1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株式市場は28銘柄中25銘柄が値を下げましたが、とりわけ再生医療関連銘柄(アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム)は後場から持ち直し、明日へつながるトレンドを形成しました。
再生医療関連銘柄は大型株や小型株に対して一人負けの状態が続いており、同銘柄が該当するBR中型株指数や個別でも株価が下落する傾向がありました。
そのため、再生医療関連銘柄に対する冷え切った投資家マインドの反転兆候が見られたのは朗報です。
個別銘柄ではメディシノバの強さが目立っています。
最近の際立った強さの源泉の所在はメディシノバが米国籍企業であるが故、ロシア-ウクライナ情勢による円安相場の為替リスクをヘッジ出来る点にあるとも考えました。
しかしながら、英国籍で巨額の売上高を計上するHeptares社を傘下に持つそーせいや、複数の中国籍企業を参加に持ち、安定的な治療薬販売収入のあるGNIがイマイチ波に乗れていない現状を考えると、為替リスクヘッジの可否による株価の上昇は整合性が取れません。
そのため、今年のメディシノバは複数のパイプラインの治験結果発表が予定されていることから、その結果にbetする投資家が徐々に増えて来ていることが最近の株価上昇へと繋がっていると思われます。
例えば公衆衛生上の緊急事態に対する医学的対策(MCMs)に基づく塩素ガス肺損傷パイプラインの動物試験結果はそろそろ発表されると期待され、同結果が有効性を示した場合、FDAへの承認申請を行う可能性が高いです。
塩素ガス肺損傷は化学兵器によって被害に合うケースも想定の範囲内であるため、ロシア-ウクライナ情勢から来る話題性も十分でしょう。
メディシノバはヘリオスと同様にARDS(Covid-19起因)治験も行っています。
ヘリオスは日本国内での早期承認制度を活用したARDS治療薬の早期承認を目指していましたが、先週の発表により、予定より申請まで時間がかかることを公示しました。
メディシノバも米国においてヘリオスと同様に同治療薬の早期流通を期待させたことがあります(ARDS治療薬のコンパッショネート・ユース(未承認薬の使用)に言及)。
現在に至っても同期待は叶っていませんが、ARDS治験の結果が今年中にも発表されるため、新たなARDSパイプラインに対する期待が生まれた格好です。
その他、グリオブラストーマ治験やアルコール依存症治験、ALS治験(中間)などの結果発表も見込まれます。
創薬株の一番のイベントは治験の結果発表ですので、そのイベントを直近で数多く持つメディシノバに、投資家の注目が集まっているものと思われます。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【そーせいグループ】
・事後交付型株式報酬(リストリクテッド・ストック・ユニット(RSU))制度に基づく新株式発行の発行価額等の決定に関するお知らせ
【シンバイオ製薬】
【サンバイオ】
・4月7日付、NurologyLiveにSTEMTRA試験の最終解析結果に関するピーター・マカリスタ医師のインタビューが掲載されました。
【窪田製薬ホールディングス】
3 創薬企業の株価指数
主要指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 617円 | -13円(-2.03%) |
BR創薬株3種 | 1,791円 | -48円(-2.63%) |
BR創薬株7種 | 1,159円 | -25円(-2.10%) |
BR中型株指数 | 647円 | -6円(-0.88%) |
BR小型株指数 | 251円 | -4円(-1.64%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 3銘柄 |
値下がり銘柄数 | 25銘柄 |
変わらず | 0銘柄 |
出来高 | 965万株 |
売買代金 | 611,906万円 |
時価総額 | 8,848億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,324円 | -22円(-1.6%) |
アンジェス | 374円 | -3円(-0.8%) |
オンコセラピー・サイエンス | 70円 | -1円(-1.4%) |
そーせいグループ | 1,390円 | -34円(-2.4%) |
ナノキャリア | 265円 | -5円(-1.9%) |
カルナバイオサイエンス | 1,019円 | -25円(-2.4%) |
キャンバス | 180円 | -5円(-2.7%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 213円 | -2円(-0.9%) |
ラクオリア創薬 | 815円 | -35円(-4.1%) |
シンバイオ製薬 | 706円 | -11円(-1.5%) |
カイオム・バイオサイエンス | 187円 | -1円(-0.5%) |
キッズウェル・バイオ | 456円 | -8円(-1.7%) |
ペプチドリーム | 2,213円 | -67円(-2.9%) |
オンコリスバイオファーマ | 655円 | -4円(-0.6%) |
リボミック | 202円 | -6円(-2.9%) |
サンバイオ | 1,174円 | +4円(+0.3%) |
ヘリオス | 816円 | -5円(-0.6%) |
ブライトパス・バイオ | 99円 | -5円(-4.8%) |
窪田製薬ホールディングス | 160円 | +2円(+1.3%) |
ソレイジア・ファーマ | 86円 | -4円(-4.4%) |
Delta−Fly Pharma | 1,186円 | -21円(-1.7%) |
ステムリム | 733円 | -22円(-2.9%) |
メディシノバ | 385円 | +10円(+2.7%) |
ファンペップ | 224円 | -1円(-0.4%) |
ペルセウスプロテオミクス | 397円 | -4円(-1.0%) |
モダリス | 377円 | -10円(-2.6%) |
クリングルファーマ | 703円 | -16円(-2.2%) |
レナサイエンス | 424円 | -12円(-2.8%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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