需給バランス悪化の中、そーせいの踏ん張りが目立つ Delta−FlyはDFP-14323の評価のギャップに苦しむ

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 1 創薬企業の相場概況

本日の創薬株式市場では売買代金が前日比30%減と振るわず、需給バランスの悪化により下げた銘柄が多いように感じました。

その傾向は特に中型株に見られ、アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリムで構成するBR中型株指数では前日の半分以下の売買代金となり、それに伴って株価も大幅に下がりました。

劣悪な相場環境のなか、そーせいグループが粘りを見せ、微増ながらも2日連続で株価を上げています。

そーせいグループは底値1,300円が意識され、ダブルボトムの形成にチャレンジしている最中ですが、それを劣悪な相場環境で行っている点が評価のポイントです。

対して、劣勢に立たされている銘柄はDelta−Fly Pharmaとサンバイオです。

Delta−Fly Pharmaは昨日8日に非小細胞肺がん(上皮成長因子受容体遺伝子変異陽性、ステージIII/IV)の患者を対象に開発中の「DFP-14323」を日本ケミファに導出(日本)したと発表しました。

それにより、Delta−Fly Pharmaは契約一時金2億円を受け取った他、マイルストンとして総額最大43億円、上市後の売上高に応じた一桁台後半%からの段階的料率ロイヤルティを受け取ると報告しています。

DFP-14323に関してDelta−Fly Pharmaは2022年1月31日にフェーズ2治験の良好な結果を発表していました。

同結果は既存製品を上回るものであり、競合治療薬のアストラゼネカ社製タグリッソよりも優れた効能が期待されています(タグリッソ フェーズ3治験結果比較)。

タグリッソの適応症は幅広いものの、グローバル売上高で1,000億円を超えるブロックバスターです。

そのため、DFP-14323の期待は大きく、それ故に上記契約内容は物足りないと判断され、投資家からの失望売りが殺到したように思います。

サンバイオは主力製品「SB623」の承認申請完了の発表を以て、一旦材料出尽くしとなりました。

SB623の承認審査は6ヶ月以内に結果が得られるため、2022年8~9月頃に発表されると見込まれる同結果に注目したいですが、直近の大幅な株価の上昇による利益確定売りや、MSワラントによる希薄化懸念も含めた相場環境の悪化による手仕舞い売りの流れに当分見舞われそうです。




 2 創薬企業の株価指数

主要指数 終値 前日比(%)
創薬平均株価 562円 -21円(-3.73%)
BR創薬株3種 1,534円 -40円(-2.52%)
BR創薬株7種 1,066円 -44円(-3.97%)
BR中型株指数 687円 -48円(-6.49%)
BR小型株指数 220円 -5円(-2.34%)

 3 創薬株価指数とテクニカル指標

創薬平均株価構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、オンコセラピー・サイエンス、そーせいグループ、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、ペプチドリーム、オンコリスバイオファーマ、リボミック、サンバイオ、ヘリオス、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、ステムリム、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

BR創薬株3種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、そーせいグループ、ペプチドリーム

BR創薬株7種構成銘柄:ジーエヌアイグループ、アンジェス、そーせいグループ、ペプチドリーム、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR中型株指数構成銘柄:アンジェス、サンバイオ、ヘリオス、ステムリム

BR小型株指数構成銘柄:オンコセラピー・サイエンス、ナノキャリア、カルナバイオサイエンス、キャンバス、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所、ラクオリア創薬、シンバイオ製薬、カイオム・バイオサイエンス、キッズウェル・バイオ、オンコリスバイオファーマ、リボミック、ブライトパス・バイオ、窪田製薬ホールディングス、ソレイジア・ファーマ、Delta−Fly Pharma、メディシノバ、ファンペップ、ペルセウスプロテオミクス、モダリス、クリングルファーマ、レナサイエンス

 4 創薬企業の相場のまとめ




全体
値上がり銘柄数 3銘柄
値下がり銘柄数 23銘柄
変わらず 2銘柄
出来高 1,748万株
売買代金 1,323,441万円
時価総額 8,047億円
個別銘柄 終値 前日比(%)
ジーエヌアイグループ 1,287円 -61円(-4.5%)
アンジェス 290円 -9円(-3.0%)
オンコセラピー・サイエンス 62円 -1円(-1.6%)
そーせいグループ 1,342円 +7円(+0.5%)
ナノキャリア 238円 0円(0.0%)
カルナバイオサイエンス 941円 -18円(-1.9%)
キャンバス 163円 -4円(-2.4%)
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 184円 -1円(-0.5%)
ラクオリア創薬 754円 -6円(-0.8%)
シンバイオ製薬 701円 +4円(+0.6%)
カイオム・バイオサイエンス 168円 -5円(-2.9%)
キッズウェル・バイオ 361円 -1円(-0.3%)
ペプチドリーム 1,744円 -61円(-3.4%)
オンコリスバイオファーマ 528円 -4円(-0.8%)
リボミック 159円 +1円(+0.6%)
サンバイオ 1,558円 -211円(-11.9%)
ヘリオス 1,080円 -30円(-2.7%)
ブライトパス・バイオ 89円 -4円(-4.3%)
窪田製薬ホールディングス 135円 -4円(-2.9%)
ソレイジア・ファーマ 83円 0円(0.0%)
Delta−Fly Pharma 1,172円 -400円(-25.4%)
ステムリム 584円 -21円(-3.5%)
メディシノバ 257円 -5円(-1.9%)
ファンペップ 201円 -3円(-1.5%)
ペルセウスプロテオミクス 341円 -9円(-2.6%)
モダリス 306円 -14円(-4.4%)
クリングルファーマ 700円 -45円(-6.0%)
レナサイエンス 386円 -15円(-3.7%)

 5 バイオテックレポート(BR:Biotech Report)からのお願い

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