1 創薬企業の相場概況
本日の創薬株式市場は全面高となった先週末の反動もあり、28銘柄中19銘柄が値を下げました。
しかし、その値下げ幅は限定的であり、創薬平均株価では前営業日の値上げ幅の6割戻しとなりました。
本日の下げによる底値の切り上げが期待されます。
個別銘柄ではペルセウスプロテオミクスが前日比16.2%高と大幅に上昇しました。
ペルセウスプロテオミクスが研究開発を進めるアグレッシブNK細胞白血病治療薬に対し、AMED(国立研究開発法人・日本医療研究開発機構)が補助金を助成することが発表されました。
この助成金はAMEDが行っている創薬支援推進事業の一つである希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業によるもので、希少疾病用医薬品の製造販売承認を目指す企業などに対して補助されます。
ただし、同助成金は開発費用の一部を補助するものであり、その額も限定的なものであるから、継続した株価上昇へとは繋がり難いと考えられます。
本日2番目に上昇幅が大き買った銘柄は米国籍のメディシノバでした。
メディシノバの本日の上げは昨今のロシア-ウクライナ情勢による円安ドル高に振れた為替要因と考えられ、NASDAQでの前日終値を追う展開になったためだと思われます。
円安懸念が広がる日本株式市場において、為替リスクヘッジが行えるメディシノバ株の取引は異なる注目の浴び方となりますが、世界情勢が不透明な今だからこそストロングポイントとなる可能性があります。
反対に下落幅が大きかった銘柄がレナサイエンスとサンバイオです。
レナサイエンスの3月18日(前営業日)はストップ高でした。
それは3月17日に発表された「東京医科歯科大学病院との共同研究契約締結のお知らせ」が材料視されたものです。
しかし、「全創薬銘柄が上昇 アンジェス、リボミック、ヘリオスが中小型株を牽引 レナサイエンスはストップ高で値上がりトップ」でも言及した通り、現在の創薬株式市場では収益化までの道のりが遠い早期段階のパイプラインの価値評価はとてもシビアです。
そのため、本日は利益確定売りの影響を大いに受けることになったのでしょう。
サンバイオは2022年3月18日の開示内容「行使価額修正条項付新株予約権の大量行使に関するお知らせ」により、新株予約権の大量行使によって800,000株(同行使前の約1.5%相当)の新規株式が市場に流通したことが判明し、かつ、約9割のストックオプションが未だに残っていることも判明しました。
サンバイオ株の直近の値動きが激しい状況も相まって、5%を超える下げ幅になったと考えられます。
なお、サンバイオ同様にソレイジア・ファーマでも行使価額修正条項付新株予約権の大量行使が同日公表されましたが、ソレイジア・ファーマの下げ幅はサンバイオの約半分となっています。
2 創薬企業のIR更新情報(前営業日)
【カルナバイオサイエンス】
・株式会社シェアードリサーチの当社レポートが更新されました。
・AS-1763(BN102)の中国におけるIND申請承認およびマイルストーン・ペイメント受領に関するお知らせ
【サンバイオ】
・株式会社シェアードリサーチの当社分析レポートが更新されました
【窪田製薬ホールディングス】
【ソレイジア・ファーマ】
・行使価額修正条項付第13回新株予約権の大量行使に関するお知らせ
【メディシノバ】
3 創薬企業の株価指数
主要指数 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
創薬平均株価 | 606円 | -13円(-2.18%) |
BR創薬株3種 | 1,698円 | -36円(-2.05%) |
BR創薬株7種 | 1,149円 | -29円(-2.43%) |
BR中型株指数 | 705円 | -23円(-3.15%) |
BR小型株指数 | 239円 | -3円(-1.19%) |
4 創薬株価指数とテクニカル指標
創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム
BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム
BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス
4 創薬企業の相場のまとめ
全体 | |
---|---|
値上がり銘柄数 | 6銘柄 |
値下がり銘柄数 | 19銘柄 |
変わらず | 3銘柄 |
出来高 | 1,506万株 |
売買代金 | 1,007,166万円 |
時価総額 | 8,689億円 |
個別銘柄 | 終値 | 前日比(%) |
---|---|---|
ジーエヌアイグループ | 1,351円 | +26円(+2.0%) |
アンジェス | 317円 | -12円(-3.6%) |
オンコセラピー・サイエンス | 66円 | 0円(0.0%) |
そーせいグループ | 1,464円 | -26円(-1.7%) |
ナノキャリア | 253円 | -5円(-1.9%) |
カルナバイオサイエンス | 1,005円 | -30円(-2.9%) |
キャンバス | 179円 | -2円(-1.1%) |
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 199円 | 0円(0.0%) |
ラクオリア創薬 | 765円 | -19円(-2.4%) |
シンバイオ製薬 | 752円 | -31円(-4.0%) |
カイオム・バイオサイエンス | 176円 | -3円(-1.7%) |
キッズウェル・バイオ | 413円 | -10円(-2.4%) |
ペプチドリーム | 1,971円 | -64円(-3.1%) |
オンコリスバイオファーマ | 590円 | -9円(-1.5%) |
リボミック | 156円 | -6円(-3.7%) |
サンバイオ | 1,316円 | -77円(-5.5%) |
ヘリオス | 1,182円 | -27円(-2.2%) |
ブライトパス・バイオ | 93円 | -2円(-2.1%) |
窪田製薬ホールディングス | 152円 | +6円(+4.1%) |
ソレイジア・ファーマ | 80円 | -2円(-2.4%) |
Delta−Fly Pharma | 1,303円 | +6円(+0.5%) |
ステムリム | 727円 | 0円(0.0%) |
メディシノバ | 307円 | +17円(+5.9%) |
ファンペップ | 229円 | +5円(+2.2%) |
ペルセウスプロテオミクス | 444円 | +62円(+16.2%) |
モダリス | 337円 | -10円(-2.9%) |
クリングルファーマ | 792円 | -6円(-0.8%) |
レナサイエンス | 450円 | -48円(-9.6%) |
6 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い
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