1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株式市場は28銘柄中24銘柄が値を上げ、上昇幅も4%に迫る勢いでした。
上昇を牽引したのは前日比+10%超えとなったアンジェス(前日比+12.8%)とモダリス(前日比+10.0%)の2銘柄です。
この2社の共通点はゲノム編集技術の一種であるCRISPER-Cas9を基盤とする研究開発を行っている点であり、前日の米国市場でのゲノム編集技術関連銘柄(Crispr社やEditas社など)の上昇の影響を受けたものと考えられます。
また、アンジェスとモダリスの技術はCRISPER-Cas9の安全性の課題の一つであるオフターゲット効果(ゲノム配列のターゲットと異なるポイントの切断)の回避が特徴です。
オフターゲット効果の回避に関しては、3大リーディングカンパニー(Crispr社、Editas社、Intellia社)のうち、Editas社が最も力を入れており、安全性に関してはアンジェスとモダリスはEditas社と同じ方向を向いて開発を行っています。
米国市場ではキング・ファイサル国際賞によってゲノム編集技術関連銘柄が息を吹き返しました。
その良い流れをアンジェスとモダリスが今後も掴めるかに注目です。
ヘリオスは昨日、PMDA(医薬品医療機器総合機構)からARDSに対するHLCM051の追加データを求められたことによって大幅に株価を下げましたが、本日はプラスへと転じました。
詳しい内容は「ヘリオスはPMDAの審査の前提を見誤る形に。HLCM051の解析方法が論点。」で述べた通りですが、ARDSに対するHLCM051の有効性は希望の持てるものだと投資家が再認識したことが、本日の株価が反転した理由だと考えています。
ペプチドリームは力を入れていたESG(環境、社会、ガバナンス)への取り組みが評価され、FTSE Russell社が販売するFTSE Blossom Japan Indexへ採用されました。
ペプチドリームのFTSE Blossom Japan Indexにおける構成比率は0.07%と微小なものの、日本の年金基金であるGPIFは同指数に連動した運用を7,600億円で開始しました。
そのため、GPIFだけでも50億円を超える資金がペプチドリームへ流入し、その資金は時価総額の1.5%分に相当します。
その他、世界最大の資産運用会社であるBlackRock社のiSharesの他、様々な投資信託への採用が見込まれます。
本日ペプチドリームは6.3%値を上げましたが、同指数への採用は現在の時価総額の10%程度としても大き過ぎるということは無いように思えます。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【キャンバス】
【キッズウェル・バイオ】
・連結子会社に対する債権放棄及び同連結子会社の異動を伴う株式会社メトセラとの株式譲渡契約及び株式引受契約書の締結並びに資金使途変更等のお知らせ
【ペプチドリーム】
・「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」構成銘柄として選定
【ヘリオス】
・体性幹細胞再生医薬品HLCM051を用いた脳梗塞急性期治験に関する365日後の経過観察データ収集完了のお知らせ
・体性幹細胞再生医薬品HLCM051を用いたARDS治験に関する承認申請状況について
3 創薬企業の株価指数
主要指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 654円 | +25円(+3.89%) |
BR創薬株3種 | 1,902円 | +86円(+4.75%) |
BR創薬株7種 | 1,235円 | +54円(+4.59%) |
BR中型株指数 | 695円 | +28円(+4.22%) |
BR小型株指数 | 261円 | +6円(+2.36%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 24銘柄 |
値下がり銘柄数 | 4銘柄 |
変わらず | 0銘柄 |
出来高 | 2,627万株 |
売買代金 | 1,338,673万円 |
時価総額 | 9,375億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,459円 | +53円(+3.8%) |
アンジェス | 396円 | +45円(+12.8%) |
オンコセラピー・サイエンス | 72円 | -1円(-1.4%) |
そーせいグループ | 1,463円 | +23円(+1.6%) |
ナノキャリア | 278円 | +8円(+3.0%) |
カルナバイオサイエンス | 1,046円 | +11円(+1.1%) |
キャンバス | 200円 | +9円(+4.7%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 221円 | +6円(+2.8%) |
ラクオリア創薬 | 849円 | +24円(+2.9%) |
シンバイオ製薬 | 760円 | -6円(-0.8%) |
カイオム・バイオサイエンス | 197円 | +10円(+5.3%) |
キッズウェル・バイオ | 470円 | -4円(-0.8%) |
ペプチドリーム | 2,338円 | +138円(+6.3%) |
オンコリスバイオファーマ | 685円 | +32円(+4.9%) |
リボミック | 216円 | +6円(+2.9%) |
サンバイオ | 1,206円 | +15円(+1.3%) |
ヘリオス | 905円 | +11円(+1.2%) |
ブライトパス・バイオ | 103円 | +6円(+6.2%) |
窪田製薬ホールディングス | 168円 | +5円(+3.1%) |
ソレイジア・ファーマ | 91円 | +3円(+3.4%) |
Delta−Fly Pharma | 1,250円 | +18円(+1.5%) |
ステムリム | 823円 | +12円(+1.5%) |
メディシノバ | 343円 | +17円(+5.2%) |
ファンペップ | 225円 | +4円(+1.8%) |
ペルセウスプロテオミクス | 417円 | -9円(-2.1%) |
モダリス | 430円 | +39円(+10.0%) |
クリングルファーマ | 815円 | +6円(+0.7%) |
レナサイエンス | 455円 | +8円(+1.8%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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