5銘柄(カルナバイオ、キャンバス、キッズウェル、窪田製薬、クリングル)のMSワラント行使が軟調な理由と行使が活発になる条件

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 1 創薬企業の相場概況

本日から東京証券取引所の市場区分が変更され、創薬株の営業利益(または、営業キャッシュフロー)に関する恒常的な上場廃止リスクが低下したことは喜ばしいことではないでしょうか。

そのような中、本日は28銘柄中19銘柄が値を上げ、大型株(BR創薬株3種)と小型株(BR小型株指数)は過熱感に伴う売り圧力に耐えている状況です。

同指数はあと4日この状態を維持し続けると過熱感が落ち着き、2段階目の上昇トレンドへと繋がる可能性があります。

個別では前日にMSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)の行使状況を報告した銘柄が目立ちました。

(行使状況を報告した9銘柄:GNI、カルナバイオサイエンス、キャンバス、キッズウェル・バイオ、サンバイオ、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、クリングル・ファーマ)

MSワラント行使状況(作成:バイオテックレポート)

2022年に入ってからMSワラントを発行したサンバイオ、ブライトパス・バイオ、ソレイジア・ファーマを除いた6社のMSワラント3月分行使数は軟調でしたが、これは売買代金の小ささが関連してそうです。

発行企業の立場では、第三者割当によるMSワラントは一般的な同割当によるストックオプションに対し、資金調達の不十分性と不確実性を低減する狙いがあります。

対して、割当先の立場では、オプション行使と取得株売却の2つのプロセスを通じて利益を得ることが目的のため、条件1:株価が行使価額を上回っていること、そして、条件2:売却額が行使価額を上回っていること、が目的達成に必要です。

しかし、MSワラントは値動きの大きな小型株で採用されることが多く、時期によっては流動性が担保されないことが往々にしてあり、その場合、自己の売却によって株価を下落させてしまうリスクが生まれます。

このようなケースでは条件2を満たすことが難しくなるため、MSワラントによって条件1を満たしているとしても、オプションが行使されないという状況が生まれます。

上記6社から大型株かつ未だオプション未行使のGNIを除く小型株5社では、まさにこの状況が生まれており(BR小型株指数の25日移動平均売買代金は2020年以降の最低水準)、そのために行使数が少なかったと考えられます。

BR小型株指数の売買代金(作成:バイオテックレポート)

BR小型株指数は上昇トレンドへ転じており、株価は堅調に推移することが期待されますが、それと同時に売買代金も増えてくると、MSワラント行使が増え、上昇の勢いが削がれるリスクが考えられます。

そのため、今後売買代金が増えて来た場合には注意が必要です。

特にクリングル・ファーマ以外は残高が50%を超えているため、まとまった行使が増えることも考えられます。

窪田製薬ホールディングスは唯一年内に行使期限を迎えるため、売買代金が増えた場合にはより一層の注意が必要です。




 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【ジーエヌアイグループ】

第47回新株予約権(行使価額修正条項付)の月間行使状況に関するお知らせ

【そーせいグループ】

事後交付型株式報酬(リストリクテッド・ストック・ユニット(RSU))制度に基づく新株式発行の発行価額等の決定に関するお知らせ

【カルナバイオサイエンス】

行使価額修正条項付第19回新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ

【キャンバス】

会社プレゼンテーション資料(2022年4月版)の配信を開始しました。

CBP501臨床第2相試験 月間進捗状況の公表について

第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ

【シンバイオ製薬】

(訂正)「事業計画及び成長可能性に関する事項」の一部訂正について

国立がん研究センターと希少がんに関わる共同研究契約の締結について

【キッズウェル・バイオ】

第三者割当による無担保転換社債型新株予約権付社債並びに新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ

【サンバイオ】

行使価額修正条項付新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ

【ヘリオス】

東京大学医科学研究所再生医学分野とユニバーサルドナーセルを用いた肝臓原基の製造法開発に関する共同研究契約締結のお知らせ

【ブライトパス・バイオ】

行使価額修正条項付き第15回新株予約権(第三者割当て)の月間行使状況に関するお知らせ

【窪田製薬ホールディングス】

第25回新株予約権(行使価格修正条項付)の月間行使状況に関するお知らせ

【ソレイジア・ファーマ】

行使価額修正条項付第13回新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ

【ファンペップ】

熊本大学との共同研究開始のお知らせ

【モダリス】

第6回定時株主総会 質疑応答要旨

【クリングル・ファーマ】

行使価額修正条項付新株予約権の月間行使状況に関するお知らせ

 3 創薬企業の株価指数

主要指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 629円 +1円(+0.08%)
BR創薬株3種 1,815円 +41円(+2.29%)
BR創薬株7種 1,181円 -3円(-0.28%)
BR中型株指数 666円 -39円(-5.52%)
BR小型株指数 255円 +3円(+1.22%)

 4 創薬株価指数とテクニカル指標

創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 19銘柄
値下がり銘柄数 9銘柄
変わらず 0銘柄
出来高 1,368万株
売買代金 808,200万円
時価総額 9,010億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,406円 +21円(+1.5%)
アンジェス 351円 -4円(-1.1%)
オンコセラピー・サイエンス 73円 +3円(+4.3%)
そーせいグループ 1,440円 +37円(+2.6%)
ナノキャリア 270円 +5円(+1.9%)
カルナバイオサイエンス 1,035円 -1円(-0.1%)
キャンバス 191円 -1円(-0.5%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 215円 +1円(+0.5%)
ラクオリア創薬 825円 +17円(+2.1%)
シンバイオ製薬 766円 -2円(-0.3%)
カイオム・バイオサイエンス 187円 -1円(-0.5%)
キッズウェル・バイオ 474円 +12円(+2.6%)
ペプチドリーム 2,200円 +50円(+2.3%)
オンコリスバイオファーマ 653円 +3円(+0.5%)
リボミック 210円 +5円(+2.4%)
サンバイオ 1,191円 +7円(+0.6%)
ヘリオス 894円 -225円(-20.1%)
ブライトパス・バイオ 97円 -3円(-3.0%)
窪田製薬ホールディングス 163円 +1円(+0.6%)
ソレイジア・ファーマ 88円 +1円(+1.1%)
Delta−Fly Pharma 1,232円 -18円(-1.4%)
ステムリム 811円 +4円(+0.5%)
メディシノバ 326円 +9円(+2.8%)
ファンペップ 221円 -6円(-2.6%)
ペルセウスプロテオミクス 426円 +11円(+2.7%)
モダリス 391円 +16円(+4.3%)
クリングルファーマ 809円 +1円(+0.1%)
レナサイエンス 447円 +2円(+0.4%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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