819万円 |
時価総額 | 8,654億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,294円 | -30円(-2.3%) |
アンジェス | 372円 | -2円(-0.5%) |
オンコセラピー・サイエンス | 70円 | 0円(0.0%) |
そーせいグループ | 1,366円 | -24円(-1.7%) |
ナノキャリア | 265円 | 0円(0.0%) |
カルナバイオサイエンス | 1,023円 | +4円(+0.4%) |
キャンバス | 178円 | -2円(-1.1%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 212円 | -1円(-0.5%) |
ラクオリア創薬 | 806円 | -9円(-1.1%) |
シンバイオ製薬 | 698円 | -8円(-1.1%) |
カイオム・バイオサイエンス | 183円 | -4円(-2.1%) |
キッズウェル・バイオ | 446円 | -10円(-2.2%) |
ペプチドリーム | 2,136円 | -77円(-3.5%) |
オンコリスバイオファーマ | 634円 | -21円(-3.2%) |
リボミック | 197円 | -5円(-2.5%) |
サンバイオ | 1,164円 | -10円(-0.9%) |
ヘリオス | 808円 | -8円(-1.0%) |
ブライトパス・バイオ | 99円 | 0円(0.0%) |
窪田製薬ホールディングス | 155円 | -5円(-3.1%) |
ソレイジア・ファーマ | 84円 | -2円(-2.3%) |
Delta−Fly Pharma | 1,157円 | -29円(-2.4%) |
ステムリム | 723円 | -10円(-1.4%) |
メディシノバ | 372円 | -13円(-3.4%) |
ファンペップ | 218円 | -6円(-2.7%) |
ペルセウスプロテオミクス | 386円 | -11円(-2.8%) |
モダリス | 349円 | -28円(-7.4%) |
クリングルファーマ | 676円 | -27円(-3.8%) |
レナサイエンス | 409円 | -15円(-3.5%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
当記事の内容がお気に召しましたら、皆様のフォロワーの方々へ共有して頂けると励みになります。
下部にあるシェアボタン(FacebookとTwitter)をクリックすることで簡単に当記事をシェア出来ますので、ご協力の程何卒よろしくお願い申し上げます。