1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株式市場は28銘柄中21銘柄が値を上げる力強い展開となりました。
GNI・そーせい・ペプチドリームで構成する大型株指数(BR創薬株3種)の前日の下げが調整によるものと申し上げましたが、本日の推移を見る限り、調整を挟んで上昇トレンドは継続しているように思います。
小型株(BR小型株指数)も240円のサポートラインが意識されましたが、大型株同様に値を上げ、持ち直しています。
しかしながら、小型株は過熱感が大分高まってきたため、下降トレンドとはならないものの、調整局面を迎える可能性は大いにあります。
中型株指数ではアンジェスが前日比6.2%高と牽引しました。
アンジェスは移動平均線(5日・25日)でゴールデンクロスを形成し、パラボリックでは上昇トレンドを示しています。
そして、一目均衡表では既に転換線が基準線を上回り、遅行線もゴールデンクロスを形成していました。
その勢いのまま、アンジェス株は本日雲の中に突入しました。
その他の代表的なテクニカル指標(MACDやDMIなど)においても上昇トレンドのサインが出ています。
事業進捗の観点では、ブライトパス・バイオが前日に癌ペプチドワクチン「GRN-1201」の開発に遅れが生じていることを発表しています。
癌ペプチドワクチンというと、オンコセラピー・サイエンス社が真っ先に頭に浮かびますが、同社は3種の癌ペプチドワクチン開発に失敗した背景があり、創薬業界も癌ペプチドワクチンの有効性に対して懐疑的です。
なお、3種の同ワクチン開発に失敗したオンコセラピー・サイエンスは現在、免疫チェックポイント阻害剤との併用による4種目のワクチン「OTSGC-A24」の開発(フェーズ1)を進めています。
ブライトパス・バイオのGRN-1201も免疫チェックポイント阻害剤との併用によるものなので、OTSGC-A24の動向も合わせて確認が必要です。
ペプチドリーム社も癌を適応とするペプチド治療薬(Bristol Myers Squibb社へ導出済)を開発していますが、その作用はPD-L1阻害であり、上記2社のペプチドワクチンとは作用が異なります。
癌の治療法は、癌を殺傷する作用と、癌の防衛反応を阻害する作用に分けられます。
ブライトパス・バイオとオンコセラピー・サイエンスの治療法は前者であり、ペプチドリームのそれは後者に該当します。
なお、今回のGRN-1201の開発の遅れは半年程度であり、その旨を丁寧に報告したIRの取り組みは評価される点でしょう。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【ジーエヌアイグループ】
【デ・ウエスタン・セラピテクス研究所】
【ラクオリア創薬】
・内部統制報告書-第14期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)
・有価証券報告書-第14期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)
【ペプチドリーム】
・富士フイルム富山化学株式会社の放射性医薬品事業の取得完了に関するお知らせ
【ヘリオス】
【ブライトパス・バイオ】
・がんペプチドワクチンGRN-1201の米国第2相臨床試験の最新状況について
【ソレイジア・ファーマ】
3 創薬企業の株価指数
主要指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 620円 | +11円(+1.77%) |
BR創薬株3種 | 1,773円 | +40円(+2.33%) |
BR創薬株7種 | 1,177円 | +24円(+2.10%) |
BR中型株指数 | 693円 | +11円(+1.62%) |
BR小型株指数 | 244円 | +2円(+0.84%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 21銘柄 |
値下がり銘柄数 | 5銘柄 |
変わらず | 2銘柄 |
出来高 | 1,108万株 |
売買代金 | 632,089万円 |
時価総額 | 8,888億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,383円 | +35円(+2.6%) |
アンジェス | 342円 | +20円(+6.2%) |
オンコセラピー・サイエンス | 67円 | 0円(0.0%) |
そーせいグループ | 1,454円 | +14円(+1.0%) |
ナノキャリア | 251円 | +3円(+1.2%) |
カルナバイオサイエンス | 1,030円 | +10円(+1.0%) |
キャンバス | 186円 | +7円(+3.9%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 216円 | +2円(+0.9%) |
ラクオリア創薬 | 770円 | +12円(+1.6%) |
シンバイオ製薬 | 746円 | +10円(+1.4%) |
カイオム・バイオサイエンス | 184円 | +4円(+2.2%) |
キッズウェル・バイオ | 437円 | +10円(+2.3%) |
ペプチドリーム | 2,115円 | +59円(+2.9%) |
オンコリスバイオファーマ | 638円 | +18円(+2.9%) |
リボミック | 211円 | +2円(+1.0%) |
サンバイオ | 1,205円 | -17円(-1.4%) |
ヘリオス | 1,162円 | +20円(+1.8%) |
ブライトパス・バイオ | 96円 | 0円(0.0%) |
窪田製薬ホールディングス | 152円 | +1円(+0.7%) |
ソレイジア・ファーマ | 81円 | +1円(+1.3%) |
Delta−Fly Pharma | 1,247円 | +22円(+1.8%) |
ステムリム | 717円 | +4円(+0.6%) |
メディシノバ | 313円 | -9円(-2.8%) |
ファンペップ | 225円 | +1円(+0.4%) |
ペルセウスプロテオミクス | 382円 | -5円(-1.3%) |
モダリス | 351円 | -6円(-1.7%) |
クリングルファーマ | 810円 | -1円(-0.1%) |
レナサイエンス | 435円 | +11円(+2.6%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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