GNIとペプチドリームは投資家の見栄え良く ステムリムは再評価の定着に注目 モダリスは話題性を活かしたい

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 1 創薬企業の相場概況

本日の創薬株式市場は28銘柄中17銘柄が上昇し、創薬平均株価は3日続伸となりました。

大型株指数のBR創薬株3種ではGNIとペプチドリームが値を上げたものの、そーせいの下落が響き、結果として前日比-0.32%の微減となりました。

値を上げた上記2銘柄は前日にIRを更新し、GNIでは執行役の異動について公表し、ペプチドリームは株主通信を発行しました。

GNIの執行役の異動については、米国子会社のCullgen社で取締役代表執行役を勤めるトーマス・イーストリングが代表執行役の権限を返上しました。

これによって、これまで3名が取締役と執行役を兼任する構図が2名へと変わり、同兼任を嫌う米国に対するガバナンスの見栄えは良くなりました。

ペプチドリームの株主通信では事業の将来像をイメージしやすく、新たな投資家を意識した内容に感じました。

株価を上げるためには新規の投資家を呼び込む必要がありますが、投資家にとっては創薬企業のパイプラインや創薬プラットフォームの価値評価が難しいことが難点です。

その点、ペプチドリームの株主通信はとても上手にまとめられており、新たな投資家がペプチドリームを調べるキッカケ作りとして機能すると思います。

中型株ではステムリムが強く、昨日と今日とで13%程度の株価上昇となりました。

ステムリムはレダセムチドの懸念材料であった、間葉系幹細胞の発現数と脳神経細胞への栄養供給の程度を、急性期脳梗塞フェーズ2治験のポジティブな結果を以て払拭しました。

レダセムチドによる急性期脳梗塞フェーズ3治験の実施も予定されており、注目度は今後更に高まって行くものと思われます。

なお、レダセムチドの価値は同脳梗塞フェーズ2治験の前後で格段に向上していると考えており、その背景には再生力が極めて高い皮膚を治療対象とするものか、再生力が乏しい脳神経も治療対象となり得るのか、という命題をクリアしたことから始まります。

小型株では前日に大幅な株価を上げたモダリスが、本日は値を下げました。

米国市場において、前日のゲノム編集技術銘柄である3社(Intellia Therapeutics社、Sangamo Therapeutics社、Editas社)が5%前後の下落となったことがモダリスの株価下落に繋がったと考えられます。

しかし、2日目にして株価を下げたとは言え、長期スパンで注目度が薄れていたゲノム編集技術銘柄にとっては再度注目が集める機会を得られたことは意義のあることだと思います。




 2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)

【ジーエヌアイグループ】

取締役代表執行役の異動に関するお知らせ

【シンバイオ製薬】

第17期定時株主総会における議決権行使の集計結果に関するお知らせ

臨時報告書

【ペプチドリーム】

株主通信(2021年12月)

【オンコリスバイオファーマ】

定時株主総会の決議結果に関するお知らせ

【リボミック】

滲出型加齢黄斑変性(wet AMD)を対象としたRBM-007の臨床試験結果に関する補足説明

【ブライトパス・バイオ】

業績予想の修正に関するお知らせ

【ファンペップ】

2021年12月期 有価証券報告書

2021年12月期 株主通信

第9期定時株主総会決議通知

 3 創薬企業の株価指数

主要指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 637円 +3円(+0.40%)
BR創薬株3種 1,798円 -6円(-0.32%)
BR創薬株7種 1,202円 +4円(+0.29%)
BR中型株指数 719円 +11円(+1.56%)
BR小型株指数 254円 +2円(+0.74%)

 4 創薬株価指数とテクニカル指標

創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 17銘柄
値下がり銘柄数 8銘柄
変わらず 3銘柄
出来高 1,440万株
売買代金 792,631万円
時価総額 9,127億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,393円 +3円(+0.2%)
アンジェス 359円 +11円(+3.2%)
オンコセラピー・サイエンス 69円 0円(0.0%)
そーせいグループ 1,415円 -33円(-2.3%)
ナノキャリア 258円 +1円(+0.4%)
カルナバイオサイエンス 1,048円 +7円(+0.7%)
キャンバス 190円 +5円(+2.7%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 218円 +7円(+3.3%)
ラクオリア創薬 815円 0円(0.0%)
シンバイオ製薬 783円 +12円(+1.6%)
カイオム・バイオサイエンス 186円 -2円(-1.1%)
キッズウェル・バイオ 460円 +10円(+2.2%)
ペプチドリーム 2,186円 +8円(+0.4%)
オンコリスバイオファーマ 669円 +15円(+2.3%)
リボミック 210円 -6円(-2.8%)
サンバイオ 1,205円 +6円(+0.5%)
ヘリオス 1,163円 -14円(-1.2%)
ブライトパス・バイオ 103円 +3円(+3.0%)
窪田製薬ホールディングス 157円 +3円(+1.9%)
ソレイジア・ファーマ 86円 +3円(+3.6%)
Delta−Fly Pharma 1,280円 -15円(-1.2%)
ステムリム 812円 +39円(+5.0%)
メディシノバ 328円 +5円(+1.5%)
ファンペップ 231円 0円(0.0%)
ペルセウスプロテオミクス 416円 +15円(+3.7%)
モダリス 398円 -17円(-4.1%)
クリングルファーマ 808円 -12円(-1.5%)
レナサイエンス 446円 -8円(-1.8%)

 6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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